「諦めないこと」、「誰かに優しくすること」を忘れてしまっている現状。
それは、生きながら死んでいるとも形容できる、人間らしさを失った悲しい生き方なのだと解釈します。
いつしか、目に映る色は消え去り、何もかもが停止している世界に生きているのではないでしょうか。
- 他者比較を繰り返し、自己否定を積み上げて、ひたすらに悔やむ「過去」
- 現状の自分を肯定できず、先の将来にも億劫になってしまい、無気力なままに見据える「未来」
その原因は、自分を塞ぎ込んで、元々持っていた思考を自ら思い出さないようにしているからなのです。
そうではなくて、焦点を当てるのは「現在」だといっています。
戻ってこない過去も、どうなるか分からない未来も考える必要はないというメッセージなのでしょう。
自分に問いかけて
心はパンク寸前で
ピリピリ 駆け巡る日々
守るもの価値もぼやけ気味 ah
明日よりも今を知り
散り散りな皆の気持ち導き
出典: KONOHOSHI/作詞:ORANGE RANGE 作曲:ORANGE RANGE
ラップ調に謳い上げられているリリックですが、伝えたい想いはそのままです。
生きていくことに対して常に焦燥感を抱いている日々。
気付かないうちに、自分の生き方もそうなってしまっているのではないでしょうか。
漠然とした不安、恐怖感に飽和した心は、既にパンク寸前。
それでも、生きることの指標が分からないから、無理をしても進み続けているのです。
止まってしまえば、誰かに負けてしまい、自分を肯定することから遠ざかってしまうという思考回路。
そんな想いに潰されかけている自分自身に、気づかせてくれる歌詞です。
この星で
この奇跡の地球 担う時
その一歩 ピンポイントアシストに
君の声が響く時
それはこの地球のシンフォニー
出典: KONOHOSHI/作詞:ORANGE RANGE 作曲:ORANGE RANGE
そして、この楽曲のタイトルは「KONOHOSHI」。
シンプルに、私たちが生活している「地球」を形容しているものだと解釈出来ます。
その中で、日々生きているあなたを、ただひたすらに想って謳い上げられた歌詞。
互いの優しさが伝わり合った時、そこには愛が生まれていくのです。
彼らが望んでいるのは、簡単のようで難しい、私たちが誰でも出来ることなのです。
いつしか、しないようになってしまった固まった心をほぐしてくれているのではないでしょうか。
ありのままで
本当の自分に気付かないようにしていた日々
忘れていたかもね 諦めていた
止まった景色 動かしていこう la la la
“今”を歌おう
出典: KONOHOSHI/作詞:ORANGE RANGE 作曲:ORANGE RANGE
楽曲を通して聴いていると、彼らは1つ気づかせてくれます。
それは、「いつしか虚勢を張り続けて、勝手に作り上げた敵に立ち向かおうとしていたこと」。
誰に何をいわれたわけでもないのに、常に何かに焦って、何かと比べてきたのです。
段々と正直になっていく自分自身の心。
少しもどかしくて、恥ずかしいとすら感じてしまいますが、これこそが本当の自分ではないでしょうか。
ただ一つ「大丈夫」
心の中に明かりが灯る 弱くまだ小さいけれど
誰かを想うその優しさを 綺麗事だと笑われても
愛を広げて包みこめば強くなれる 大丈夫
愛が芽吹く瞬間を この世界と踊りましょう
次のページめくりましょう
出典: KONOHOSHI/作詞:ORANGE RANGE 作曲:ORANGE RANGE
注目すべきは、ただ一言「大丈夫」と綴られている点です。
そして、その前にある「綺麗事~」という歌詞。
いくらこの想いを伝えても、この世界はすぐには変わらないと分かっているのです。
しかし、「だとしても」という確固たる想いがORANGE RANGEにはある。
これまでに謳われてきた「諦めないこと」「誰かを愛すること」を真髄に持っているのです。
だからこそ、彼らはどこか前向きに、輝いて見えるのだと解釈します。
他人は変えられないけれど、自分は変えることが出来る。
そう強く想わせてくれた紛いもないラブソングでした。
「愛が芽吹く瞬間」とは、誰かに優しくしたり優しくされたりした時だと考えます。
単純なことであり、一筋縄ではいかない難しいことなのです。