高橋優「現実という名の怪物と戦う者たち」ってどんな曲?

「現実という名の怪物と戦う者たち」は、2011年2月23日に発売された、高橋優の3枚目のシングル「福笑い/現実という名の怪物と戦う者たち」に収録された楽曲です。

この曲はNHK教育テレビアニメ『バクマン。』のエンディングテーマ曲として書き下ろされました。

「現実という名の怪物と戦う者たち」に込められた想いとは...?

現実という名の怪物と戦う者たち(高橋優)は○○を思いながら書かれた!?アニメEDの歌詞などを紹介♪の画像

「現実がどんなに辛くても、それに誰かと立ち向かえることは結構素晴らしいことなんじゃないか」ということを思いながら書かれた曲だそうです。

主題歌となったアニメ『バクマン。』は、主人公の真城最高が高木秋人とともに漫画家として大成していく過程を中学時代から描いたサクセスストーリーです。

学業と漫画家としての仕事の両立、連載打ち切り、過労による入院など様々な困難に何度も直面しては、乗り越えていく二人の姿は現実という名の怪物と戦う者たち」といえるのかもしれません。

高橋優「現実という名の怪物と戦う者たち」の歌詞を紹介!

ここからは高橋優の「現実という名の怪物と戦う者たち」の歌詞を解釈していきます。

必要な部分は主題歌となった作品、『バクマン。』の内容も踏まえて解説したいと思います!

顔の見えない現実は怪物のように立ちふさがる

どうして僕だけがこんなに辛いのかといつも思ってた
周りの人ばかり幸せそうに見えただけど
君と話したら少しだけだけど気が楽になった
似たような事打ち明けてくれたからかな

顔の見えない現実が時に怪物のように
僕らの志を潰そうと押し寄せて来るけれど

出典: https://twitter.com/PRETZR/status/306795700329512960

『バクマン。』では、青春時代を全て漫画に捧げる主人公たちの姿が描かれ、そんな姿も彷彿とさせる部分ですが、この部分の歌詞は、夢を叶えるために、努力し続ける日々の中で、周りの人たちが幸せそうに見えたと歌っています。

そんな中、「君と話したら少しだけだけど気が楽になった 似たような事打ち明けてくれたからかな」という歌詞は、同じように夢を追いかける仲間が同じような悩みを打ち明けてくれたことで、「気が楽になった」と言っているのです。

『バクマン。』だと、漫画家と声優と、異なる職業でありながら、共に夢を追いかける真城最高とヒロイン亜豆美保の関係が思い浮かびますね。

そして、夢を追いかける中で、時に「顔の見えない現実が」「怪物のように」現れて、「僕らの志を潰そうと押し寄せて来るけれど」、それを毎回倒して、さらなる高みへ登っていくという歌詞。

確かに、夢を描いて願っても、現実の厳しさに直面した途端諦めてしまう様子は、「怪物」を前にひるんで動けなくなるようなものかもしれません。

しかし、それを乗り越えて、自分の「志」を守りながら、何度もその「現実」を受け入れて打開していくうちに、夢は叶っているものなのでしょう。

出会えてよかったと思える人たちと共に独りじゃ辿り着けない場所へ

出会えて良かったと心から言える人が少しずつ増えてく
その温もりを噛み締めながら支え合ったり卑屈をぶつけ合ったり
独りじゃ辿り着けない場所に僕らは今きっと赴いている途中

出典: https://twitter.com/takahasimeigen/status/930076776918761472

「出会えて良かったと心から言える人が少しずつ増えてく 」という歌詞は、『バクマン。』で印象的に描かれていた、漫画家同士のライバルとしての絆を表しているのでしょう。

仲間の大切を噛み締めながら「支え合ったり卑屈をぶつけ合ったり」していくうちに「 独りじゃ辿り着けない場所に僕らは今きっと赴いている途中」。

つまり、足を引っ張り合うような関係ではなく、誰かが困っているときは助け、卑屈になっているときは叱咤激励し合ううちに、気づけば自分も支えられ、そして「一人じゃ辿り着けない」高みへと登ることができるという歌詞ですね。

受験を経験した方はわかると思いますが、受験生になると急に周りがライバルになった気がして、友達なのにお互いに勉強していないと牽制してみたり、それまでは一緒にテスト勉強したりノートを見せ合ったりしていたのが急に気まずくなるということもあると思います。

しかし、本当は、わからないところを友達に聞いたり、逆に友達がわからないことは自分に訊いてもらって教えたりすることで、自分の頭の中も整理され、印象にも残りますよね。

過度に質問しすぎて相手や周りに迷惑をかけたり、カンニングのようにお互いのためにならないことは別ですが、同じように頑張る仲間で支え合うことは、思った以上の成果が出るものですよね。

この歌詞と似ている部分があると思いませんか?

今手を取り合えるならその縁を大切に

それは傷の舐め合いだ綺麗事だと笑う人もいるよ
少し前まで僕もそう思っていたよ
だけど信じられる人がいると日々が少し明るくなる
意固地になっていた自分の事もわかる

いつまでも一緒にいられるわけじゃないことは
なんとなくわかっているけれど今は手を取り合える

出典: https://twitter.com/chihirokaruta/status/899485099451850752

前の見出しの、仲間との支え合いがさらなる高みへと向かわせてくれるという歌詞は、「傷の舐め合いだ綺麗事だと笑う人もいる」というのも事実だと思います。

しかし、「信じられる人がいると日々が少し明るくなる 意固地になっていた自分の事もわかる」というのもまた事実なのです。

「いつまでも一緒にいられるわけじゃないことは なんとなくわかっているけれど」、「今は手を取り合える」。

別に、今の絆がいつまでも続くものでなくてもいいのです。

ただ、今手を取り合える相手がいるなら、意地を張らずにその機会を活かせばいいということですね。