星野源の【未来】という曲とは
2011年9月28日に発売された星野源さんのセカンドアルバム「エピソード」。
1Stシングルの「くだらないの中に」等が収録されている人気アルバムの1つです。
その中に【未来】という曲が収録されています。
震災後に作られた星野源の想いが詰まった一曲
この楽曲は2011年3月11日に東北地方を襲った「東北地方太平洋沖地震」の後に作られた曲といわれています。
誰しもが恐怖と不安を覚えたあの恐ろしい大地震。
しかしそこから見えたのは恐怖だけではなく日本のいいえ、人々のやさしさでした。
震災に遭われた人を思いながら作詞作曲されたこの楽曲には星野源さんのやさしさが詰まっているようでした。
星野源さんはどんな想いをこの楽曲に込め、どんな気持ちになって欲しかったのでしょうか。
歌詞に込められた意味から考察していきたいと思います。
一番のAメロの歌詞の意味
夕暮れの風呂場に
熱いお湯 浴びながら
消えていく 記憶達
今日も生まれる未来
出典: 未来/作詞:星野源 作曲:星野源
悲しい記憶を拭いきれない人へ
お風呂の時間って誰しもにとって至福の時です。
しかしお風呂の中では一人ぼっちです。
ましてや夕日の沈む、どこか悲しげな雰囲気のお風呂場です。
普段なら気にしなくてもいいような辛い過去や記憶、言われた言葉。
それらが体を洗いながら、ふいに思い出してしまったりするものです。
シャワーを浴びながら涙が溢れた経験がある人も多いのではないでしょうか?
しかし、いざ熱い湯船に浸かったときは「あぁ~」と幸福な溜息が溢れてしまうものです。
シャワーを浴びている時に思い出した嫌な記憶達。
それらが全て一瞬で消えてしまうような幸福感がお風呂に浸かると湧き上がってきます。
湯船に浸かると悲しげな雰囲気は一気に消えさります。
そして今まで悲しげに見えていた夕焼けさえも、綺麗なオレンジ色がお風呂場を染め上げているように感じます。
この部分の歌詞からはこのような情景が浮かんでくるようです。
新しく生まれる未来は幸福な未来
ここで湯船に浸かって生まれてくるのは直近の小さい幸福な未来ではないでしょうか。
気持ちの良い状態で考えることは辛いことより、楽しいことや嬉しいことばかりを考える方が多いと思います。
「お風呂を出たらアイスを食べよう。」
「明日の給食は何だろう。」
「好きなあの子と何を話そう。」
「たわいもないささやかな幸せを夢見る未来が、一日の終わりにはふさわしい。」
と星野源さんは断言しているように感じ取れます。
一番の歌詞に深く込められた星野源の溢れ出るやさしさ
この歌いだしの部分からまず、星野源さんのやさしさが全開で伝わってきます。
「過去を気にしすぎなくても大丈夫だよ。」
「辛い記憶を忘れることだって大事なこと。」
「亡くなった被災者だっていつまでも悲しんでいるのを望んでなんかいない。
記憶から薄れていっても怒りはしないよ。」
悲しい記憶を拭いきれずに未だに苦しんでいる人も数多くいるはずです。
残された遺族はそれでも日々の幸せを感じても咎められたりしません。
忘れて至福の時を堪能したってかまわないのだとこの曲から伝わってきました。
一番のBメロとサビの歌詞の意味
一日の終わりに
夢を見た 行かないで
さよならは 誰にでも
今日も生まれる未来
出典: 未来/作詞:星野源 作曲:星野源
Aメロとは、打って変わりなんとも暗い雰囲気に一変しました。
人間には明るいことも暗いことも両方訪れます。
その移り変わりはいつも突然で、まるでそのことを表してるかのような印象がもたれます。