「君といつまでも」は映画の劇中歌だった!
この曲を語るには、まず映画「エレキの若大将」を語らなくては加山雄三ファンとは言えないでしょう!
映画「エレキの若大将」は、加山雄三が主演の若大将シリーズと呼ばれる連作物の映画です。
当時の盛り上がり方は、現在のエグザイル、ジャーニーズなどをはるかに超える一大ブームで、みんなのあこがれを全部詰め込んだような映画でした。
その中でもこの「エレキの若大将」は当時のエレキブームを反映した作品で、わき役とはいえ当時の日本のエレキ第一人者「寺内タケシ」も出演していました。
この映画は結構リアルなバンドマンの日常を描写していて、出演している寺内タケシとブルージーンズが後ろでポーカーをするシーンがありますが、実際もそんな感じでした。
筆者も大型キャバレーでバンドマンをしていたころ、何度か寺内タケシさんとポーカーをご一緒させていただいたことがありますが、映画のシーンそのままでした!(笑)
若大将シリーズとは?
若大将シリーズは映画会社「東宝」のシリーズ映画で、加山雄三の役柄の変化によって二つのシーズンに分かれています。
初期のシリーズは、大学生の生活を描いた映画で、のちのシリーズはヒットの延長として社会人の生活を描いた映画となっています。
若大将シリーズは大学生編に含まれた作品です。
人気の証拠に大学生編だけでも11作品あります!
1、大学の若大将(1961年・東宝/杉江敏男監督)
2、銀座の若大将(1962年・東宝/杉江敏男監督)
3、日本一の若大将(1962年・東宝/福田純監督)
4、ハワイの若大将(1963年・東宝/福田純監督)
5、海の若大将(1965年・宝塚映画/古澤憲吾監督)
6、エレキの若大将(1965年・東宝/岩内克己監督)
7、アルプスの若大将(1966年・東宝/古澤憲吾監督)
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/若大将シリーズ
8、レッツゴー!若大将(1967年・東宝/岩内克己監督)
9、南太平洋の若大将(1967年・東宝/古澤憲吾監督)
10、ゴー!ゴー!若大将(1967年・東宝&宝塚映画/岩内克己監督)
11、リオの若大将(1968年・東宝/岩内克己監督)
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/若大将シリーズ
この映画の中で歌われていた曲の一つが「君といつまでも」です。
この曲は主人公の加山雄三演じる田沼雄一が、ヒロイン役の星由里子演じる星山澄子に、彼女のことを思って作った曲を聞かせるシーンで使われた曲です。
映画を見ていただければわかりますが、田沼雄一が曲をお披露目すると、いきなり星山澄子も歌いだしたのにはびっくりしました。
「初めて聞く曲が歌えるんか~い!?」と突っ込みたくなりますが、そこは愛嬌ということで納得してください(笑)。
さて、映画についてはこのくらいで、次にこの頃のブームになったエレキについてもチェックしてみましょう!
エレキブームとは?
「エレキの若大将」というタイトルの通り、当時の日本はエレキブームに沸き立っていました。
このブームの火付け役は「ザ・ベンチャーズ」という4人組のインストバンドです。
「テケテケ」という言葉は、彼らのギター奏法の音色を表す言葉で、当時の若者はエレキでテケテケと弾くことが一種のステータスとなっていました。
「ザ・ベンチャーズ」の使っていたギターはモズライトというギターで、日本では加山雄三や寺内タケシが愛用していたため、日本でも多くの若者が当時は高級なギターを買ってテケテケと演奏していました。
何を隠そう筆者が初めて触ったエレキギターもモズライトで重量感のある良いギターだったことを覚えています。
作詞家、岩谷時子との出会い
加山雄三は曲を作る時に弾厚作という名前で作曲者を登録しています。
加山雄三が自分の曲に番号を振って管理していますが、その一番最初の曲が「夜空の星」です。
ただその前に「恋は赤いバラ」という曲がありまして、「エレキの若大将」の前作の「海の若大将」の劇中で歌われた曲です。
この曲の作詞者が「岩谷時子」なのです。
この人との出会いが加山雄三の運命をいっきに開くきっかけとなったのでした。
この曲のヒットを追いかけるように、次々と新しい曲が弾厚作と岩谷時子のコンビで作られてゆきます。
加山雄三本人も、岩谷時子さんに出会わなかったら歌手としての僕は存在しないと言い切るくらいに感謝しています。
つまり彼女との出会いはちょうど弾厚作のスタートでもあるのです。
「恋は赤いバラ」以降に弾厚作と岩谷時子のコンビで作られた順を見てみると次のようになります。
弾厚作と岩谷時子のコンビをチェック
作曲:弾厚作 作詞:岩谷時子のコンビで出した曲は次の6曲です。
1965年12月5日 A面:君といつまでも B面:夜空の星
1966年4月5日 B面:蒼い星くず
1966年6月15日 A面:お嫁においで
1966年10月15日 A面:夜空を仰いでB面:旅人よ
これらのヒット曲のトップに「君といつまでも」があるわけで、とりわけ曲中にあるセリフ「幸せだなあ・・・」が一世を風靡したのです。