グリーングリーン
丘の上寝そべって見てた空 夏の匂いがすぐそこまで
憧れも不安も ぼんやりと過ぎてった
どうにかなるさと笑いながら
君とだったら無敵と思っていた 叶わぬ願いはないと信じた
風の中で揺れている
グリーングリーン
出典: GreenGreen/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
この歌詞パートも、主人公が2人の思い出を振り返っている様子を描いているのでしょう。
2行目では2人が緑色をした丘で寝そべりながら微睡んでいる様子が表現されています。
爽やかな暮らしやすい季節に新緑に囲まれながら2人で過ごした幸せな時間。
3行目以降には、2人でいることで世界が更に色付いているのだろうということが感じられる歌詞です。
2人でいる時には胸の中にある様々な感情が収まり癒されていたのでしょう。
好きな人といられることの幸せを噛み締め、青い空を眺めながらこれからの未来のことを語り合う2人。
どうなるか分からない未来も、2人であればきっと良いものになると疑わずにいたのでしょう。
主人公にとって忘れられないほど大切な時間だったのだと感じるほど鮮明で輝かしい記憶。
しかしそんな2人も今では離ればなれとなり、思い出の切ない輝きだけが彼の心に残ったのです。
爽やかさに溢れた文章でありながらもその後の2人を想像するとこの歌詞パート全体から切なさが立ち込めるのを感じます。
過ぎ去った幸せ
「似たもの同士」「分かり合えるんだ」
言葉なんて必要ないさ そんなおとぎ話
「元気でいてね」「きっとまた会えるよ」
サヨナラは間違いじゃなかった そう言ってくれないか
出典: GreenGreen/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
自分たちは似ているから言葉がなくても大丈夫だと思っていた2人。
しかし言葉にしなければ伝わらないことというのは案外多いものです。
分かり合えると思い込み、気持ちのすれ違いが生まれたのかもしれません。
3行目では2人の別れの際に交わした言葉を表しているのでしょう。
再会を約束するような言葉が、2人の間に流れる切ない空気を更に増幅させています。
4行目には、主人公の別れて正解だったのだと思い込もうとする気持ちが表現されているようです。
そこには主人公が抱えている彼女に対しての未練も表現されているのかもしれません。
君と過ごした時間
青春の恋
グリーングリーン
帰り道待ち合わせの時刻 呼びかけたら振り向いた君
少し大人ぶって でもカッコつかなくて
吹き出したいつものあどけない笑顔
特別予定なんかなくても 一緒にいれればそれでよかった
続いていく毎日を疑いもせず
出典: GreenGreen/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
ここでも主人公と恋人の思い出が描かれています。
2行目の「帰り道」というのは、学校からの帰り道でしょうか。
この1行から、この思い出が学生時代の恋を表していると推測することができるでしょう。
青春の1ページともいえる甘酸っぱい恋愛の1コマには、いつまでも忘れられない爽やかさが閉じ込められています。
5行目の歌詞は、相手への好意の大きさを感じる歌詞です。
何かイベントが無くても、ただ2人で話をしているだけで幸せだと思えた時間。
デートに行かなくても、放課後に公園で一緒にいるだけで心が満たされるような恋だったのでしょう。
主人公は、そんな日々が永遠に続いていくことを疑いもせずにいた青春時代を思い出しているようです。
今、君はどこにいるのか
若さゆえに傷ついて 街の雑踏に飛び出した
世界が嘘だらけでも 君だけ ほんとだった
見渡す景色 今もどこかで どんな風に暮らしているかな
時々悩んだって 幸せに包まれ
変わらない君がいるだろう
出典: GreenGreen/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
若いということは未熟であり、傷つきやすいということでもあります。
理不尽にも思える社会に苦しめられながらも、恋人がいることによって救われてきた。
そんな時間を思い出しているのでしょう。
3行目からは、そんな過去を思い出していた彼が、今の「君」に対して思いを馳せる様子が表現されています。
今の「君」はもう主人公の隣にはいません。
2人が別れた後、彼女がどこへ行ったのか分からずとも、彼にとって大切な人であるのは変わらないのでしょう。
「君」は彼の青春時代を支えてくれた大切な人。
5行目の言葉は、今も変わらずにいて欲しいという彼の願望とも捉えられるのではないでしょうか。
もう会えなくても、元気でいて欲しいという、彼女の幸せを願う言葉なのでしょう。
僕が今見ている景色
グリーングリーン
丘の上寝そべって見てる空 夏の匂いがすぐそこまで
教えてくれたんだ 道に迷うときは
ここから また始めればいいんだ
ずっと言えずにいた「ありがとう」 小さく呟いて歩き出す
風の向こうに手を振る
グリーングリーン
出典: GreenGreen/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
「GreenGreen」の最後の歌詞パートがこちらです。
ここで再度登場するのが、主人公が彼女と共に訪れた丘です。
しかしこの丘は彼の記憶の中のものではないと考えられます。
実際に彼がいま2人の思い出の丘に佇んでいるのでしょう。
あの頃と同じようにその丘に寝そべる主人公ですがあの頃と違って彼の隣に彼女の姿はありません。
2人にとって大切な思い出が詰まったその場所で、彼は青春時代の2人を思い出しています。
2人で過ごした時間は希望に溢れたものだったに違いありません。
若く未熟であったからこそ生まれたかけがえのない思い出。
3行目から分かるのはその幸せな時間が、彼を支える原動力の1つとなっているということです。
その時間がもう戻ってこないことに切なさを感じつつも、その思い出が彼に未来への希望を与えてくれているのでしょう。
彼は大人になり、社会人として生きる中で何かに悩んでこの丘を訪れたのかもしれません。
希望を持っていた若かりし頃の自分を思い出すことで、元気を取り戻すことができた。
5行目の「ありがとう」はもう会えない彼女への言葉なのでしょう。
長い時を経て、彼女との別れにやっと向き合うことができたのだと考えることもできます。
今の自分があるのも彼女との出会いがあったからだということに気が付いたのかもしれません。
本当に幸せだった時間を思い出し、彼は明るい未来を切り拓こうと歩き出すことができたのでしょう。
「GreenGreen」は新緑の季節に、大切な人との思い出を振り返り未来へと歩き出す主人公の姿を描いた楽曲でした。