望まない明日
今日の僕はまたこうして ゲーセンに吸い込まれる
明日が来なければいいのにな 最終列車の汽笛が煩く鳴り響く
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
学校という世界をでても、結局はまた明日行くことになります。
明日が来なければいいとゲームセンターで時間を潰します。
しかし、無情にも最終列車の汽笛が鳴ることで、今日の終わりを告げられるのです。
今日が終わるということは、また代わり映えのない明日が訪れることを意味しています。
「煩く~」という表現からは明日が来ることの煩わしさが感じられます。
本心で求めているもの
板挟みの感情
どうせ愛なんてって薄幸ぶって強がっても きっと本心じゃ疚やましさに襲われて
どうだい、現状の僕は そうかい、どうしようもないな うるさいなお前なんて大嫌いだ
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
冷めきった人間関係の中では「愛」というものを感じることができません。
「愛」とは他人から与えられるものだけでなく自分が他人へ向ける優しさも含まれているのではないでしょうか。
それは自分には縁遠いものだと達観して決めつけていても心の底ではどうしてもそれを求めてしまうのです。
本能的に求めている愛を否定することで、後ろめたさを感じていることが読み取れます。
現状の自分はそうした感情に板挟みの状態となっており、葛藤しているのです。
優しい人になりたい
あんな空でミサイルが飛ぶのなら そんなもので命が飛ぶのなら
優しい人にならなくちゃ 僕は僕を肯定していたい
優しい人にならなくちゃ 心が悴かじかむ前に
出典: ハウトゥー世界征服/作詞:Neru 作曲:Neru
ミサイルという武器は簡単に人の命を奪うことができるものです。
そして、学校で飛び交ういじめや陰口という武器は向けられた相手を自殺に追い込んでしまうことがあります。
自分はそんなことはしない、そうはなりたくないのです。
なぜならそんなことをする人間になってしまうと、自分が自分を認めることができないからです。
しかし周りの環境というのは、思春期の学生へ大きな影響を及ぼします。
周りの人間のように心が冷めてしまう前に誰かに寄り添える優しい人間になりたいと願っているのです。
世界征服の方法
最後に、これまでの解釈から楽曲のタイトルを考察しましょう。
そのまま見れば、世界征服の方法、という意味のタイトルです。
学校という限られた世界を現場から変えていくのは、優しさという強さ=武器を身につけなければなりません。
優しさという誰かを守れる強さを持つ人間に自分が変わることで、周りの人間も変わるかもしれませんね。
そうした変化の連鎖によって、希望のないつまらない世界を変えていきたいと願っているのだと考えられます。
最後に
今回はNeruさんの「ハウトゥー世界征服」の歌詞の解釈をしてみました。
学校という世界での解釈でしたが、家族や会社などでも同じように感じている人はいるのではないでしょうか。
自分の置かれた環境に希望を感じられない時があるかもしれません。
その時は周りにばかり悲観しているのではなく、自分自身のことも振り返ってみてください。
自分が変われば周りが変わることもきっとあるはずです。
【Neru feat.鏡音リン/ロストワンの号哭】歌詞の意味を解釈!僕達の抱く疑問に答えはあるの? - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
Neruさんの楽曲「ロストワンの号哭」は2014年に公開され、2020年4月時点ですでに1200万回以上も再生されています。強く訴えかけてくるような歌詞には、どんな思いが込められているのでしょうか?丁寧に見ていきましょう。