ちょっとキケンな香り漂う始まり。
この後は、もっと早くに出会ってたらよかったのに、傷付けたり泣かせたりしないのに、という内容の歌詞が続きます。
ものすごく一途な愛のようにも思えますが、MVを見てもほとんどストーカー、完全に病的な愛の域に達しています。
この曲はとあるフランス映画にヒントを得たといわれていて、モチーフと噂されている作品は近親相姦を題材にしたもの。
……キケンな香りが漂うのも頷けます。
Take you any way you want
いとしの僕の「不安定」
Take you any way you…
もう離さない
君を君をこのまま
閉じ込めて 永遠に
君のそばにいて
ずっとずっと話しかけるよ
出典: 限界破裂/作詞:hide 作曲:hide
「君が好きなところへ連れていくよ」と言いながら「君をこのまま閉じ込めて永遠に」。
どこか別の場所へ連れていく、という意味ではないのか、はたまた“この世”ではないところなのか。
「君」と、君を愛している「僕」、ふたりで閉じこもって、このままいっちゃって、限界破裂。……はい!ご想像におまかせしますね!
タイトルの「限界破裂」からも分かるように、狂気すら感じる愛が肥大化し、ついに限界を超えてしまった曲ですね。
一見重いテーマですが、ポップな曲調とhideさんの子供っぽいような、どこか中性的な歌い方で、なんだかキュートにも感じられます。
ROCKET DIVE
1998年1月に発売された、シングル曲「ROCKET DIVE」。
X JAPANのラストライブが1997年12月31日。そして翌1998年元旦、新聞の全面広告にてhide with Spread Beaverの活動開始が発表されました。
解散で落ち込むファンも多い中「一刻も早くファンへ届けたかった」と、ひと月も経たずして発売されたhide with Spread Beaverとしての記念すべき1曲目です。
歌詞をチェック!
だいたいおんなじ毎日
そいで まあまあ それなりOK
だけど、なんとなく空見上げちゃうんでしょ?
出典: ROCKET DIVE/作詞:hide 作曲:hide
発売の経緯からもわかるように、落ち込むファンに向けて「ロケットみたいに飛び出していこう!」とテンションを上げるメッセージが込められています。
「見上げちゃうんでしょ?」や「そりゃあなんでもアリって事」など、話し言葉のような歌詞で、ファンの気持ちに寄り添っているようですよね。
SPEED FREAKS BABY ROCKET DIVE
見えない場所へ跳びたい
高速の君が一瞬のスパーク
オイデSPEED FREAKS BABY ROCKET DIVE
翼、広げて君がFLY
待ってるだけの昨日にアディオース
新しい星が瞬く世界へ
SAIL AWEY
出典: ROCKET DIVE/作詞:hide 作曲:hide
実はこの「ROCKET DIVE」は、後に紹介する「ピンク スパイダー」「ever free」まで続く三部作。
“若いうちは失敗なんて恐れずに、どんどん新しい世界へ飛び込め”というのがこの曲のテーマです。
「SPEED FREAKS」とは、スピード狂のこと。
お爺ちゃんお婆ちゃんのジェットコースターマニアが割合としては少ないでしょう。
世界が移り変わるスピードや生き急ぐスピード、そのスリルを純粋に楽しめるのは、若いうちだけかもしれません。
「待ってるだけ」ではなく、自分から翼を広げて飛び込んでいく、勇気を貰えるような曲ですね。
ピンク スパイダー
歌詞をチェック!
君は 嘘の糸張りめぐらし
小さな世界 全てだと思ってた
近づくものは なんでも傷つけて
君は 空が四角いと思っていた
「これが全て… どうせこんなもんだろう?」
君は言った… それも嘘さ…
出典: ピンク スパイダー/作詞:hide 作曲:hide
この、張りめぐらせた「糸」というのは、web、つまりインターネットのこと。
この曲が発売された1998年は、パソコンやインターネットがやっと一般家庭にも普及しはじめた頃です。
hideさんはインターネットに将来性を感じ、日本におけるインターネット黎明期である1995年頃には既にホームページと専用メールボックスを開設。
携帯電話の着メロが3和音(8bitのチップチューンみたいな感じです)だった時代に、「インターネットで音楽を聴く世の中になる」とまで語っていました。
あれから20年が経ち、本当にhideさんが言った通りの世界がやってきていますね。
捕えた蝶の 命乞い聞かず
君は空を睨む
「傷つけたのは 難いからじゃない
僕には羽根が無く
あの空が 高すぎたから…」
出典: ピンク スパイダー/作詞:hide 作曲:hide