タイトルの「ピンク」は、空想の象徴としての色。

蜘蛛は蝶を捕えて、自分が持っていない羽根(たとえば、ネットで見ただけの知識)で飛び立とうとします。

しかし、借り物ではうまく扱えないのは当然で、墜落してしまいます。

ROCKET DIVE」で描いたのは新しい世界へのチャレンジです。

しかし「ピンク スパイダー」で描いたのは、夢見たことが全て成功するほど、“飛び出した世の中は甘くない”という失敗と挫折です。

わずかに見えた あの空の向こう
鳥達は南へ
「もう一度飛ぼう この糸切り裂き
自らのジェットで
あの雲が 通り過ぎたら…」

ピンク スパイダー 空は呼んでいる
ピンク スパイダー ピンク スパイダー

桃色のくもが 空を流れる…

(To be continued…)

出典: ピンク スパイダー/作詞:hide 作曲:hide

失敗し、挫折した蜘蛛が、最後の最後に見出した希望。

借り物ではなく、自分の持っている力で飛び立つ。そう決意して空を見上げているところで終わっています。

「桃色のくも」と“蜘蛛”とも“雲”ともわからない曖昧な表現になっていますが、果たしてピンク スパイダーは無事に飛び立てたのでしょうか。

(つづく…)となっているように、実はこの歌詞には続きがあるのです。

Ja,Zoo(ヤズー)
hide, Spread Beaver
MCAビクター
販売価格 ¥2,559(2018年1月15日21時52分時点の価格)
売上げランキング: 16371

上記のアルバム『Ja,Zoo』のラストに収録されている「PINK CLOUD ASSEMBLY」が「ピンク スパイダー」の続きだとされています。

“続きを次のアルバムに入れる”と発言していたそうですが、未完成の状態で亡くなってしまったため、これが本当の結末だったかどうかは誰にも分かりません。

興味のある方は、是非チェックしてみてくださいね!

ever free

1998年5月に発売された「ever free」。

生前に完成させていたシングルとしては、最後の作品になりました。

歌詞をチェック!

【hideが紡いだ歌詞の世界…!】ピンクスパイダーなど人気曲の歌詞と意味解釈をまとめ!和訳付き!の画像

暮れゆく日々眺めてたら
色褪せたSUNNY DAYS

消えてゆく 最初のメロディー
何処でナクシタのだろう?

デタラメと呼ばれた君の夢の
続きはまだ胸の中で震えてる
ever free 崩れそうな君のストーリー
描ければ 見えるのか DReam?

出典: ever free/作詞:hide 作曲:hide

「ピンク スパイダー」で描いた“失敗と挫折”。

それを受けて「ever free」では、失敗しても、挫折しても、“人生は何度でもやり直せる”“可能性を信じて”というメッセージが込められています。

「SUNNY DAYS」とは、晴れた日。ここでは、夢に向かって楽しかった日々や、一生懸命だった日々を指しているかもしれません。

それが「暮れ行く日々」を眺めていたら、色褪せてしまった。

追いかけていた夢が上手くいかず、挙句にデタラメだと呼ばれて、我に返ってしまったようにも思えます。

「消えてゆく最初のメロディー」とは、夢を追いかけはじめた頃に想い描いていた、初期衝動のようなものでしょう。

そして、いつの間にか忘れてしまった夢や想いの続きは、きっとまだ胸の中にあるはずだよ、と歌っています。

ever free 何処にfree? ever free

出典: ever free/作詞:hide 作曲:hide

タイトルにもなっているever free」は、hideさんが作った造語です。

直訳すると“ずっと自由”のような感じですが、hideさんはこの曲のタイトルは「普遍的な自由」という意味だと語っていました。

普遍的とは、すべてのものに共通している様子のこと。つまり、すべてのものに共通して存在している自由、ということですね。

夢を追いかけてる間、自由なんてどこにもなかった、と思うのか、夢を追いかけて試行錯誤しているのって、結構自由かも、と思うのか。

受け止め方次第で、人生は苦しくも、楽しくもなるものかもしれません。

このフレーズの後、間奏での語りは歌詞サイトには記載されていませんが「Ladies & Gentleman Boys & Girls Life is still going on」。

紳士淑女のみなさんも、少年少女のみなさんも。“人生はまだ続いてるんだよ”

FU FU ever free… in your sight.

出典: ever free/作詞:hide 作曲:hide

そして、ラストは「普遍的な自由は…あなたの目の前で」。

夢と自由は、似ているようで似ていないものかもしれません。それに、夢を追うにはそれなりの労力も、犠牲も必要ですよね。

自由を犠牲にして夢を追うこと、夢を犠牲にして自由を得ること。それぞれの立場でそれぞれの葛藤があることでしょう。

人の一生の間にもいろいろな夢があり、人生はきっと、両者の間でフラフラしてしまうものなのだと思います。

でも、そうやってフラフラしている人生も、案外自由なのかもよ、と言っているようにも感じる曲ですね。

また春に会いましょう

【hideが紡いだ歌詞の世界…!】ピンクスパイダーなど人気曲の歌詞と意味解釈をまとめ!和訳付き!の画像

hideさんの人気曲をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

筆者としても、まだまだたくさん好きな曲があります。きっと、ご覧いただいているみなさんもそうだと思います。

今年、2018年は没後20年にあたる節目の年です。

春には、hideさんに縁のあるアーティストたちが集まって、大規模なメモリアルイベントが開催される予定もあるそうです。

大がかりなイベントは今年が最後になるとのことなので、気になる方は下記オフィシャルサイトをチェックして、足を運んでみてくださいね!