赤丸急上昇中! back numberのおさらい
2017年に全国15カ所のアリーナツアーを敢行!
今更説明する必要もないと思いますが、back numberを初めて知った人のために、彼らのプロフィールを簡単にご紹介。
back numberはボーカル&ギターの清水依与吏(しみず・いより)、ベースの小島和也、ドラムの栗原寿の3人組。
彼らはみな群馬県出身。清水依与吏は太田市、小島和也と栗原寿は伊勢崎市が出身地。
ボーカルの清水依与吏が中心となって2004年に結成し、現在のメンバーに定着したのは2007年。
全曲の作詞作曲を清水依与吏が手がけ、2009年にミニアルバム「逃した魚」を出し、2010年6月に1stアルバム「あとのまつり」をリリース。
翌2011年4月には、シングル「はなびら」で待望のメジャーデビューを果たし、以後、その楽曲がドラマや映画の主題歌、CMソングなどに次々と起用されます。
「花束」や「青い春」「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」と話題に上るヒットソングをコンスタントに送り出して、今絶好調のロックバンドです。
異色なタイトル「ネタンデルタール人」?!
トンチキソングの気配が濃厚?
「ネタンデルタール人」は、2014年3月リリースの4thアルバム「ラブストーリー」に収録。
曲のタイトルとして「ネタンデルタール人」というのは変な感じに思えますよね。
でも収録されたアルバム自体、“ラブストーリー”といいながら、その第1曲目の「聖者の行進」はラブとは無関係の“社会にもの申す”的なシリアスな曲だったりします。
なのでアルバムのコンセプトそのものが、変なのかも。
ウケ狙いのトンチキソングなのか?
いえいえ、「ネタンデルタール人」の歌詞内容は、ラブストーリーにリンクする、男の子の卑屈なまでにいじましい心境を歌っています。
ワンコーラスからみていきましょう。
なんでいつもあいつばっかみんなに 褒められる? 頭来んなあ。
持って生まれてきたものに 差を感じる 不公平だ
輝く姿にため息が出ちゃう その声を聴けばほら舌打ちが出ちゃう
嫉妬は1ミリもしてないけれど イライラモヤモヤが止められないよ
出典: ネタンデルタール人/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
このワンコーラスの前半、その最初の2行で「ネタンデルタール人」のテーマは出し尽くしています。
デキるモテる男に対する不公平感とジェラシー、これです。
「嫉妬は1ミリもしてないけれど」なんて言ってますが、嫉妬しまくってます。
歌詞全体が嫉妬と愚痴と願望のオンパレード。
そんな嫉妬に対して「僕」の願望がサビであふれ出します。
なんであいつと同じに歌えないんだよ
僕も天才ってチヤホヤされたいのに
やる事成す事全部斬新! すごいね! って
言われたいのに 言われたいのに
出典: ネタンデルタール人/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
最後の「言われたいのに 言われたいのに」が、どこか子供が親に甘えてダダをこねているように聞こえるので、女々しい歌だなあ、と感じてしまう。
そうした女々しさを臆面もなく歌いあげるのが、back numberなのです。
自分のダメさや弱さを気取らずに歌ういさぎよさ
吐き出される嫉妬の数々に思わず苦笑しちゃう!
ツーコーラス目になると、その妬みにさらに具体例が加わります。
なんでアイツばっか女に モテまくるんだ? 頭来んなあ。
前世でそれはそれは良い事を たくさんした あぁそれだそれだ
扱う言葉に鳥肌が出ちゃう 有言実行のその態度に 鮫肌が出ちゃう
負けるつもりなんて 皆無なんだけど
現状この立ち位置に 甘んじているんだ
出典: ネタンデルタール人/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
この歌詞を読むと、「僕」はデキるモテモテ男に対して、言葉で負け、立ち居振る舞いでも劣っているようです。
そしてデキるモテモテ男がどうしてそんなにモテるのかを、男の前世が善行したおかげだ、なんて言って無理にこじつけています。
こうなると、「僕」の自己弁護ぶりは涙ぐましいばかりです。
「僕」だって「現状の立ち位置に甘んじているんだ」と言っているように、自分が現状維持であることを自覚しています。
もっと言うと、現状維持でいることしかできない。そのもどかしさが歯がゆい。
無力で魅力のない自分に滅入ってもいます。