通常盤のジャケットには歴代CDのビジュアルアートがちりばめられています。
左下の方にはTHE BAWDIESにとって憧れのガレージ・パンクバンド、THE SONICSと対バンツアーを行った時のグラフィックも覗かせています。
THE BAWDIESの歩みを、そのルーツから最新ワークまで目で追いかけることができる楽しいジャケットです！
それでは彼らの活動を振り返りつつ、オススメのCD＆楽曲を紹介します。
衝撃の1stアルバム
3枚目にしてメジャー1stアルバムとなった『THIS IS MY STORY』を紹介します。
正直、初めは彼らの「顔」につられてこのCDを手に取った方も少数派ではないはず……。
しかし中身は重厚なロックンロールが鳴っていて度肝を抜かれた人はもっともっと多かったでしょう。
日本人離れしたソウルフルな歌声と発音に筆者はジャケット三度見しちゃいました。
ボーカルのROYはどう歌っても日本人っぽくなってしまうことを嫌い、コンプレックスに感じていたのだとか。
そんなコンプレックスを払拭すべく、理想的な歌声の追求のために並々ならぬ特訓を重ねていたのだそう。
努力で得た歌声をあたかも天性のものであるように操るとはとんでもないミュージシャンです！
そんな努力の結晶であるこの作品はCDショップ大賞にも選出され、ロックシーンに新風を巻き起こしました。
衝撃の一曲
シングルカットもされた『EMOTION POTION』はTHE BAWDIESのデビュー曲のひとつです。
あのジャケット写真からこんなにも重厚かつ濃厚なモータウンビートが飛び出てくるとは、一体誰が予想できたでしょうか……。
こういう雰囲気の楽曲は世界中で作られていますが、日本発はあまり見られません。
だって日本人がやってもいまいちしっくりこないんですもの。
それをTHE BAWDIESはいとも簡単に（ですが、とてつもない努力を重ねて！）やってしまいました。
日本でしか聴けない、生粋の日本人が本気出してやっている凄みが感じられますね。
そしてLOVE PSYCHEDELICOのNAOKIが初プロデュースしたことでも話題となりました。
室内で吹き荒れる風はまさにTHE BAWDIESが私たちに与えてくれた衝撃を表現しているようです。
最高にハッピーなバースデイMV！
ベスト盤にも収録されている『KICKS!』を紹介します。
バンドの10才と、ちょっと早いけれど100才を同時にお祝いしちゃってるハッピーな一曲です。
実写とアニメーションを組み合わせた斬新なMVで『骸骨の踊り』のオマージュになっています。
ROYとTAXMANのツインボーカルがご機嫌指数を上げまくっていますね！
イントロからアウトロまで続く軽快なリズムは思わず口ずさみたくなるほど。
100才を迎えたスケルトンなTHE BAWDIESも可愛いです！
盛りだくさんのカバーアルバム
前回、10周年のアニバーサリーイヤー企画としてリリースされた『GOING BACK HOME』は盛りだくさんのカバーアルバムです。
THE BAWDIESが特に影響を受けている50〜60年代の楽曲カバーが中心です。
ライブの出囃子にも使われているSam＆Daveの『SOUL MAN』など、ファンにとってはお馴染みの曲も収録されています。
カバー中心のためベストアルバムの選曲からは外れていますが、THE BAWDIESのルーツが詰まった一枚です。
レコーディングにはYOUR SONG IS GOODや東京スカパラダイスオーケストラのメンバーが参加しています。
豪華ゲストによるバンドサウンドにも注目してみてください！
短編映画のようなMV
先に紹介した『KICKS!』が未来なら、こちらの『THE EDGE』は過去のTHE BAWDIESとの全面対決しています！
ピコピコハンマーからマシンガンまで飛び出す大混戦なハードボイルド仕立てのMVです。
軽快ポップも良いですが、この曲のようなゴリゴリのギターサウンドもTHE BAWDIESの真骨頂。
We’ve got nothing to lose, living to the end
Nothing to lose, they call this the new war
Nothing to lose, no need to pretend
出典: THE EDGE/作詞:Ryo Watanabe 作曲:Ryo Watanabe
「失うものは何もない。最後まで生き抜くだけ。これは新しい戦争なんだ」
THE BAWDIESの音楽に対する真摯な姿勢を歌っているようです。
戦っているけれど崖っぷち。どれだけ苦しい状況に陥ったとしても、自分たちのスタイルは絶対に曲げたくない。
自らに発破をかけるような、まさしくエッジを効かした作品です。
