旅立つ人の心情を歌った楽曲
『天体観測』のカップリング曲
BUMP OF CHICKENの中でも抜群の知名度を誇る『天体観測』。
『バイバイサンキュー』はその『天体観測』のカップリング曲です。
この曲の主人公はどこか遠い場所に旅立ちます。
旅立つ日の前日の主人公の心情を歌った楽曲。
今までいた場所を離れるとき人は新たな場所への期待に胸を膨らませるものです。
同時に親しい人との別れを思い寂しさもわきます。
先輩に向けて
この曲は元々親しい先輩のために藤原基央が作成した楽曲です。
藤原が17歳の頃、高校の先輩がベルギーに留学することになり、その先輩のために藤原が書いて送った曲で当時のタイトルは「弱虫賛歌」だった。「弱虫賛歌」をバンドで演奏することはなかったが、歌詞を一部書き換えた上でアレンジしレコーディングされた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/天体観測_(曲)
主人公は出発を前にして感傷的になっています。
これから向かう場所への不安もあるでしょう。
しかし最後は自分なら大丈夫と、明るい気持ちで終わります。
先輩なら大丈夫という気持ちも込められていたのでしょう。
『弱虫賛歌』を大勢の人に向けてリメイクしたものが本作です。
『バイバイ、サンキュー』は旅立つ人々へ向けた応援ソング。
前向きさも、不安も感じさせる歌詞は旅立つ人の心にそっと寄り添います。
出発の前日は感傷的になるもの
何かイベントの前の前日はドキドキしてなかなか眠れないもの。
すぐに寝ようと思っても色々な感情がぐるぐるしてきます。
故郷を離れるときも同様です。
その感情は何故だか悲観的な感情が多いのではないでしょうか。
手持ち無沙汰な夜
明日はとうとう 出発する日だ
最後の夜なのに する事がなくて
入りの悪いラジオなんか聴いて
調子はずれの口笛なんか吹いていた
出典: バイバイ、サンキュー/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
ずっと前から出発することは決まっていたのでしょう。
前もって必要なものは準備してやるべきことも終わってしまいました。
それならば寝てしまえばいいじゃないか、そう思ってしまいます。
ですが主人公はきっと寝たくないのでしょう。
今いる場所で過ごす最後の夜だから名残惜しくて仕方がないのです。
だから雑音の多いラジオを聞いて、適当に口笛を吹いて気を紛らわせます。
何の意味も無く、手持ち無沙汰ゆえに行うこと。
それでも時は一刻、一刻と過ぎていきます。
持っていくもの、したいこと
上着もちゃんとカバンに詰めた
切符も財布に入れた ついでにあのコの写真も
今日のうちに皆に会っておこう
これからしばらくケンカもできない
出典: バイバイ、サンキュー/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
改めて必要なものを忘れていないかの確認です。
きっと何度も確かめたはず。
それでも確かめずにいられないのは心がざわついているからでしょうか。
大切な人の写真はお守り代わりと思うとほほえましくもなります。
そして思い出したのは皆のこと。
当分会えないから会っておこうと考えるのは自然な流れです。
ケンカは1人ではできないことです。
しかし、もうすでに夜で出発は明日の朝。
ただ会いたいと思っているだけなのか本当に会いに行くのか。
取り留めのないことを考える、それだけでも主人公の不安が伝わってきます。
何かを始まる前はいつだってどこか寂しいものです。