【風のささやき】とはどんな曲?
下積み時代を彷彿とさせる楽曲
「マリーゴールド」や「今夜このまま」など数々の人気曲を世の中に生み出している【あいみょん】。
新曲を出せばメディアにも取り上げられるほどの人気を獲得しています。
しかし彼女にもあった下積み時代。その時の心情が綴られているのが【風のささやき】です。
この楽曲は2017年9月13日リリースの「青春のエキサイトメント」に収録された楽曲。
「君はロックなんか聴かない」が収録されたアルバムとしても注目を集めています。
自分の中で思い描いていた夢へと続く道。
しかしそれは思い通りにはいかないものなのです。
彼女は様々な苦労や努力をして大きなステージに上り詰めることができました。
彼女のそれまでの軌跡と色々な想いをこの歌詞から読み解いていきたいと思います。
タイトルから分かること
タイトルは【風のささやき】。
タイトルの雰囲気から感じるのは、爽やかでささやかな風が肌を撫でている情景です。
全てを優しく包んでくれるような清々しいそよ風。
そよ風に対しての印象は先ほども書いた通り、「優しい」や「心地良い」ではないでしょうか。
しかしこの楽曲では「耳障り」だと綴られているのです。
一体なぜ彼女は心地良いはずの風の音が気にくわないのでしょうか。
歌詞の意味からみえてきた彼女が追いかけ続けている夢の正体。
そして彼女は今どこにいて、そして何に悩んでいるのかも合わせて読み取っていきたいと思います。
夢を追いかける彼女の苦悩がみえてくる
心情が鮮明に表現された歌い出し
このまま朝が来なけりゃいいのに
うずくまってる真っ暗な布団の中で
出典: 風のささやき/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
長い1日が終了し、ベッドの中に埋もれる彼女。
どうやら彼女は明日という1番近い未来に対して、良い期待はしていないようです。
それは朝がきてまた同じ悩みを繰り返すことが憂鬱なのでしょう。
この楽曲は夢がなかなか叶わない彼女の心情を歌った楽曲。
朝起きて痛感するのは自分の立場でしょう。
いつもと変わらない朝を迎え、いつもと同じルーティーンで過ごす。
何の刺激も新しいワクワクも感じない日々に彼女は辟易しているのです。
その苦しさを夢が叶わない間ずっと思い続けています。
布団の中はまさに彼女の心の中を表しているのでしょう。
心の周りを壁で包み込み、光すら届かない真っ暗闇に染まっているのです。
この歌詞には彼女が1人ぼっちで苦しみ、絶望している様子が綴られていました。
誰かに縋りたくなるほど淀んだ心
一生のお願いとか使えたなら
この先を僕じゃない誰かに変えて
出典: 風のささやき/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
彼女も何をしたら良いのか分からなくなってしまっているのです。
何をしても上手くいかなくて、夢に近づくことができない。
彼女は藁にも縋る思いで、どこか投げやりに夢が叶うことを望みます。
「一生のお願い」。
それは誰もがもう無理だと諦めたくなってしまう時に、つい口に出したくなる言葉です。
本当に叶うはずもなく、特別な効力があるわけでもありません。
しかしこの言葉を発することでどこか気持ちが楽になり、どこか夢が叶うような気持ちがするのです。
彼女が望むのは今の自分ではなく新しい自分に変えて欲しいという願い。
現状のままでは上手くいかないと感じ、どうにか切り替えたいのです。
違う自分を演じたいがための行動
聞いたことのない名前のタバコをふかす
散歩に行くのも命がけだな
ああ今日は泣いてみようかな
出典: 風のささやき/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
喫煙者の彼女が吸いたいと感じたタバコの銘柄は自分も知らないようなもの。
これは普段自分が吸っている銘柄ではないタバコを吸うことで違う自分になることを望んでいるのでしょう。
今の自分が本当に嫌で、そしてどうにか違う新しい自分になりたい。
彼女の心の底から感じている願望が痛いほど伝わってきます。
いつもと少しだけ違うことをしたら、もしかしたら違う自分になれるのではないかと模索しているのです。
正解のない答えを手探りで探しているような、やるせない彼女の心情が伝わります。
夢見たステージに立つために、もがき、苦しみ、悩んでいるのです。
夢を叶えるための決められた道筋なんてありません。
自分で探し、自分で挑戦し、自分で夢を掴み取っていかなくてはいけないのです。
彼女が夢を掴めずにもがいている時の不安。
そして気軽に散歩すら楽しめなくなってしまっている不安定な心情から、彼女の苦悩が伝わるのです。