「幽霊であるし」の2番はどうなる?
2番のAメロ
幽霊であるし もう幽霊であるし
曖昧な記憶ごと消えながら 祟ってる最中かもしれない
出典: 幽霊であるし/作詞:岩下優介 作曲:ニガミ17才
2番のAメロとはいいつつも、このパートからは1番のサビ後にくる別メロディのような印象も受けます。
曲の構成も幽霊だけに変幻自在ですね。
“幽霊”自体の記憶が錯綜しているのでしょうか。
存在が無くなりそうになりながら、必死で誰かの体にしがみついているのかもしれません。
そのとき、幽霊はどんな記憶を蘇らせているのでしょう?
興味が湧いてきます。
2番Bメロの歌詞
甘い後遺症も to to to と脈打ち 先週の夜に混じってく
なんの間違いか 母親の色味たる存在感
にぶつかって to to to と産まれた すぐに夜は始まる
なんの間違いか ひねり着きたての今も怯えて
出典: 幽霊であるし/作詞:岩下優介 作曲:ニガミ17才
先週という歌詞から、時間が巻き戻っているようなイメージが浮かびます。
どんな後遺症なのでしょうか。
甘い想い出に浸ってボーとしている様子が浮かんでくるようです。
想い出が脈打っていると考えると面白いですね。
それだけその想い出が強く残っているということでしょう。
主人公が幽霊かもしれないと考えると、2番のBメロが想像しやすくなります。
もしかすると、彼は死んでしまって一生を振り返っている最中なのかもしれません。
日本には走馬灯という言葉がありますが、幽霊の状態で走馬灯のように想い出が駆け巡っているのかも。
意識もずっと昔まで遡っているかもしれません。
そうすると急に母親が出てきたことも解釈できます。
この幽霊は幼い頃の想い出に浸っているのでしょう。
人は死んだら生まれる前に戻るという思想
ここで、走馬灯のような状態について説明するために、それに近い考え方をひとつ紹介します。
走馬灯と完全にイコールではありません。
死ぬ直前に意識や魂がどうなるかという考え方です。
それは「人は死ぬと生まれる前に還る」という思想。
どこで生まれた思想なのかは、調べても出てきません。
ただ、エニグマというミュージシャンの「return to innocenc」のMVはその世界観がテーマになっています。
死亡した老人が赤子に帰るという、ストーリー性が強いMV。
もしかすると、そこに「幽霊であるし」と通底する何かがあるかもしれません。
「幽霊であるし」の2番のサビを徹底解説!
鼻先に迫ってくる夜を もがいて もがいて もがいて 絡みついてく
もう有明産海苔みたいに 深く貼り付いて
色彩 模様もない夜は めくって めくって めくっては 薄くなってく
嗚呼 もう何でもかんでも幽霊で 浮遊してるようで
出典: 幽霊であるし/作詞:岩下優介 作曲:ニガミ17才
海苔というフレーズが最高ですね。
確かに濡れたら体に貼り付くでしょう。
そして主人公は夜が薄くなることを嘆いているようです。
夜とは恐ろしい存在であると同時に、大切なものなのかもしれません。
様々な解釈ができます。
次の項目では幽霊の正体について考えてみました。
幽霊の正体は?
1.死んでいる歌詞の主人公
タイトルからして「幽霊であるし」です。
そして不思議な言葉が連続しているので、この解釈ははじめから予想できます。
死んでいろいろなことを思い出している最中を歌っていると考えてみましょう。
主人公は、高校の時の午後の授業や、母親と過ごした幼い記憶を思い描いたのではないでしょうか。
曲の冒頭では雨に打たれています。
死んでしまって夜の暗い雨に打たれながら、辺りを浮遊しながらいろんな記憶を振り返っているのです。
そう考えると、彼にとって最後の幸せな時間なのかもしれないですね。
もしかすると死んだ人物こそがニガミ(17才)という可能性も…。