先ほどの物言いでは「あえて本来の力を発揮していない」と読み取れます。
ここでは「じゃあなぜ今見せないの?」というツッコミを受けたのでしょうか?
それに対し、「自分は大切な時のために力をセーブしている」と反論していますね。
まるでアニメやゲームのラスボスが、バトル中にリミッターを解除するように。
ますます怪しい…。
話を聞いている人は、薄々彼のハッタリに気づいてしまったようです。
そんな状況に彼はさらに焦りを感じ、後半では「何で分かってくれないの?」と強引に畳みかける。
ここまでの展開で、この登場人物の性格がよく伝わってくることに驚きです。
人間の特徴を適確に捉えて歌詞にしているのですね。
口だけだったら誰でも良いように言えるでしょう。
まだ自分が本気を出すタイミングじゃない…。
なんて言っていたらあっという間に寿命を迎えてしまうでしょう。
この主人公はいつになったら自分の本気を出すのか。
結果を見せずに吠えているだけだと、周りの人が離れていくだけだと早く気付いてもらいたいものです。
ただの独りよがり
欲求を満たしたいだけ
もう ねっちゃ くっちゃ
口ん中 なんだか
粘着質になってきちゃっちゃ
そんなこんなで 改めて 慰めて
好きなだけ 俺褒めて
出典: G行為/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
さて、ここで生々しい表現が出てきましたね。
「自分の承認欲求」を満たすために続けざまに発言する行為。
これって、相手のためにならないと思いませんか?
ただ自己欲求を満たしたいがために独りよがりをしているだけです。
まるで「マスタべ―ション」のように。
このフレーズではその様子を「自慰行為」を連想する言葉で表現しているのです。
「粘着質」という表現がまさにそうですね。
独りよがりで自己中心的なコミュニケーションに対する「皮肉」ともいえます。
口先ばかりで薄い承認欲求を満たそうとしている主人公。
彼の欲望は止まらず、どんどん口先だけで欲求を満たそうとしているのが歌詞の表現からも分かります。
もはや誰からの反応がなくとも、自分の口先から出た出まかせだけでも満足しているような節もある様子。
自分で実現不可能な妄言を垂れて、嘘でも自分で言ったこと自体に満足している。
もはや他人などいなくても自分独りだけで完結できるようになってしまった。
まさに「自慰行為」といえるでしょう。
キャッチーなフレーズ
G行為 G行為 G行為 G
G行為 G行為 G行為 G
ちっこい↑ちっこい ちっこい 自慰
G行為 G行為 G行為 G
出典: G行為/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
皮肉はさらに続きます。
タイトル「G行為」をキャッチーに歌い上げるパート。
その様子を「ちっこい」…つまり「くだらない」と言っているのです。
また「ちっこい」にはもう一つの意味合いが込められているのですが…。
ここは皆さまのご想像にお任せしますね!
褒めてくれたとしても…
薄っぺらい褒め言葉
分かってる 俺は 分かってるよ
やればできる子なの 知ってるよ
本気を出した君には
恐るべき力が隠されているす
まだ本気を出していないだけ
みんなは本気出しても あんだけ
あぁ 楽しみだ 楽しみだな
とんだ大物に化けるかなぁ あぁ
出典: G行為/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
「君は凄い」と褒めちぎっているのですが、何だか薄っぺらい印象を受けます。
「おべっか」や「上っ面」といった感じ。
先ほど登場した男性の意見を極端に全て肯定しています。
いい人だと思われたい「イエスマン」や、深入りしたくない「社交辞令」なのでしょうか?
もしくは登場した男性が自分自身にそう言い聞かせているのかもしれません。
まだ自分の本気を出していないから見れていない。
けれど自分の力が十分に発揮された時は、みんなもハッとなるような素晴らしい結果を残せるんだ、と信じ切っている様子です。
そして成功した自分の姿を想像しながら承認欲求を満たす。
離れていった人達も見返すことができ、すごく気分が良いでしょう。
しかしそんな妄想もずっと続くわけではありません。
ある程度妄想が終了してしまったら、結果が残せず本気を出しきれない自分しかのっていないのです。
こんな虚無感もどこか自慰行為が終わった後の感情と似ているのかもしれません。
心がこもっていない
成功者がよく語るじゃない
下積み 自慢げに 話すじゃない
君にとって 今がその時なんじゃない?
そうじゃない? きっと
そうなんじゃない? パナイじゃない?
そうだったらヤバイじゃない
今が美談になんじゃない
今が辛いほどいいんじゃない?
おいしいんじゃない?
「じゃない」が多くない?
出典: G行為/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
ここでもさらに「君はもっとできる人間だ」と褒めちぎります。
比例するように薄っぺらさも増していますね。
段々と適当な言葉が増えていき、1番最後の行では適確なツッコミが。
語尾に「じゃない?」を使ってばかり。
ここではきっと「適当に話を合わせておだてる」タイプの人間を皮肉に歌っているのだと思います。
はたまた、自分の都合の良い妄想から我に返った彼が少し慌てている様子のようにも捉えることができます。
今が芽の出ない苦しい期間なのであれば、ぬるま湯のような妄想に浸かっている場合ではないのではないか。
そんな真相が一瞬頭をよぎります。
今は歯を食いしばって耐えている時期だったら何もしていない自分は一体何なのか。
もしかして自分が望んでいない方向へ進んでいるのではないか…と気付きそうです。
しかしそこは歌詞の最後の行のようにうまくはぐらかしています。
今が最大限努力するべき時期だとすれば、自分の「本気」を見せないといけません。
本気を出すということは今まで妄想で楽しんでいたのが、一気に現実となって降って来るでしょう。
本当に本気を出しても結果が残せなかったら…。
本気を出した自分はすごいんだという妄想で自分を保っていたのです。
ポッキリと心が折れてしまうでしょう。
だから歌詞の最後で全然関係ないことをいってその場をはぐらかす。
自分が本気を出さなくていいように話を逸らしているのです。
勝手にすれば?
i understand that your complainant and understood with
your clean opinion all you need is a satisfaction
so please feel free let's masturbation
出典: G行為/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎