瑛人「掃除」
「ココロの掃除」に向き合わせてくれる曲
2021年7月28日に瑛人さんの8thシングル「掃除」はリリースされました。
瑛人さんの独特の感性で今回の楽曲を通して紡がれているのは、心の掃除についてです。
2020年は暮らしや心に大きな変化をもたらすこととなった年でした。
瑛人さんは2020年に「香水」が大ヒットし、紅白に初出場するなど音楽活動において大躍進の年でありました。
激動の年を経て作られた今回の楽曲。
「ハウスダスト」や「心の埃」など独特な表現を使い、自身の在り方に向き合うような内容となっています。
サウンドプロデュースは音楽シーンで数多くのヒット曲に関わっているトオミ ヨウさんです。
ピアノや弦楽器の伸びやかな音色に瑛人さんの歌声が引き立ち、心に染み入る美しい曲に仕上がっています。
ミュージックビデオについて
MVでは歌詞にある「タイムアウト」に関連して電光掲示板が出てくるなど、曲の世界観が映し出されています。
登場するのは瑛人さんと、「香水」「ライナウ」のMVにもご出演のKANさんとakari kamayachiさんです。
コンテンポラリーダンスを踊る2人と瑛人さんが織り成す映像は、様々な解釈を投げかけてくるかのようです。
映像のラストを飾るのは、掲示板の表示が0になり、トンネルを出ていく瑛人さんの姿となっています。
ぜひこちらの映像作品もご覧になってみてください。
玄関掃除はまた今度
明日には汚れるから
いくらキレイにしたって 明日には汚れている
玄関様に言うんだ また今度磨くからね
出典: 掃除/作詞:瑛人,御徒町凧 作曲: 瑛人
玄関は、お家の第一印象を左右するような場所です。
掃除するのを先延ばしにするのは、しばらくお客様をお家に迎える予定がないことを想像させます。
「玄関様」だなんて拝むように言うのは、玄関を幸運の入り口のように捉えているのかもしれません。
主人公は、丁寧にドアノブを磨くなど、念入りな掃除をすることに重きを置いているようです。
目に見えないような汚れにも気を遣っている方なのでしょう。
全部自分のせい
全部お前が汚したと言われれば それまでだよ
良いことしても良いこと起こるとは限らない
出典: 掃除/作詞:瑛人,御徒町凧 作曲: 瑛人
自宅の玄関は自分以外使う人がほとんどいません。
玄関を汚すのも自分自身だけだと思っています。
清潔を保って健康維持をするなど、掃除にはメリットがあります。
でも、主人公は開運のための掃除については最後の1文から一歩ひいた姿勢をとっていることがとうかがえます。
ココロの掃除
人の心の埃は 誰がちり取るの
僕一人だけだと ハウスダストがでるよ
出典: 掃除/作詞:瑛人,御徒町凧 作曲: 瑛人
掃除を比喩として使いながら、自分の心に埃のように積もった思いが表現されています。
自分では、自分の心の健康の管理が出来ない状況なのです。
ハウスダストとは、埃の中でも1ミリ以下の肉眼では見えにくいもののことを意味します。
衣類から出る繊維くずや、ダニ、細菌、カビなどは空中に舞ってアレルギー症状の原因となってしまうのです。
ハウスダストを防ぐには日々のお掃除が大事になってきます。
ハウスダストは、目には見えないけれど健康を脅かすものです。
心の不調もはっきりと目に見える訳ではないし、本人も周囲も見逃してしまうことがあります。
ここでは僕以外の誰かが、自分の心を日頃からケアしてくれることを掃除に例えています。
辛さを抱えながらも、自分だけではなかなか対処できない状態なのです。