ギターアルペジオって?
「アルペジオ」とはギターの奏法の一つで、複数の音からなる和音(コード)を一音ずつバラして弾く方法になります。
また、「分散和音」や「ブロークン・コード」とも呼ばれることがあります。
和音(コード)をジャカジャカ弾く「コード奏法」とは異なり、アルペジオではギターの弦を一本一本弾きます。
そのためバラードなどしっとりとしたメロディーにぴったりの演奏方法と言えます。
アルペジオでの演奏には、指で弾くことはもちろんのこと、ピックで弾くこともあります。
弦の一本一本をピックで弾くときには、指ではじくよりも音の長さにばらつきが出やすいので、リズムに注意しましょう。
アルペジオで弾く、そのパターンとは?
もし、あなたがギターを既に弾きこなしている方にアルペジオ奏法について尋ねたなら、「曲の雰囲気に合わせて弦を弾けばいい」と言われるかもしれません。
そこで、実際にギターを手に取ってみたけれど、曲の雰囲気に合わせてと言われても、結局のところ、どの指をどう動かしていいのか悩んでしまうかもしれません。
そんなギター初心者が、アルペジオを始めるのに役立つ方法の一つが「パターン化」です。
右手の指にそれぞれ役割を持たせて、ギターを持ってかまえた時に指の位置を固定。
練習を続ければ、右手を見なくても弾けるようになります。
ピックで弾くときは弦一音ずつ上下にピックを動かすので、感覚で弦の位置を覚えることが必要です。
アルペジオで指の「配置」をパターン化
まずは、一般的な4本の指を使った4フィンガー・アルペジオ奏法について覚えるといいでしょう。
右手の親指をベース音(4~6弦)に、人差し指は3弦に、中指は2弦、そして薬指は1弦に…。
というように、それぞれの指ごとに弦に対する配置をパターン化します。
このようにパターン化した上でアルペジオの練習を重ねると、指が迷うことなく滑らかに動いてくれます。
指の配置のパターン化は、3フィンガー奏法など他の奏法でも生かせます。
指3本で演奏する3フィンガー奏法では、親指や人差し指が2本の弦を担当することになります。
これもパターン化して覚えると比較的楽に動くようになるでしょう。
アルペジオで弾く指の配置が決まったら、つぎに考えたいのはそれらの指をどの順番で動かすか、というポイントですね。
もちろん、アルペジオ奏法で分解した和音(コード)をどの順番で弾いていくかに決まりはありません。
そこが「曲の雰囲気の合わせて」ということなのですが、基本的な考え方としてポイントをいくつか取り上げてみましょう。
動きを練習するときは、リズムに合わせることが重要です。1小節を8つの音に分割した8分音符が基本。
最初はゆっくり一音一音弾いてみてください。
慣れてきたらメトロノームに合わせて弾くことをおすすめします。
テンポとリズムを表現することは、どの楽器にも共通するスキルです。
初心者のときからリズムを意識する癖をつけると、後で必ずいきてきます。
実際に弾いてみましょうリズムに気をつけて
アルペジオで指の「動き」をパターン化
まず、ベース音から弾き始めてみましょう。
ベース音とはコード表の一番低い音のことですが、コード別に見てみると、Eコード・Fコード・Gコードでは6弦、Cコード・Aコード・Bコードでは5弦、そしてDコードでは4弦から弾くことになります。
また、和音(コード)の中で1番の高音にあたる音を2拍裏や3拍目の頭に持ってきます。
イメージとしては、ベース音~3弦~2弦~3弦~1弦となります。
加えて、注意したいのが同じ音を連続で弾かないことと、決めたパターンを繰り返すということです。
こうしたポイントを押さえたパターンを弦ごとに数字だけで表わすと、「63231323」、「53231323」、「43231323」となります。
これらは、王道パターンとして取り上げられることが多いアルペジオです。
まずは、こういったパターンに慣れていくといいでしょう。
ですが、アルペジオで固定パターンはありません。
ですから慣れていく中で自分が綺麗に聞こえる弾き方やリズムを考えるのも楽しみの一つになるでしょう。
基本は8分音符を小節に8こ並べる4拍子です。
ギターを弾く音も8分音符が基本で、半分の長さの16分音符との組み合わせが一般的です。
声に出して読むと「タッタカ」とか「タカタン」。
組み合わせて「タッタカタカタン」はよく聞くリズムです。
また、弦をはじくときに、指の腹の部分を使うと柔らかい音が出ますが、音の輪郭がはっきりしません。
弦に対して垂直に指をあてるようにして、爪ではじくようにするとメリハリの利いた音になります。
練習のポイントとして取り入れてみてください。
アルペジオだけでギターが弾ける曲って?
ここまでで、ギターアルペジオの基本ポイントについて見てきました。
では、ここではアルペジオの雰囲気を楽しむことのできる曲をいくつかご紹介していきましょう。
次の3曲は誰もが聞いたことがあるような、耳なじみの良い名曲です。
テンポもゆっくりでバラードの雰囲気をを味わうには最適ですね。
福山雅治・桜坂
ギターアルペジオの初心者にも人気の曲の一つが、福山雅治の「桜坂」になります。
この曲では、同じ和音(コード)が続いているのが特徴で、コードチェンジが少ない分、しっかりと練習すればしっとりとしたバラードの曲の雰囲気を楽しむことができます。
弾き語りバージョンを参考にすると、雰囲気が良く伝わってきます。
基本は4フィンガー奏法ですが、1弦や2弦の高音部が印象的です。
ベース弦のタイミングに気をつけて弾いてみましょう。
弦を弾く順番はどれからでも良いですが、高音部のタイミングに気をつけてください。
尾崎豊・I LOVE YOU
バラードの名曲として今でも人気なのが、尾崎豊の「I LOVE YOU」です。
この曲も複雑なコード運びではないため、アルペジオ奏法だけでなくストローク奏法での練習にもおすすめできます。
原曲はピアノのアルペジオになっていますが、ギターの4フィンガー奏法の王道パターンで十分雰囲気が出ます。
テンポもゆっくりで初心者向けの曲ですね。
盛り上がるサビの部分では、小節の3拍目にアクセントをつけてストロークしましょう。