2人で出かけた花火大会
2番のサビ部分でついに事態の全容が明かされます。
胸が痛いから下を向くたびに
君がまた遠くを征くんだ
夢を見たい僕らを汚せ
さらば昨日夜に咲く火の花
出典: 夜明けと蛍/作詞:ナブナ 作曲:ナブナ
初夏、開かれた花火大会。
君の温かかった手のひら…。
今はそれは遠くなり、主人公の心は痛みます。
きっと「僕」は「君」と仲良く花火大会に出かけたのでしょう。
そして、そこで何かがあったのです。
それは2人の仲を引き離すような出来事が。
具体的にどんなことがあったのかは分かりませんが、それが「僕」がしょげていた理由です。
「君」と過ごすはずだった夏
「君」との、おそらくは心理的な距離が空いてしまった主人公。
楽しみにしていた2人で過ごすはずだった夏、あるいは夏休みはもう期待できません。
あまりにショッキングな出来事に、つい夜を徹してしまった「僕」。
夏が来ない、というのは楽しみにしていた、期待していた夏がもう来ないという意味でした。
夏が来ないでほしいと願う
そんな彼の願いとは…?
たった一夜にして大事なものを失ってしまった「僕」。
ところで、この曲の歌詞解釈をする上で男女は逆にしても成り立ちます。
なので、読者のあなたの今の心境に合うほうで解釈していただいて構いませんよ。
夏休み前に失恋してしまった少年、もしくは少女。
記事では「僕」という表現に沿って彼、としておきます。
さて、そんな彼は何を思うのでしょうか。
失恋は、時に人を死へ追い込むほどの強烈なものです。
若くしてそんな重大な経験をしてしまった彼。
彼はこんなことを願っていました。
夏が来てもつらいだけ…
夏が来ないままの空を描いたなら
君は僕を笑うだろうか
出典: 夜明けと蛍/作詞:ナブナ 作曲:ナブナ
大切なあの人がいる夏と、そうではない夏では雲泥の差があると思います。
昨夜のことがあり、完全に意気消沈してしまった彼には夢も希望もありません。
だから、彼は「夏よ来ないでくれ」と願います。
どうせつらいだけの夏であれば、そんなもの来てほしくないと願ってしまうのは当然かも。
君に笑われてしまうだけかもしれないけど、と彼は自嘲しています。
だけど夏はやってくるのだから
しかしクヨクヨして、やがてやってくる夏を無為に過ごすかどうかは彼次第。
人は夏になると開放的になるものです。
若ければそれは尚のことでしょう。
だったら元気を出して友達と一緒にでも、夏祭りや海・山へ繰り出すべき。
その夏は、その年にしか経験できません。
同じ夏は二度とないわけですから、落ち込んでいたって損です。
やがてあなたの元へやってくる夏を楽しむかどうか、それはあなた次第でしょう。
最後に
あなたの歌詞解釈の一助に
「n-buna(ナブナ)」による『夜明けと蛍』の歌詞解説いかがでしたでしょうか?
美しい楽曲なのですが、歌われているのはかなりシビアな出来事でした。
ナブナさんの独特な詩的表現を読み解くコツにも触れたつもりです。
少しでもあなたの今後の歌詞解釈の一助になれれば幸いに思います。
それでは最後にOTOKAKEの関連記事をご紹介して記事を終えさせていただきますね。