『時効警察』シリーズの主題歌にカムバック!
2019年にファン待望のベストアルバムをリリースした椎名林檎。
しかし、やはりどこまでもファンを楽しませてくれるのが彼女の仕事の流儀です。
本来であれば、アーティストの代表的な過去曲を収録したものがいわゆるベストアルバムというもの。
しかし彼女はそう銘打った音源に、なんと新曲を2曲も収録し発売したのでした。
今回ご紹介するのが、そんな彼女のベストアルバムに収録された新曲のうちの1つ、【公然の秘密】です。
ドラマ『時効警察はじめました』の主題歌にも起用された作品となっていますね。
2010年に放送されたドラマ『時効警察』のリバイバルとなっているこのドラマ。
前作のドラマ放送の際にも、椎名林檎は東京事変として楽曲『天国へようこそ』を主題歌に提供しています。
椎名林檎ファンにとっても、『時効警察』ファンにとっても待望の再タッグであったことでしょう。
早速歌詞を見ていこう!
その香りはとても魅力的で…
どこからか漂う 美味しそうな匂い
逃れらんないの一旦嗅いだら最後よ
くらくら蹌踉ちゃう 拐かす匂い
秘密という名で評判のフレーバーよ
出典: 公然の秘密/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
『蹌踉る』はよろける、『拐かす』はかどわかすと読みます。
『拐かす』とは騙して連れ去る、誘拐するという意味ですね。
その香りは、どこから私たちの元に届いているのか分かりません。
けれど強烈にその香りは人を惹きつけ、時にはその香りにつられて足が動いてしまうほどのものなのでしょう。
この香りは多くの人を魅了するのです、まるで多くの人々が虜になる『秘密』のように。
フレーバーという言葉が、この香りをぐっと上品なもののようにイメージさせますね。
さながら、この『秘密』というフレーバーは小さな硝子壜(ガラスビン)に入った香水といったところでしょうか。
秘すれば花ね本当噂通りで堪んない
自分を誑し込んだ本体突き止めたい
出典: 公然の秘密/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
『誑す』はたらすと読み、言葉巧みに誘い込み騙すという意味となっています。
『秘すれば花』というのは、秘めるからこそ花になる。
つまりは、秘密というのは秘密だからこそ魅力的に見える、という意味の言葉ですね。
皆さんも、秘密の話という言葉にときめいた経験が必ず一度や二度あるのではないでしょうか。
また同時に、その秘密が蓋を開いてみれば意外と大したことではないとがっかりした経験もあることでしょう。
しかし、人間という生き物はやはりその秘密の正体を知りたくなるもの。
秘密の正体を突き止めようとする高揚感は、何物にも代え難いものです。
その高揚感やときめきを求めて、人は秘密を探し、近づき、それを暴こうとするのでしょう。
まるで美味しそうな匂いにふらふらと惹かれ、虜になってしまう人々と同じように。
その秘密、本当に密やかなものですか?
ほらご覧隠したってみえみえ…嘘を
乗せたトップノート ああ近いようね
初々しいバニラ そう甘やかでしょ
出典: 公然の秘密/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎
世の中の紳士淑女の皆様にとっては常識かもしれませんが、香水とは実は時間を経るごとに香りが変わるもの。
その香水を身に纏った時に最初に香る香りのことが、この『トップノート』のことです。
先ほど、秘密とは秘密であるからこそ魅力的であるということをお話しました。
しかし、時には当事者は秘密のつもりでも、周囲にとっては全く秘密になっていないことってありますよね。
非常に分かりやすい例ですと、仲間内で付き合う恋人や同じ会社やクラスに想い人がいる場合などでしょう。
関係を公言していないけれど、どうもこの2人の関係は非常に近しいものなのではないか?
あるいは、この2人の間には片方の一方的な好意があるのでは?
そんな気配を感じ取ったことのある方も、きっと多いのではないでしょうか。
また同時に、そんな秘密を持ったことのある方や今現在持っている方もある程度のいることでしょう。
特に今現在、近しい間柄に秘密をお持ちの方はお気を付け下さいね。
先ほどもお話したように、秘密の香りはどこからか漂い、みなそれに惹かれていきます。
さながらその香りは香水の、バニラの甘くて美味しそうなトップノートのように。
もしかしたら、あなたが思っている以上にその秘密は秘密ではなくなっているかもしれませんよ?
そんな密やかでないかもしれない秘密、それこそが【公然の秘密】と呼ぶべきものなのでしょう。
秘密の恋は時に甘く、時にほろ苦い…
秘密の恋を抱えてしまった時、あなたならどうする?
とろとろ蕩けちゃう 抱え切れぬ恋
秘密といういま流行のフレーバーの
出典: 公然の秘密/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎