主人公が子供の頃に思い描いた大人の自分というのは、きっと夢を叶えていたり仕事に情熱を燃やしていたりと、輝いていたのでしょう。
しかし実際に大人になってみると、歳を取っただけで当時の理想は何も叶えられていない自分に気が付きます。
大人になること自体はそんなに立派なものではない。
年を取ってみて、そんなことを感じたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
自分は「ダメだ」と卑下することに意味はある?
認めるための傷 増やす度に
命が泣いている
出典: BABY STEP/作詞:Dai Matsumoto 作曲:Dai Matsumoto
そんな自分を「ダメだ」と蔑む主人公。
しかしそうやって自分を卑下していくことで、自分は傷ついていくばかり。
自分の気持ちが上を向かない状態で、理想に向かっていけることなどあるのでしょうか。
自分を好きになることが可能性を広げる
限りあるものが
僕らを迷わせてしまうけど
オー ベイビー
あなたは未だに
生まれていないとさえ思うよ
あぁ だって
僕が僕を好きになった瞬間から
世界は変わるのだから
出典: BABY STEP/作詞:Dai Matsumoto 作曲:Dai Matsumoto
自分がどんどん歳を取っていくことを思うと、「早く理想に辿り着かなければ」という焦りばかりが募っていきます。
ここまででも表現されていたように、その焦りがどんどんと自分を嫌いにさせてしまうのではないでしょうか。
自分の事をダメだと思っていると、世界はグッと縮まってしまうもの。
自分には出来ないと思っているのに、挑戦しようとは思わないからです。
それを思うとここで歌われているように、自分を好きになれた瞬間から、世界は一気に広がるということも理解できます。
「自分ならやれる」という気持ちも然り、例え失敗してしまっても自分を許すことが出来るのなら恐れることはないでしょう。
理想を叶えるためには孤独にならないといけないことがある
幼い僕は 孤独を知っている
いつも誰かと比べてしまうから
それが 時にはとても暖かいから
なぜか 尚更悲しくなった
出典: BABY STEP/作詞:Dai Matsumoto 作曲:Dai Matsumoto
仲間と馴れ合っているときというのは、ぬるま湯に浸かっているような心地よさを覚えるもの。
しかし主人公は理想を叶えるためには、孤独にならないといけないときがあることも知っているといいます。
自分の理想をわかっているのは自分だけです。
人と同じ道を辿っていて、そこに辿り着けるはずがありません。
いずれは1人で歩いていかなくてはならないという寂しさが主人公を襲う様子が描かれていますね。
無理をしてでも前に進もうとするのは?
大人になろうとして 無表情で
ずっと怯えて 夢見がちな日々
出典: BABY STEP/作詞:Dai Matsumoto 作曲:Dai Matsumoto
孤独に怯えながらも理想を叶えるためだと、それを表に出さないように必死に歩む主人公。
そこまでして主人公を駆り立てるものは、決してポジティブなものではないように感じますが…。
自分だけが取り残されている感覚
立ち止まったまま
歩んで行く誰かの背中を見ていると
怖くて寂しいから
どうしても歪み合ってしまうよ
ねぇ もっと
単純でいいよ 足りないものばかりで
できた世界の上だろう
出典: BABY STEP/作詞:Dai Matsumoto 作曲:Dai Matsumoto
主人公が理想を叶えるために孤独にならないといけないことを知っていたのは、叶えた人たちの背中をたくさん見てきたからでした。
しかしそういう人たちを見ていて主人公が感じるのは、喜びでも羨む気持ちでもありません。
主人公はただ、自分が取り残されているような感じがして寂しかったのです。
そして寂しさからその人たちにネガティブな感情を抱く自分を、また「ダメだ」と卑下してしまう。
しかしそんなことで自分をダメだと思う必要はないのです。
例えば理想を叶えた人たちだって、他人にネガティブな感情を抱くことぐらいあるはずなのですから。