夢が一つ叶うたび 僕は君を想うだろう
強くなりたいと願い 泣いた 決意を餞に
出典: 炎/作詞:梶浦由記・LiSA 作曲:梶浦由記
ここでの夢は平和な世への一歩であり、映画では鬼を倒すことを指しています。
もしも自分がもっと強かったら、大切な人を守れたはずなのです。
大切な人を失ったのは、自分が非力で弱かったからなのでしょう。
だから自分の弱さに打ちのめされ、もっともっと強くなることを願ったのです。
夢に一歩近づくたびに、「君」へ報告をしているのではないでしょうか。
道を示してくれた君に送ったのは、友情を誓う言葉でもなく悲しみでもありません。
強くなるという決意の言葉です。
意志は受け継いだ
受け継がれる意志は強く、時には生きていく力になるものです。
意志を継ぐことは、死にゆく者への最高のはなむけになるのではないでしょうか。
大人という現実
懐かしい思いに囚われたり
残酷な世界に泣き叫んで
大人になるほど増えて行く
もう何一つだって失いたくない
出典: 炎/作詞:梶浦由記・LiSA 作曲:梶浦由記
大人になると、昔を懐かしむことがあります。
辛い日々を生きていたら尚更、幸せだった時を思い起こすのではないでしょうか。
あの時は良かった、あの時に戻りたいと想い出にすがっているかもしれません。
世界はきれいごとばかりではなく、時には残酷なほどに牙をむいてきます。
出口が見えず、泣き続けることもあるでしょう。
子供の時は、大人に守られて世間の惨さは見えないものです。
しかし自分の足で立ち上がり、大人になるにつれて辛い思いは積み重なっていきます。
自分の弱さのせいで、手放すのはもう嫌なのです。
決して失わない、という決意すら感じるセリフです。
意志は引き継いだ
悲しみに飲まれ落ちてしまえば
痛みを感じなくなるけれど
君の言葉 君の願い
僕は守りぬくと誓ったんだ
出典: 炎/作詞:梶浦由記・LiSA 作曲:梶浦由記
絶望に心を委ねるのは簡単です。
困難に背を向けて、いじけた生き方をすれば辛いことはなくなるでしょう。
闇に沿って生きれば、心に痛みを感じることもありません。
しかし、君はそうしなかったのです。
映画で煉獄は、永遠に生きることが出来る鬼になれと誘われています。
しかし彼は、弱い人を守るために戦う決意をしているのです。
闇に心を落とすのは楽なことですが、辛くても逃げないという強い意志を感じます。
君の言葉
出典: 炎/作詞:梶浦由記・LiSA 作曲:梶浦由記
この言葉がさすものは、前を向いて生きていけというものです。
どんなことがおこっても、下を向くことなく前に進んでほしいという願いです。
人の想いは受け継がれ、支えとなります。
そして時に生きる上での道しるべとなるのではないでしょうか。
かけがえのない世界にあるもの
曲の中で、かけがえのない世界は失われてしまいます。
この世界には一体何があったというのでしょう。
大切な場所
音を立てて崩れ落ちて行く
一つだけの
かけがえのない世界
出典: 炎/作詞:梶浦由記・LiSA 作曲:梶浦由記
平和な日常や大切な人との時間、それらは当たり前に存在するものではありません。
とても繊細で、ふとしたことで崩れ落ちてしまうかもしれないのです。
だからこそ大切で、代わりのないものなのではないでしょうか。
過ぎた過去は戻らず、幸せな時間も戻ることはありません。
今生きている時間は、決して幸せな時間ではないことを示しています。
唯一無二の世界には、特別なことはありません。
笑顔や笑い声が響く、日常の生活があるだけです。
しかし、それらは代えの効かない大切なものなのです。