浜田省吾といえばライブ!
ハートを鷲掴みにする歌声
浜田省吾が「路地裏の少年」でソロデビューしたのは1976年のことです。
その後地道なライブ活動を続けてツアーの規模はどんどん大きくなり、多くのヒット曲も生まれました。
ファンへ直接歌声を届けるライブはトップアーティストとなった浜田省吾のライフワークでもあるのです。
でも彼自身はデビューの頃からあまり変わらないような気がしています。
サングラスも似合いますが、年を重ねてもジーンズが似合う若々しさも素敵です。
それにいい曲を書くソングライターですが、なんといっても素晴らしいのはあの声ですね。
あまりビブラートをかけない歌い方は素朴で飾らない人柄に重なっているように思います。
少しだけ太い独特な、オンリーワンの歌声はバラードで切なく響いてハートを鷲掴みにするのです。
切なく辛い「片想い」
ライブで歌う浜田省吾
サングラスにシンプルな白のTシャツが似合っています。
10代の青春を忘れずに、そのまま大人になった人が音楽をやっているような感じです。
ギターを持たずにマイクを持って歌うことで切ない想いがより伝わる気がします。
生で彼の歌声を聴くことができた人たちが羨ましくなる映像ですね。
初期を代表するバラード
あの人のことなど もう忘れたいよ
だって どんなに想いを寄せても
遠く叶わぬ恋なら
出典: 片想い/作詞:浜田省吾 作曲:浜田省吾
1979年にリリースされた「片想い」は浜田省吾の初期を代表するバラードです。
これはもうひたすら静かで切ない曲だなと思います。
客観的に見ればロマンチックだけど本人にしてみれば片想いほど辛い恋はありません。
こんなに好きなのにあの人は他の誰かを愛している。
こんなに愛しているのにあの人は振り向いてくれない。
もしかしたら相手はとても身近な人なのかもしれません。
自分が好意を抱いていることを気づいているのかもしれませんね。
だけど想いを伝えることはできていないみたいです。
ふたりはすぐ傍にいて、自分の想いはあの人の胸のすぐ傍まで近づいているのに受け入れてもらえない。
ふたりの距離は近くても心は遠く離れている。
これが片想いの辛さです。
この曲が心に沁みる人はきっと片想いの経験を持っているのではないでしょうか。
片想いでも幸せ?
恋のときめきと叶わぬ恋の辛さ
気がついた時には もう愛していた
もっと早く”さよなら…”言えたなら
こんなに辛くは なかったのに
出典: 片想い/作詞:浜田省吾 作曲:浜田省吾
知らない間に自分の心を占めていたあの人の姿や仕草、そして声。
さよならを言えなかったのは、好きになってはいけない人だったからなのでしょうか。
それでも気持ちを止められないときもあるでしょう。
片想いとはそういうものだと思います。
辛い思いをするのが分かっていて好きになってしまったのだとしたら、それは不幸なことなのでしょうか?
仕事は手に付かず何をやってもうわの空、頭に浮かぶのはあの人のことばかり。
恋をするときめきと叶わぬ恋の辛さを天秤にかけるのは難しいものです。
たとえ片想いでも恋をしている時間はある意味幸せで、本当の辛さはその後にやってくるのかもしれません。
主人公はぎりぎりまで”さよなら”を言えなかったようです。
それとも最後まで口に出せずに心の中でつぶやいたのでしょうか。
”好き”と言えないのであれば”さよなら”が言えるはずもありません。