タイトルの「ピンク」は、空想の象徴としての色。
蜘蛛は蝶を捕えて、自分が持っていない羽根(たとえば、ネットで見ただけの知識)で飛び立とうとします。
しかし、借り物ではうまく扱えないのは当然で、墜落してしまいます。
「ROCKET DIVE」で描いたのは新しい世界へのチャレンジです。
しかし「ピンク スパイダー」で描いたのは、夢見たことが全て成功するほど、“飛び出した世の中は甘くない”という失敗と挫折です。
わずかに見えた あの空の向こう
鳥達は南へ
「もう一度飛ぼう この糸切り裂き
自らのジェットで
あの雲が 通り過ぎたら…」
ピンク スパイダー 空は呼んでいる
ピンク スパイダー ピンク スパイダー
桃色のくもが 空を流れる…
(To be continued…)
出典: ピンク スパイダー/作詞:hide 作曲:hide
失敗し、挫折した蜘蛛が、最後の最後に見出した希望。
借り物ではなく、自分の持っている力で飛び立つ。そう決意して空を見上げているところで終わっています。
「桃色のくも」と“蜘蛛”とも“雲”ともわからない曖昧な表現になっていますが、果たしてピンク スパイダーは無事に飛び立てたのでしょうか。
(つづく…)となっているように、実はこの歌詞には続きがあるのです。
上記のアルバム『Ja,Zoo』のラストに収録されている「PINK CLOUD ASSEMBLY」が「ピンク スパイダー」の続きだとされています。
“続きを次のアルバムに入れる”と発言していたそうですが、未完成の状態で亡くなってしまったため、これが本当の結末だったかどうかは誰にも分かりません。
興味のある方は、是非チェックしてみてくださいね!
ever free
歌詞をチェック!
暮れゆく日々眺めてたら
色褪せたSUNNY DAYS
消えてゆく 最初のメロディー
何処でナクシタのだろう?
デタラメと呼ばれた君の夢の
続きはまだ胸の中で震えてる
ever free 崩れそうな君のストーリー
描ければ 見えるのか DReam?
出典: ever free/作詞:hide 作曲:hide
「ピンク スパイダー」で描いた“失敗と挫折”。
それを受けて「ever free」では、失敗しても、挫折しても、“人生は何度でもやり直せる”“可能性を信じて”というメッセージが込められています。
「SUNNY DAYS」とは、晴れた日。ここでは、夢に向かって楽しかった日々や、一生懸命だった日々を指しているかもしれません。
それが「暮れ行く日々」を眺めていたら、色褪せてしまった。
追いかけていた夢が上手くいかず、挙句にデタラメだと呼ばれて、我に返ってしまったようにも思えます。
「消えてゆく最初のメロディー」とは、夢を追いかけはじめた頃に想い描いていた、初期衝動のようなものでしょう。
そして、いつの間にか忘れてしまった夢や想いの続きは、きっとまだ胸の中にあるはずだよ、と歌っています。
ever free 何処にfree? ever free
出典: ever free/作詞:hide 作曲:hide
タイトルにもなっている「ever free」は、hideさんが作った造語です。
直訳すると“ずっと自由”のような感じですが、hideさんはこの曲のタイトルは「普遍的な自由」という意味だと語っていました。
普遍的とは、すべてのものに共通している様子のこと。つまり、すべてのものに共通して存在している自由、ということですね。
夢を追いかけてる間、自由なんてどこにもなかった、と思うのか、夢を追いかけて試行錯誤しているのって、結構自由かも、と思うのか。
受け止め方次第で、人生は苦しくも、楽しくもなるものかもしれません。
このフレーズの後、間奏での語りは歌詞サイトには記載されていませんが「Ladies & Gentleman Boys & Girls Life is still going on」。
紳士淑女のみなさんも、少年少女のみなさんも。“人生はまだ続いてるんだよ”。
FU FU ever free… in your sight.
出典: ever free/作詞:hide 作曲:hide
そして、ラストは「普遍的な自由は…あなたの目の前で」。
夢と自由は、似ているようで似ていないものかもしれません。それに、夢を追うにはそれなりの労力も、犠牲も必要ですよね。
自由を犠牲にして夢を追うこと、夢を犠牲にして自由を得ること。それぞれの立場でそれぞれの葛藤があることでしょう。
人の一生の間にもいろいろな夢があり、人生はきっと、両者の間でフラフラしてしまうものなのだと思います。
でも、そうやってフラフラしている人生も、案外自由なのかもよ、と言っているようにも感じる曲ですね。
また春に会いましょう
hideさんの人気曲をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
筆者としても、まだまだたくさん好きな曲があります。きっと、ご覧いただいているみなさんもそうだと思います。
今年、2018年は没後20年にあたる節目の年です。
春には、hideさんに縁のあるアーティストたちが集まって、大規模なメモリアルイベントが開催される予定もあるそうです。
大がかりなイベントは今年が最後になるとのことなので、気になる方は下記オフィシャルサイトをチェックして、足を運んでみてくださいね!