話題沸騰中のラップユニット
SNSを通じて人気に
BLOOM VASEは滋賀県の3MCが意気投合して2019年に結成した3人組ヒップホップユニット。
世に出るや否や瞬く間に注目を集めており、人気急上昇中のアーティストです。
中でも2020年7月にリリースした「CHILDAYS」は話題沸騰。
そしてテレビ番組「ミュージックステーション」に出演した際に披露されました。
カートゥーン風のMV
遊び心あふれる歌詞やアメリカのコミックのようなカートゥーン風のアニメーションが特徴です。
これが若者を中心に受け、TikTokなどのSNSで「踊ってみた」動画が拡散され話題に。
YouTubeでも2000万回以上の再生を記録。
裏切りが面白いリズム
冒頭から曲のリズムに乗ると3拍子か4拍子か分からない独特のリズムに予想を裏切られます。
始めにビートを刻んでいくのはピアノのリズムです。
4拍子で感じると4拍目に次の1拍目にタイで伸ばされる不思議な拍感。
3拍子+5拍子にも取れるこのリズムはまるで、子どもの予想のつかない突拍子のない行動のようです。
しかし制作の順番はテーマから曲を作るのではなく、曲からスタートしたそう。
実は「ミュージックステーション」出演の際にテーマを決めた際の話がされています。
それによると、トラックの楽器の音が多いことから「子ども」というテーマにしたとのこと。
8小節の最初から最後まで同じ和音のコード進行。
その中で8小節ごとの区切りで楽器の数を増減させていて雰囲気を変えつつ、一貫したテーマを表しています。
では具体的にどのようなテーマやメッセージを伝えているのでしょうか。
次は歌詞を詳しくのぞいてみましょう。
いつまでも
描いているのは子どもたちの姿
Forever Children ガキのまんま
くだらないことでわらってたいんだ
ときがたったって こころは Young Heart
あのなつかしいおもちゃも チャッチャッチャッ
出典: CHILDAYS/作詞:JiROMAN,RURU,ove 作曲:NoKi
歌の中で何回も使われるフレーズから始まります。
さっそく「Children」の言葉があるように、「子ども」は単数形ではなく複数形。
イメージしているのは自分の部屋で1人空想をしている姿ではありません。
きっと何人かの子どもたちで集まっている様子なのでしょう。
ここでこの曲のタイトルの意味に注目してみましょう。
「Childays」とは英語の「child」と「days」をくっつけた造語である可能性があるように思えます。
子どもの頃の日々をイメージしながらこの曲を聴くと、よみがえるのは自分の小さな頃の記憶。
しかし歌詞にはあくまで現在のことを歌っています。
大人になっている様子は歌詞から分かりますが、想定している主人公の年齢はあえて設定していません。
いくつになっても無邪気な子どもの心を捨てずにいたいという想いが込められているのです。
よく童心を「思い出す」や「忘れずに」といった言葉は耳にしますがこの歌はそれらとは違う印象があります。
純粋に
がむしゃらに勉強をして社会の波にもまれて気づいたら身も心も大人になっていた。
遊び心を忘れたどこか寂しい大人になりたくない。
子ども時代の楽しかった頃を思い出して…といった内容ではないのです。
子どもの無邪気さを持ったまま大人になって、気の知れた仲間たちといつもふざけ合って何でも話している。
そのような時間をただ大切にしていきたいと思っているのです。
歌詞の最後の部分は「おもちゃのチャチャチャ」を連想させます。
またおもちゃを目にしたら、他のことを忘れておもちゃのリズムに夢中になるのでしょう。
思わず身体が動き出してしまうような純粋さが目に浮かぶようです。