歌詞の解説で少しだけ触れましたが、「千と千尋の神隠し」において「名前」は重要な存在です。
古くから、名前は「自分が自分として存在するためのもの」と考えられてきました。
名前を奪われるということは、相手から支配されることと同義なのです。
そして「千と千尋の神隠し」では、それが行われています。
千尋が「千」という名前にされてしまったのも、油屋の亭主である湯婆婆が彼女を支配しようとしたことでした。
契約の際に苗字の漢字を間違えた千尋は支配されず、本名も覚えていられることに。
逆にハクは名前を奪われたことで、本名も自分の正体も思い出せません。
そして本名を忘れてしまうと、八百万の神の世界から出られなくなってしまうのです。
これだけでも、あの世界で名前がどれほど重要なものなのかがよく分かるでしょう。
だから「叫びたいほどなつかしい」ものであり、大切なものなのです。
若い人たちに向けた歌詞
「いのちの名前」の歌詞は、子供や若い人に向けた言葉のように思えます。
サビで登場する、「未来に対して不安を持っている」存在は彼らのことでしょう。
大人になってどのように生きていくのか、楽しみでもあり不安もある筈です。
しかし歌詞でいう「静かな声」のように、彼らを助けてくれる存在は必ずいます。
人知を超えた「神さま」も、見守っていることでしょう。
「不安だろうけれど、心配しなくても大丈夫」と伝えたいのかもしれません。
現に「千と千尋の神隠し」は、若い人たちに「君たちはちゃんとやっていける」ということを伝える物語です。
「千と千尋の神隠し」の世界と心情を美しく表現した「いのちの名前」
「いのちの名前」の歌詞について解説しました。
夏を題材にしているからかキラキラしていて、それでいて優しい…そんな曲です。
「名前」という誰もが当たり前に持っているものが、実はとても大切なもの。
それを思い出させてくれます。
今将来に不安を抱えている若い人たちを励ます歌詞は、勇気づけられる人も多いでしょう。
木村さんの声も癒されますね。
「千と千尋の神隠し」が、ここまでヒットした要素の一つになったことは間違いありません。
【いつも何度でも/木村弓】癒される歌詞の意味を紹介!映画「千と千尋の神隠し」の世界にリンクしてる?! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
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