強く弾くことよりもスピードを意識する
構えとポジションが決まったら、いよいよ2本の指で弦を弾くわけですが、力まないでリラックスして弾くようにしましょう。
大きな音や太い音を出すのに強い力で弾くのが良いわけではありません。
もちろん、力の強さによって音量は変化するのですが、より大きい音を出すためには弦を弾く強さよりも指を動かすスピードを速くすることです。
つまり指と弦が触れている時間をできるだけ短くするのです。
スピードが速くなるほど音量も上がります。
フィニッシュの処理 - アポヤンド奏法 -
最後に、弾いたあとの指の処理ですが、弾いた弦のひとつ上の弦に指を当てて止めるようにします。
2弦を弾いたのであれば、次の3弦に弾いた指を当てて止める。
3弦を弾いたら次の4弦で止めるといった具合です。
このような、次の弦に指を当てて止める弾き方をアポヤンド奏法といって、クラシックギターなどの奏法としても使われています。
ただ、4弦を弾いたときはどうするのでしょう?4弦ベースであれば4弦の次の弦がありませんので、弾いたあとの指はそのまま空を切ることになります。
もしくは、空振りするのに違和感があるなら、ピックアップに乗せて軸にしている親指に当てて止めるのがいいでしょう。
ピック弾き
エレキギターは通常、ピックを使って弾くのが一般的ですが、同じようにピックを使ってベースを弾くのがピック弾きです。
ツーフィンガーが太く柔らかく、暖かい音を出すのに対して、ピック弾きはよりシャープで硬く、攻撃的な音を出すのが特徴です。
ロックなどのハードな音楽を演奏するのに適していると一般的には言えますが、音色の特徴が生かせるよう工夫され、ポップスや他のジャンルで使われている例もあります。
ピックの種類
ピックにはいくつか種類がありますが、形状でいうと「おにぎり型」と呼ばれる三角形の大きなピックと、「ティアドロップ型」と呼ばれる文字どおり涙のような形をした小さめのピックのどちらかになるでしょう。
ピックの形状が音に影響するとかプレイスタイルによって適性があるとかいうことはないので、どちらが良いかは自分の弾きやすさで好きな方を選んで構いません。
形状以外にも、材質や厚さの違いがありますので、自分がしっくりいくものを選ぶといいでしょう。
ピックはギター用とかベース用とかいう分類は特にされていないのですが、ベースに使うなら厚さは0.7ミリ~1.2ミリくらいの間のものを選びたいところです。
あまり薄くなるとベースの太い弦を弾くにはちょっと弱すぎてアタックがしっかり出せなかったりするので、最低でも0.7ミリはあった方がいいと思います。
ピックの持ち方
ピックは基本的に親指と人差し指の2本の指で、裏と表から挟み込むようにして持ちます。
人差し指は指先がピックの先端(ティアドロップ型なら一番尖っているところ、おにぎり型はどこを先端にしてもOK)に向くように、親指は人差し指の向きと垂直になるようにして、ピックのちょうど真ん中あたりで持つようにします。
ピックは弦と水平に当てて弾く
弾き方は、上から下に向かってピックを振り下ろすダウンピッキング、下から上に向かった降り上げるアップピッキングを使います。
ダウンピッキングとアップピッキングを交互に弾くのをオルタネートピッキングと呼びますが、通常はこのオルタネートピッキングで弾くのがいいと思います。
より1音1音を力強く弾きたいということで、ダウンピッキングだけで弾くというスタイルのベーシストもいます。
ダウンピッキングだけのスタイルはパワフルなプレイには向いていますが、あまりに速いビートの曲をプレイするのには向いていません。
弦に当てるときのピックの角度ですが、基本は弦と水平に当たるようにします。
弦に対してピックを斜めに当てて音量やトーンを変えるというテクニックもあるにはあるのですが、まずは水平にピッキングしてしっかりと鳴る音を出すようにしましょう。
スラップ
スラップ奏法は、アタック音が強く、重くてインパクトのある音を出せるのが特徴です。
親指で弦をたたくサムピングと、人差し指で弦をひっかけてはじくプリングを組み合わせて弾く奏法です。
ダンスミュージックやファンク、フュージョンなどのジャンルでよく使われています。
サムピング
肘を軸にして手首を回転させることによって、親指で弦をたたくのがサムピングです。
ジャンケンのグーの形に手のひらを握りこんで、Facebookのいいねマークのように親指だけを突き出して構え、親指のちょうど第一関節ところに弦が当たるように弾きます。