The dream is over
声にならない 言葉を繰り返しても
高すぎる灰色の壁は
過ぎ去った日の想いを夢に映す
Until I can forget your love

出典: ENDLESS RAIN/作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI

“夢は終わりを告げた”

心の中で主人公が何度もつぶやいた言葉です。

再び手にすることのできない愛を求め彷徨う日々が始まります。

空高くに置いてきた主人公の感情はいつしか上空を覆い尽くしてしまうのです。

曇天となった主人公の感情から生まれた「終わらない雨」は地上を濡らしていきます。

『ENDLESS RAIN』とは主人公の慟哭から生まれた雨だったのです

ここで興味深いのは「」を単なる女性との関係だとか慈悲深いものであるとかいう意味で用いていないことです。

「愛」という言葉は人間にとって素晴らしいものであると同時に人の心を縛り付けるものにもなります。

よく「愛は見返りを求めない」といいますが、人に与える時点で愛には何かしら見返りを求めているのです。

その辺りを深く考えもしないで愛という言葉を安易に用いることの愚かさも批判しているのではないでしょうか。

愛を捨て去ることでしか愛の意味を知ることができない悲しい結末

X JAPAN【ENDLESS RAIN】歌詞を和訳して解釈!あなたの心の傷にも…終わらない雨が降るの画像

Endless rain,fall on my heart 心の傷に
Let me forget all of the hate,all of the sadness

Endless rain,let me stay evermore in your heart
Let my heart take in your tears take in your memories

出典: ENDLESS RAIN/作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI

“終わらない雨よ、俺の心の傷を濡らしてくれ

すべての憎しみを忘れ去るまで、すべての悲しみを忘れ去るまで

終わらない雨よ、俺は永遠に君の心の中に居続けよう

俺の心を君の涙の中へ、君の思い出の中へ連れて行っておくれ”

繰り返される『ENDLESS RAIN』、「終わらない雨」とは主人公の慟哭が産み出したものでした。

本能の赴くままに暴力と罪で溢れた退廃の美学を貫くことを選んだYOSHIKI。

愛を捨て去ることでその美学を完成させようと永遠の苦悩の中に自ら飛び込んでいったのです。

しかし真実の愛を欲していたのはYOSHIKI自身だったのかもしれません

苦痛から逃れるためにすがったのは幻想の中でしか会えない君の存在。

愛を捨て去ることで真実の愛の意味を知るという『ENDLESS RAIN』の物語。

その後のX JAPANの歩みを知る今だからこそ聴くべき名曲なのです。

最後に

今回はX JAPANの初期の名曲『ENDLESS RAIN』を解説いたしました。

見事に世間のイメージを覆すだけでなく新たなファンまで獲得することとなった『ENDLESS RAIN』。

その中には産みの苦しみともいえるようなYOSHIKIの苦悩が綴られていたのです

その後もあまりにも多くの名曲をこの世に残してきたX JAPAN

やはり気になるのは『ENDLESS RAIN』に続くバラード曲の『Say Anything』です。

以下のリンク先の記事ではYOSHIKIが『Say Anything』にかけた想いの強さを解説しています。

ぜひご覧ください。

こんなに良い曲なのに、失敗作…!?「Say Anything」のエピソードと歌詞を中心に見ていきましょう。

『Jealousy』『ART OF LIFE』と続いた美しいメロディの完成形ともいえる楽曲

それがアルバム『DAHLIAの1曲目に収録されたタイトル曲です。

終始激情にまかせたような演奏が繰り広げられる『DAHLIA』にはX JAPANのすべてが詰まっています。

以下のリンク先に掲載された『DAHLIA』の解説記事も必見です。

なにかと話のネタが多い、Xの「DAHLIA」。あるエピソードとともに、歌詞と楽曲をチェックしましょう。

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