RADWINPSの魅力
コミカルかつメッセージ性のある楽曲
数々のヒット曲を生み出し、その歌詞の美しさと耳に残るメロディが多くの人々の支持を得ています。
ところが彼らの魅力はそれだけではありません。
羽目を外した楽曲がとても面白いのです。
一見ふざけたようにも見える歌詞。
深く読み解くとそこにはしっかりと「メッセージ」が込められています。
今回ご紹介する「G行為」もその一つ。
2011年3月9日に発売されたアルバム「絶体絶命」に収録されている楽曲です。
2人の男女の「性格」をコミカルに表現した歌詞は、とても生々しい…。
この楽曲が伝えたいのは一体どんな「メッセージ」なのでしょうか?
「G行為」ってどんな意味?
野田洋次郎のセンスある言葉遊び
タイトルを見ると真っ先に思うことがあります。
「G行為」の「G」は何のことなのか?
読み方をひらがなで表記すると「じいこうい」。
それをさらに全て漢字で表記すると「自慰行為」になります。
野田洋次郎らしい人目を引く言葉遊びですね。
なぜ「自慰行為」なのか?
性的な意味合いを表す「自慰行為」を堂々とタイトルにするなんて、とてもインパクトがありますね。
この楽曲で歌われているのは「マスタべ―ション」について。
「自慰行為」と「自己満足で欲求を満たそうとする姿」が生々しく描かれているのです。
人は誰しも偏りがあるもの。
長所も短所もあり、それぞれの欠けた部分を補うように男女が結びつきます。
「2人で1人」なんて言葉も聞きますね。
精神的な偏りを補うために男女関係を利用する…という捉え方もできるでしょう。
この楽曲は一見性的な内容を歌っているように見えますが、人間の心理を鋭く指摘しています。
承認欲求を満たしたい
それでは早速、歌詞の解釈をしていきましょう!
生々しく表現される登場人物の「心理」に注目です。
もっと褒めて
まだ まだ できるんだ
俺にゃまだまだ力あるんだ
こんなもんじゃないんだ
元来の俺の力を発揮したならば
その気になったらばドカンと
デカイことすぐさまでもできんの
出典: G行為/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「自分はもっと認められるべき」という思いから次々と飛び出す発言…。
「褒められたい」「認められたい」という承認欲求の高さがうかがえますね。
人一倍劣等感が強いのではないでしょうか。
それを見抜かれたくないプライドもあるから、どんどんと高飛車な発言が口走ってしまう。
また精神が安定しない人ほど「極端な言葉」を使う傾向にあります。
この歌詞の中では「ドカン」や「デカイ」が当てはまりますね。
心の奥底は「不安」や「焦り」に満ちているのでしょう。
自分はやろうとすればできる、という自信を捨てたくはないようです。
本気の自分の力を出したら結果が出てくるに決まっている。
でも力を出すのは今じゃないから、そんな雰囲気でしょうか。
今は結果が出ていないけれど、いざやったらすごいことになるから今のうちから注目しているといいよ。
このようなタイプは過去の栄光などを自慢げに話しだすタイプとも一致しています。
今はパッとしないけれど、昔の自分はすごかった、と気軽に承認欲求を満たそうとしているのでしょうか。
最初のうちはウンウンと聞いてくれる人達もだんだんとうんざりしてきそうです。
強引に畳みかける
ただ 今じゃない
「いつ?」まだ「すぐ?」
いつかのため蓄えんの
どこのどいつも なぜ見くびんの?
勝手に低く俺を見積もんの
何も 分かっちゃいない 成っちゃいない
もうやってらんないっちゃありゃしないっちゃ
出典: G行為/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎