2番のサビまで登場人物は「僕」でしたが、Cパートに入って「僕ら」が加わったことにお気づきでしょうか。
僕は愛を知ったことで感じる力、見る力を得て、誰かの心を感じたり寄り添ったりできるようになったのです。
そしてこのパートの最後、英詞では「it」で表現されている部分は「love」「sing」ではないかと推測します。
つまり、僕ひとりの愛や僕ひとりの歌の力で世界を変えたい、という意味です。
愛が僕を変えてくれたから、僕は世界を変えてみせるという意気込みが感じられます。
そしてこの意気込みはCパート全域にかぶせて歌われるコーラスに込められています。
「愛へ」ラストサビ
僕の視野が広がり「僕ら」となり、最後はこの世にある「命」にまで目を向けました。
愛は終らない 怒り 恨み 悲しみ 憎しみ 日々生まれて溢れる世界なのに
愛は終らない 愛を尊び 共に思いやり 喜び満ち溢れる世界だから
愛は終らない 命がこの世にある限り 命がこの世にある限り
出典: 愛へ/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
世の中がどんなに多くの負の感情に支配されたとしても、愛が消えてしまうことはありません。
僕が「僕ら」のひとりであり僕らは心でつながっています。
閉ざされた世界に生きていた僕だって、愛を知ったことで喜び、愛を与える存在になろうと思えたわけです。
誰もが愛を知り、幸福になる権利がある、そんな意味に取れますね。
そして、愛を生み出すのは「命」だと歌っています。
人間はもちろん、生きとし生けるもの全てが愛を生み、愛をつなげ、愛を伝えていく存在です。
「命がこの世にある限り」というフレーズが繰り返されるエンディング。
命が無限であること、愛が無限であることを表現しているのではないでしょうか。
「愛へ」は誰しもが受け取るべきラブソング
「ラブソング」は、特定の誰かに向けたメッセージ色の強い歌詞であるケースが多いですよね。
RADWIMPSの「愛へ」もラブソングであり、しかしその対象は「誰か」ではなく「生きるもの全て」です。
そして「愛へ」、つまり愛そのものに向けてのラブソングでもあるのです。
これほどまでに壮大なスケールのラブソングを紡ぎ出したのが野田洋次郎という「10代の若者」。
このことに大きな衝撃を受けました。
歌詞の解釈を踏まえてもう一度「愛へ」を聴いてみてください。
私たちが生み出す「愛」もまだ終わらず、誰かに伝えていくべきものなのだと気づくはずです。
「愛へ」と同じファーストアルバムに収録されているラブソングの意味もぜひチェックしてみてください!
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