Amazingってどんな曲?
Aerosmith初の全米チャート1位アルバムに収録
1973年にデビューを果たしてから、なんと47年間もの間ロック界のトップとして君臨し続けているAerosmith。
意外にも彼らが全米チャート1位を獲得したのは1993年にリリースされたアルバム「Get A Grip」が初めて。
アメリカだけでも700万枚の売り上げを誇り、Aerosmithの最も商業的成功を納めた作品の1つでもあります。
薬物依存からの脱却
薬物の恐ろしさや依存の恐怖、そして薬物地獄から脱出することが出来た時の解放感。
それを見事に歌い上げるスティーブン・タイラー。
実体験を元にした曲なので、生々しい言葉で紡がれる詞は筆舌に尽くし難いものがあります。
詞の中に薬物という言葉が出てくることはありません。
しかし、Aerosmithは薬物依存に苦しめられてきた過去を持つバンドです。
この曲はそんな彼らにとって最も忌むべき「薬物」について歌われています。
それを踏まえて歌詞を読み解いていきましょう。
後悔の詞
I kept the right ones out
And let the wrong ones in
Had an angel of mercy to see me through all my sins
出典: Amazing/作詞 SUPA RICHARD,TYLER STEVEN 作曲 SUPA RICHARD,TYLER STEVEN
慈悲深い天使の正体
重い題材をテーマとした本曲ですが、歌い出しに悲壮的な雰囲気はありませんね。
むしろ悪い問題が全て解決した後の安心感の様なものすら感じます。
エピローグ的な語り口が、この先の展開が良い方向に向かっていくのだという事を示唆しています。
主人公は薬物という間違ったものに目を向けてしまった自分を深く悔いているのでしょう。
正しいものの中には自分を心配してくれる仲間や家族への思いも含まれているのかも知れません。
薬物に溺れて人生が台無しになってしまうところを、主人公は心を改め人生をやり直すチャンスに恵まれました。
ここでの慈悲深い天使とは、恐らく何らかのきっかけの事なのでしょう。
それは家族や友人からの助言だったのか...。
もしかすると法的に裁かれ強制的に薬物との関わりを断つ事になったのかも知れません。
人生をやり直すきっかけを救いの象徴である天使と表現しているところが印象的ですね。
その事からも、主人公が過去を深く後悔し反省しているという事が読み取れます。
There were times in my life
When I was goin' insane
Tryin' to walk through the pain
出典: Amazing/作詞 SUPA RICHARD,TYLER STEVEN 作曲 SUPA RICHARD,TYLER STEVEN
不器用だった過去の自分への哀れみ
人は誰しも悩みや困難を抱えて生きているもの。
そしてその苦しみが大きければ大きいほど、一刻も早くどうにかしてその苦痛から抜け出したいと思うものです。
思い出話をするような語り口ですが、解決方法を誤ってしまった過去の自分を恥じている様に感じます。
同時に哀れんでいる様な印象も受けますね。
もしかすると、ここでは自分自身だけについて語っているのではないのかも知れません。
間違った方法で問題を解決しようとしている全ての人に向けた、哀れみの心が表現されている様に見えます。
When I lost my grip, and I hit the floor
Yeah, I thought I could leave but couldn't get out the door
I was so sick and tired of livin' a lie
I was wishin that I would die
出典: Amazing/作詞 SUPA RICHARD,TYLER STEVEN 作曲 SUPA RICHARD,TYLER STEVEN