「Simple」の概要
「Simple」はMr.Childrenのアルバム「DISCOVERY」に収録されている楽曲で、ファンにはとても人気のある作品。
タイトルの通り、サウンドもシンプルな楽器編成によるものとなっています。
イントロのアコースティックギターと、ゆったり流れていくような彼らの演奏が心地良い一曲です。
バンドとしての活動休止
1999年当時にMr.Childrenは活動を休止しており、アルバム「DISCOVERY」はそこからの復帰作となりました。
収録された全11曲のうちシングルは4曲。
リリースされたその内容はファンの期待を上回るもので、多彩なサウンドに驚かされました。
「Simple」の歌詞をチェック!(1コーラス目)
悩んでしまう主人公
マイナス思考で
悩みまくった結果
この命さえも
無意味だと思う日があるけど
出典: Simple/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
少し悩みがちな性格を持つ主人公。冒頭の歌詞には後ろ向きな言葉が綴られています。
成長するにつれて、人は誰しも思い悩むものです。
時には「なぜ生きているんだろう?」と、自分の人生にまで疑問を持つことがあります。
君の笑顔に救われる
「考え過ぎね」って
君が笑うと
もう10代の様な
無邪気さがふっと戻んだ
出典: Simple/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
ネガティブな感情を持つ彼に対して、優しく語り掛けるのは「君」です。
「10代の様な」という言葉は、この主人公がもうそれを通りすぎた年代にいることを意味します。
本作がリリースされた当時に桜井さんの年齢が30歳手前であったことから、同年代の男性の姿が想像できました。
学生時代は、将来を思い描いて純粋に明るい気持ちになれたものです。
それが、卒業を経て社会に出ることで現実に直面し、いつしか前向きな気持ちを持てなくなっていきます。
特に25歳から30歳くらいまでの年代には、この主人公の様な経験をする方が多いようですね。
まわりをうらやんで、今すぐ結果が欲しいと望む自分。
そう簡単に変えられない現実を知って失望したり、将来に不安を覚えたり、悩みは人それぞれです。
彼にとって、彼女はそんな疲れ果てた心を癒す存在。
その笑顔を見ることで「無邪気」だった頃の気持ちに戻れる、と語ります。
君と将来を描く
10年先も20年先も
君と生きれたらいいな
悲しみを連れ
遠回りもしたんだけど
探してたものはこんな
シンプルなものだったんだ
出典: Simple/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
サビにあたる部分の歌詞です。
いろいろなことに思い悩み、自分にとっての「幸せ」を追い求めてきた主人公。
周囲から自分の存在を認められること、あるいは裕福になることなど。
彼が手に入れようとしていたものは、そんな一般的に思い浮かべることができる「幸せ」だったのでしょうか。
「悲しみ」や「遠回り」によって心を痛めながら、それでも追い求めてきたもの。
自分にとっての「幸せ」とは、つまるところ彼女が与えてくれる「穏やかな心」なのではないかと彼は悟ります。
ここで語られているのは、まるでプロポーズの言葉のような、彼女に向けたそんなメッセージです。
曲のタイトルにもなっている「Simple」とは、この主人公にとって「大切な人がそばにいてくれる」ということ。
「真理とは単純なものである」という、哲学的な意味がそこに込められているのだと感じます。