ドラムンベースの定義とは?
ドラムンベースは電子音楽のジャンルの一種で、英語ではDrum and bassと表記します。その名前の通り、ドラムとベースの音を基調とした音楽のことです。
具体的には複雑なシンコペーションや速いリズムのドラム音とベース音で構成されており、重低音が特徴的です。
ポイントは、ドラムンベースは打ち込みで作られた音楽であるということ。多くの場合、サンプリングやシンセサイザーを中心に作曲が行なわれます。
また、BPM(Beat per minuites)つまり音楽のテンポが160以上であることも大きな特色です。
ドラムンベースを理解するための基礎知識
ドラムンベースの歴史
ドラムンベースはイギリスが発祥の地といわれており、もともとはブレイクビーツから派生した音楽であると認識されていました。
ブレイクビーツとドラムンベースの大きな違いは、ドラムンベースの方がより複雑で速いリズムを持っている点です。
ドラムンベースはクラブシーンを中心に1995年頃からブームの兆しを見せ始めました。
そのブームは90年代の終わりに一度は落ち着きを見せます。
しかし、その後も幾度かヒットチャートに顔を出し、20年以上に渡って人気がある音楽ジャンルのひとつとして確立しています。
ドラムンベースはドリルンベースやアートコアなどの新しい音楽へと派生していきました。
今後もドラムンベースが新しいジャンルの音楽を生み出すきっかけとなるかもしれません。
ドラムンベースの魅力
ドラムンベースの魅力のひとつとして、アンダーグラウンドな雰囲気が挙げられます。
これまで、クラブミュージックが好きな人や、ダーティーな雰囲気の曲を愛する人々に好まれてきました。
しかし、ポップスやジャズといった他のジャンルの音楽とのマッチングが悪いわけではなく、固定概念にさえとらわれなければ、あらゆるジャンルとのコラボレーションが可能です。
現在、ヨーロッパではドラムンベースオンリーフェスも行われる程、人気を博しています。
ちなみに、2017年8月にチェコで行なわれる「Let It Roll 2017」に、日本人として初めてDJ AKiが登場します。
DJ AKiは、日本のドラムンベースシーンになくてはならない存在として知られています。今後の更なる活躍が期待できますね。
ドラムンベースに疾走感を感じる理由は?
ドラムンベースを聴いていると気分が高揚したり、疾走感に酔いしれることができます。
この疾走感は、ドラムンベース特有のテンポから生み出されていると考えられます。
トランスやテクノなどのエレクトロニックダンスミュージックのBPMが130前後であることを考えると、BPMが160以上のドラムンベースはとびきり速いテンポであることがわかります。
加えて、複雑なシンコペーションが繰り返されることで音楽の深みとスピード感が向上していると考えられます。
ドラムンベースの可能性と脳への影響
速いテンポの音楽は疾走感を抱かせるだけでなく、脳の活動に影響を与えると考えられています。
アップテンポの曲を聴いた後で、記憶に関連した作業を行なうと記憶力を処理するための脳のパフォーマンスが向上しやすいという実験結果があるそうです。
今回の実験では、集中してアップテンポの音楽を聴いた後と、遅いテンポの音楽を聴いた後や何も聴かないで作業したときとでは、明らかに反応時間に差が出たということです。
脳の活動が速くなるので、処理能力が上がって、パフォーマンスも正答率も上がる。つまり、記憶力もアップするという結果になりました。
出典: https://www.life-rhythm.net/atsuko-miyazaki-3/
スーパーマーケットのBGMにゆったりとしたテンポの曲を流している時と、速いテンポの曲を流している時とでは客の滞在時間に違いがあることはよく知られている話です。
速い曲を流している時の方が、客の滞在時間が短い傾向にあります。
曲のテンポが具体的にどのように脳に影響を及ぼしているかは、まだまだ研究の余地がある問題であるといえますが、何らかの影響を与えていることは間違いありません。
今後、研究が進むにつれて脳の力を高めるために必要とされる音楽のジャンルが明らかになっていきそうです。もしかしたら、ドラムンベースが何らかの脳の病の治療に使用される日が来るかもしれませんね。
ドラムンベースを知るために聴きたいおすすめ曲
Roni Size / Reprazent - Brown Paper Bag
マーキュリー・プライズはジャンルを問わずに最も優れたアルバムに送られる賞。イギリスで最も権威のある音楽の賞として知られています。
そんなマーキュリー・プライズを1997年にアルバム「New Forms」で受賞したロニ・サイズ=レプラゼント。
「New Forms」はリリースから20年が経過した今でも、ドラムンベースのアーティスト達に刺激を与え続けている名盤です。
「Brown Paper Bag」は「New Forms」のリード曲として知られます。
独特な世界観のミュージックビデオは、当時の話題をさらいました。ファンクなムードたっぷりのボーカルやダーティーな雰囲気が魅力的な1曲です。