これは考え方によって変わりますが、MCバトルは名前を売る為に出場するという考えの人もいるんです。
GADOROは名前が売れて、自分の音源が売れるようになってからスタートと考えているんだと思います。
立ちはだかる壁
奴らは皆決まって俺にこう告げた
お前のようなクズじゃ無理だ
真っ当な人生も歩めないカス
出典: KUSONEET DREAMS/作詞:GADORO 作曲:DJ HONDA
GADOROはかなりクズだと自分で語っています。
お金にだらしなかったり、人間関係にだらしなかったりするようです。
なので、周りからは普通の人生すらも送れないお前じゃ無理だといわれています。
しかしGADOROがやってるのはヒップホップ。
自分のクズさや失敗などを曲にすれば、エンターテインメントとして成立しちゃうんです。
クズであればあるほど、ヒップホップとしてはGADOROというブランドが確立されていきます。
殻にこもってた名無しの権兵衛
田舎町背負っての生身の挑戦
可能を不可能にしてきた
KUSONEET DREAMS
出典: KUSONEET DREAMS/作詞:GADORO 作曲:DJ HONDA
都会に出てきた田舎者であるGADORO。
何者かになりたいと、もがき苦しんで頑張っている状況を歌っています。
そんななか自分のクズさのせいで数々の可能にできるようなことを不可能にしてきたというんです。
このラインはZeebraの「Street Dreams」から引用されているラインになります。
俺がNo.1ヒップホップドリーム
不可能を可能にした日本人
出典: Street Dreams/作詞:ZEEBRA 作曲:DJ CELORY
ZEEBRAの「Street Dreams」のラインとGADOROの「KUSONEET DREAMS」を比べてみると言っていることは真逆。
歌うラッパーが違うだけで言うことが真逆になるのは、とても興味深いですね。
しかしこれは、しっかりGADORO自身が自分のクズさをリアルにヒップホップに昇華できているということです。
孤高のB-BOYさ 死ぬまでリベンジャー
天狗になるほど上り詰めちゃいねぇ
血生臭ぇ全クリのないゲーム
出典: KUSONEET DREAMS/作詞:GADORO 作曲:DJ HONDA
一度はMCバトルで頂点を取ったGADORO。
周りからは天狗だといわれることもあるけど、自分は天狗になるほどことをなしていないという意味にも取れます。
また自分のことをチャレンジャーではなく、リベンジャーと表現しているのは自分自身のせいで可能なことを不可能にしてきたからだと思います。
可能だったけど自分のクズさで失敗してきたGADOROならではのラインですよ。
どれだけ売れようとゴールのないヒップホップを、ゲームという比喩で表現してるんです。
ヒップホップによって人生が変わった
こいつと出会い俺は生きる術を知れた
弱い犬ほどよく吠える ってその通りだよ
死ぬまで叫び続けるさ
ラップスター夢見てたあの舞台に
なんとなくだが届きそうな気がする
出典: KUSONEET DREAMS/作詞:GADORO 作曲:DJ HONDA
ヒップホップのことを「こいつ」と表現しています。
ヒップホップは自分の悪いところをさらけ出すことで、エンターテイメントとして昇華させることができるんです。
ここまで自分をさらけ出して、リアルを追い求めているジャンルの音楽は他にありません。
またGADOROは自分のことを理解していて、「自分は弱い」ということをリリックにのせています。
このリリックからわかることは、どんなに結果を残してもチャレンジャーの精神で直向きに頑張る姿勢です。
天狗、慢心なんかせずやっていこうという決意も見えてきます。
MVの紹介
かなりダークなイメージから始まるMV。
全体的に暗い現状を打開して、底辺から立ち向かっていこうという姿勢が見えてきます。
暗いトンネルや夜の繁華街などで撮影されていて、かなりストリートな仕上がりのMVです。
【クズ 】の時のMVの時とは違い、自身の人生(ストーリー)ではなくGADOROの現在のリアルにフォーカスが当たっています。
よりストリート色が強いMVになっていて、映像としてもかなりかっこいい仕上がりです。