アルバム「SOUNDTRACKS」の軸となったナンバー
アルバムを象徴する一曲
アルバム「SOUNDTRACKS」は2020年12月2日にリリースされた1枚。
その中でも印象的な「Documentary film」。
「others」と並び、アルバムの軸となったナンバーだったと桜井はインタビューで語っています。
リスナーの人生のサウンドトラックになり、彩るようなナンバー。
いつか終わる人生の中で、フィルムが映す映像とはいったいどんなものなのでしょうか。
歌詞をひとつひとつ読み解きながら、フィルムに描かれる映像に迫っていきましょう。
映画のようなMVも必見
「Documentary film」は映画のようなMVも必見です。
記憶したことを全て忘れることができない女の子。
記憶したことを全て一日で忘れてしまう男の子。
ふたりが出会い、記憶の中にある大きな樹を探しにいく…。
アルバムジャケットともつながる物語が楽曲に乗せて描かれます。
切なさと優しいあたたかさに胸が熱くなるMV。
是非楽曲と合わせてチェックしてみてください。
同じことが続く毎日の中で
いつもと同じ日々
今日は何も無かった
特別なことは何も
いつもと同じ道を通って
同じドアを開けて
出典: Documentary film/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
あたたかく穏やかなピアノの音で紡ぎ出されるイントロ。
静かに優しく始まる歌声が胸を熱くします。
最初に描かれる風景は、何事もないいつもの日常。
同じ学校や会社に通い、同じように日々を過ごして、同じ家に帰る…。
過ごす毎日も、通る道も、いつもと何も変わることはありません。
主人公である「僕」にとっての今日が、普段通りの日常であることが描かれます。
いつか終わる日々
昨日は少し笑った
その後で寂しくなった
君の笑顔にあと幾つ逢えるだろう
そんなこと ふと思って
出典: Documentary film/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
心音のようなドラムが、時間を刻むようなギターとベースが加わって彩りを増していきます。
思い返すのは昨日のこと。
君と過ごした昨日は、記憶に残るほど笑ったことがわかります。
とても楽しくて幸せだった一日。
そんな一日のあとにふと、君がいなくなる日のことを思います。
幸せであればあるほど、いつか訪れる別れのことを思ってしまう。
愛し合い、幸せな人生を送ったとしても、いつかはどちらかが先に旅立つ日が来ます。
それを知っているからこそ、ふと切なく悲しくなるのです。
若かったころには、終わりなんてことを考えないかもしれません。
けれど時間は確実に、そして残酷に過ぎ去るもの。
そして終わりはいつ訪れるかわからないものです。
少しずつ年を重ねるにつれ、そんな終わりの存在を意識して生きていくこととなります。
あと何年、何日一緒にいられるのだろう。
大切で愛おしいからこそ、そう思って寂しくなるのです。
自分だけのフィルムを回す
心をフィルムに託して
誰の目にも触れないドキュメンタリーフィルムを
今日も独り回し続ける
そこにある光のまま
出典: Documentary film/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿