何にモヤモヤしてる?

TU RU TU TU TU RU TU TU…

漠然としたセリフ
釈然としない空気

出典: ヨヅリナ/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー

1行目の「トゥルットゥットゥッ…」というフレーズがとても綺麗で癖になりますね。

ハモりが絶妙に重なって、美しい音色です。

この楽曲の軸となるメロディといえます。

そして、その後に続く歌詞を見てみましょう。

先ほどは楽しそうでしたが、ちょっと違う空気が漂っています。

「セリフ」とは、台本通りの発言…というニュアンスなのかもしれません。

主人公は何にモヤモヤしているのでしょうか?

「君」が本心を隠して演技しているのではないか、と疑っている可能性がありますね。

「ヨヅリナ」の意味

めんどくさいや
いや 言えないや
「大好き」が膨らんで
(ヨヅリナのウミ)
痛い目 辛いね キモいね
一緒にいたいね (なんで?)
もう何度目

出典: ヨヅリナ/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー

やりとりするうちに、「好き」という感情が湧き上がっているようです。

今どき、インターネット上での出会いは当たり前なのかもしれません。

でも、主人公はそんな自分を「キモい」などと否定しています。

なぜ愛情を素直に肯定できないのでしょうか…。

理性がストップをかけるのにはきっと理由があります。

()で表記されているコーラスも見てみましょう。

タイトル「ヨヅリナ」が出てきました。

これは「夜釣り」という言葉から由来しているのだと思います。

MVの始まりにも魚の泳ぐ姿がありました。

「夜釣り」のように釣られている…。

そう、「君」が主人公の心を虜にして釣っているのです。

これを「楽しい」と捉えるのか「遊ばれている」と捉えるのか…

難しいところですね。

嘘でもいい

遊びでも 優しいふりでも
そこにいる君が
(ねえ)
本当の君じゃなくても
また夜は明ける

出典: ヨヅリナ/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー

主人公にとって「君」はかけがえのない存在です。

でも「君」は直接会ったことのない相手。

だからこそ、「遊びで近づいた」とか「優しい振りをしている」というリスクだって拭い去れません

主人公はそのことをよく理解しています。

心の底から信じ切っているわけではないのです。

ですが、たとえ「君」が本当の姿でなくても、「好き」という気持ちは変わらないのでしょう。

インターネットの出会いだからこそ生まれる感情を絶妙に表現しているともいえます。

楽しい時間はあっという間

2人きりの時間が楽しい

深夜2時 声ひそめて
不健康で終わってる日々
いっせーのせで同時再生
今日も時間を忘れ
宇宙ではしゃぐ二人

出典: ヨヅリナ/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー

「2時」ということは、「0時」から2時間も話し込んだのですね。

相当仲がいい証拠です。

夜更かしというのは「不健康」と分かっていても楽しいもの。

友達や恋人との長電話だと尚更気分が上がりますね。

「まだ寝たくない!もっと喋っていたい!」なんて思うはず。

ここでは、2人だけの世界ではしゃぐ様子を「宇宙」に例えています。

「宇宙」といえば、無重力。

あらゆる重荷から解き放たれ、2人で自由に飛び回っている…。

そんな意味合いではないでしょうか。

まるで「キャンディ」

TU RU TU TU TU RU TU TU…

共感性のロジック
溶けていったキャンディ

出典: ヨヅリナ/作詞:ピノキオピー 作曲:ピノキオピー

「キャンディ」は、楽しい時間があっという間に過ぎていくことを表現しているのかもしれません。

「キャンディ」を舐めているうちは幸せな気分になれますね。

でも、味わっていると案外すぐに溶けて小さくなり、無くなってしまいます。

美味しい「キャンディ」だった時ほど、無くなった時の物寂しさも増してしまうでしょう。

もう一つ。

あと一つ。

そんな具合で次々と手が伸びてしまうことも。

2人で過ごす時間は「キャンディ」を舐める時の感覚に近いのだと思います。

「泡」のように消えたとしても