明確だったメッセージ

小沢健二【ある光】歌詞を独自解釈!“線路を降りる”と誰かが待っている?…活動休止前の幻の名曲を紐解くの画像

この線路を降りたら 海へ続く川
どこまでも流れるのか?
今そんなことばかり考えてる
なぐさめてしまわずに

“let's get on board"
“let's get on board"

出典: ある光/作詞:小沢健二 作曲:小沢健二

線路を降りて「船に乗ろう」と小沢健二は明確に宣言しています

思えばこれが海外移住の話だったと今ならばすぐ気がつくはず。

しかし「ある光」発表当時は直截的な表現ではなく何かの隠喩だろうくらいの理解しかできませんでした。

小沢健二の中で燻っていた不安や不満などはリスナーには見えないですから。

実際、「ある光」発表当時の雑誌のレビューは「オザケン、このまま走り続けろ」みたいな記事でした。

周辺の事情に親しい音楽雑誌記者の認識でもその程度でしたのでリスナーが気付けるものではないです。

ひとりのアーティストがここまで自分の実情を率直な歌詞に変えて公表するということは非常に珍しいこと

しかし自分の人生を作品に昇華させることこそが芸術家の使命です。

小沢健二は非常に誠実なアーティストであることを改めて感じ入る次第。

「ある光」はひとりの人間の生のベクトル転換の有り様が赤裸々に示された貴重な記録です

キラーチューン「ある光」

心模様の貴重な記録

小沢健二は2017年に「流動体について」でシングル発表を本格的に再開します。

「ある光」から約20年、キラキラの小沢健二が戻ってきました。

日本の音楽界はまた俄に沸き立ちます。

J-POPの雛形を創った小沢健二が再びJ-POPを創り変えてくれる予感に包まれました

「フクロウの声が聞こえる」「アルペジオ きっと魔法のトンネルの先」

続くシングルも期待以上の作品でした。

作品世界のスケールのデカさは王子様時代以上のもの。

さらに誰にとっても優しく響くサウンド・プロダクション。

小沢健二の新しい線路なのでしょうか。

しかし作品リリースの間隔はもっと慎重なものです。

自分の生活や人生が持つペースを乱さないように作品を発表する姿が好印象。

今後もまた素晴らしい作品が届けられるはずです。

「ある光」はかつての日々の心模様の貴重な記録。

2018年のツアーでは「メンバーの満島ひかり」がピンクのストラトキャスターを抱えてファズを踏む

大音量の迫力で演奏されるキラーチューンとしてステージ全体の目玉の曲にまでなりました。

指さえも」「ある光」「春にして君を想う

この辺りまでリアルタイムで小沢健二を追い続けた人は少数派でもありますから今の状況は不思議です。

多くのリスナーが今なお20年前の小沢健二のシングルの再発売を待望しています

「ある光」は配信リリースされましたがまだまだ遺されたアルバム未収録曲は多いです。

これらの曲がすべてまた陽の目を見て多くのリスナーのもとに届くことを望みます。

大切な歌をご紹介できて幸運です。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

OTOKAKEで振り返る小沢健二

「生命の最大の肯定」

小沢健二【ある光】歌詞を独自解釈!“線路を降りる”と誰かが待っている?…活動休止前の幻の名曲を紐解くの画像

OTOKAKEには小沢健二の関連記事がいっぱいあります。

中でもタモリが「生命の最大の肯定」と絶賛した曲をご紹介します。

さよならなんて云えないよ

この曲は「美しさ」と改題されて「ある光」のカップリング・ソングになります。

歌詞を徹底解説いたしました。

渾身の記事です。

ぜひご覧ください。

「さよならなんて云えないよ」は小沢健二のキャリアの中でも特別に大事にされた歌です。ポップなオリジナル・ヴァージョンとともにジャジーでスローかつ改題されたヴァージョンもあります。タモリも絶賛した名曲の歌詞を紐解いて人生や別れについて考えました。

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