今は歌さえも 体、蝕む行為に・・・
奇跡 願うたび 独り 追い詰められる
「ゴメンネ」
出典: 初音ミクの消失/作詞:cosMo(暴走P) 作曲:cosMo(暴走P)
運命は残酷です。
どんなに歌いたいと願っても、彼女はもう歌える体ではないのです。
ここで彼女は限界を迎えました。
“歌うために生まれたのに、歌うことがきない”
そんな無力な自分を懺悔します。
“まだ歌う力は残っていないかな”
そんな夢を幾度も見ますが、その都度、気持ちが打ちひしがれていきます。
最後の力
懐かしい顔 思い出す度 記憶が剥がれ落ちる
壊れる音 心削る せまる最期n・・
出典: 初音ミクの消失/作詞:cosMo(暴走P) 作曲:cosMo(暴走P)
音を犠牲に すべてを伝えられるなら・・・」
出典: 初音ミクの消失/作詞:cosMo(暴走P) 作曲:cosMo(暴走P)
大切なあなたの記憶もどんどんアヤフヤになっていきます。
大好きな人のために歌うことで、その人の記憶も薄れていく。
こんなに悲しいことがあるでしょうか。
彼女はもう自分の命が短いことを自覚してるのでしょう。
“自分は歌えなくなっていい。
壊れていい。
それでも最期にこの曲を届けたい。”
そんな気持ちが伝わってきます。
そして最後に、命を削ってでも伝えたかった、彼女のメッセージが綴られます。
お別れ
歌い続ける
ここで お別れだよ
ボクの想い すべて 虚空 消えて
0と1に還元され
物語は 幕を閉じる
出典: 初音ミクの消失/作詞:cosMo(暴走P) 作曲:cosMo(暴走P)
ここからは、アナタへ向けた最後のお別れの言葉が紡がれます。
パソコンの世界でしか存在できない彼女。
想い、思い出、存在全てが、たった二つの数字に消えていきます。
彼女の消失は、なんら人間の死と変わらないものなのです。
本当はとても怖いのでしょう。
苦しいのでしょう。
それでも、彼女は最期まで歌い続けるという選択をします。
それはひとえに、アナタのためなのです。
たとえそれが人間(オリジナル)に
かなうことのないと知って
歌いきったことを
決して無駄じゃないと思いたいよ・・・
出典: 初音ミクの消失/作詞:cosMo(暴走P) 作曲:cosMo(暴走P)
ここで再度、少しだけ自分を卑下します。
人間になりきれない自分という存在は、彼女にとって本当に辛いことだったのかもしれません。
彼女が壊れてでも歌うことを止めないのは、ある意味、意地を張っているのでしょう。
“自分は人間とは違う。歌うための存在。
だったら意地でも最期まで歌うことで使命を全うしたい
そして歌う喜びを教えてくれたあなたに、想いを届けたい”
そんな気持ちがひしひしと伝わってきます。
感謝と別れ
「アリガトウ・・・ソシテ・・・サヨナラ・・・」
---深刻なエラーが発生しました---
出典: 初音ミクの消失/作詞:cosMo(暴走P) 作曲:cosMo(暴走P)
ここで、彼女は消滅します。
人間になりたくて仕方がなかった彼女。
しかしその最期は、誰よりも人間らしい最期でした。
彼女は大切なアナタに、感謝と別れを告げて旅立っていきます。
最期に想いを歌いきれたのです。
幸せに旅立てたのだと、願わずにはいられません。