水平リーベ僕の船
まだ知らないことが楽しいよ
894にもどして
戻らないかな?
出典: さよならイエロー/作詞:雫 作曲:雫
なじみ深い言葉の数々は、単に懐かしく思うだけではなく大人びた雰囲気の表現に使われています。
知らないことを知る喜びを新鮮に感じることは、とても楽しいです。
しかし中高生や大人になると、知っていることばかりになったり知らなくていいことを知ってしまったりします。
そんなつまらなさに出会うくらいなら、遣唐使みたいに全部白紙に戻ればいいと思う気持ちが描かれています。
学んだことを「例え話」にして自分の気持ちを表現するのはある程度知識を持った大人の感性です。
大人になりかけの僕の揺れ動く気持ちが見て取れます。
あの頃は楽しかった、とセンチメンタルを呼ぶシーン
直列つなぎのショート回路で
感電ビリビリしたっちゃもん
熱くなっちゃった
目玉キラキラ
出典: さよならイエロー/作詞:雫 作曲:雫
このシーンでは大人になりきれない中高生でも、大人になってしまったなと感じるシーンが描かれています。
理科の実験や体育の実習など、実際の体験学習も勉強の醍醐味です。
何の役に立つのかわからない授業はつまらないものでしょう。
しかし実際に電気がついたり物が完成したりする実習は楽しいものです。
そうした楽しみも、座学と同じように初めて仕組みを知るから面白いと感じる一面もあります。
こうした出来事に目をキラキラさせる小学生の「君」の姿こそ眩しいものです。
電池をつなぐと電気がつくことが当たり前になってしまった僕は、君の姿を眩しく見ていたのでしょう。
ここでは、感動することを忘れてしまっていた大人目線のセンチメンタルを感じ取ることができます。
ゲーム体験との別れは、大人になるために必須なのか?
雫さんはゲームクリエイターとしての一面も持っていて、本人も相当のゲーム好きです。
ゲーム好きである雫さんがゲームへの決別を歌うユーモアに思わず笑ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
ゲーマー雫さんからの前向きなメッセージ
それでも僕分かんない
変わっていくのが良いのかって
大人になっても
ゲームくらいできるやろ
出典: さよならイエロー/作詞:雫 作曲:雫
この歌詞は雫さんからのメッセージ的な意味合いもありそうです。
雫さん自身が大人になってもゲーム三昧であることが、この歌詞の説得力になるでしょう。
大人になってもたまには童心に帰る機会くらいあるよと伝えてくれているようです。
大人への迷いを持つ中高生へのメッセージ
思い出や好きなものを完全に捨ててしまうのは怖いものです。
しかし、たまになら思い出せる・触れられると分かれば心が励まされます。
未来はそう悲観するものじゃないというメッセージは、未来に不安を抱く中高生には励みになるでしょう。
大人になるとゲームや楽しいことを全て捨てなくてはならない、というわけではないのです。
変化の途中にある人への励ましソング
さよならイエローは、大人になりたい・なりたくないという狭間で揺れる多感な年頃を描く曲です。
そしてこの曲は中高生に限らず何か変化の途中にあるすべての人への励ましになる曲だともいえます。
変化には必ず何かに別れを告げるものです。
さよならイエローでは小学生だった頃の自分に別れを告げることで大人に近づいていきました。
大人になる機会というのは、年齢的なものに限りません。
知らなかったことを知る・知りたくなかったことを知ることもまた、大人になるということです。
そしてそれは、何も知らなかった自分に別れを告げる瞬間でもあります。
そうした視点から見ると、より多くの世代の気持ちを歌う曲として聴けるのではないでしょうか。
大人になることに迷いを抱いている人は、ぜひゆっくり聴きこんでみてください。
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