ユニコーン【ZERO】MVを徹底解説!ユニコーンがさらに進化した!?ネオンのような映像がカッコイイ!の画像

広がる未来へ 鋭く線を引く
時代は此処から 舵を切った
僕らの未来へ 優しく線を引く
互いになぞってゆく 太さ

出典: ZERO/作詞:ABEDON 作曲:ABEDON

線についての歌詞が出てくるとMVでは線=輪郭に合わせてネオンのような光源が出現します

やはりどうやらかなり歌詞との関連性が高いよう。

おそらくプレス・リリースにMVと初回生産限定盤の光るジャケットとの関係を書いていたのでしょう。

各メディアはMVとジャケットの相関しか語りません。

しかしアルバム・ジャケットとの関連しかありませんでしたではこのMVの謎は解明できない。

MVと歌詞との関連性を仔細に読み解いていくこともとても大事なことです

最新技術が映像作品を刷新

それにしてもこの被写体の輪郭がネオンのように光る効果はとても美しい。

静止画でこうした効果を加えることは従来の技術でも可能でした。

家庭のPCでも簡単にできます。

しかし動画で撮影時にリアルタイムで変化する技術は日本ではこのMVが初出かもしれません。

歌い出しはABEDONひとりの歌唱でしたがこのラインでは奥田民生がコーラスに加わります。

声帯が切れてしまいそうなくらい男声にとっては高い域です。

そして線に関する叙述が出てくるたびに画面に線がくっきりと浮き上がる。

やはりABEDONは光も線も確信的に意識しています

自身が書いた歌詞の曲を監督するのですから当然の心配りかもしれません。

それでも視聴者は注意して観てみる面白さを味わえます。

ただし、YouTubeで公開されているショート・ヴァージョンはここまでで終わり

まだ、iTunesストアなどでも「ZERO」のMVは販売されていません(2019年5月上旬現在)。

今後の続報を待ちましょう。

楽器マニア垂涎の演奏シーン

この直後にキーボード・ソロのような演奏が挟まれます。

各楽器の音の太さにしびれること必死です。

手島いさむがIbanezのギター

奥田民生はGibsonのレスポール。

EBIはRickenbackerのベース

楽器マニアにとっては涎が出てしまう演奏シーンです

特段、ドラマがあるMVではありません。

メンバーによる演奏シーンを最新技術で撮影したMVでありシンプルさも持ち味です。

しかし歌詞自体に宿っている壮大さがMVの世界のスケールを広げています

MVはショート・ヴァージョンのためここで終わってしまいますが、もう少し歌詞を追っていきましょう。

「ZERO」とは何か

深すぎる歌詞

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ZEROから生まれて ZEROへと戻ってく
翼はバトンになる

出典: ZERO/作詞:ABEDON 作曲:ABEDON

楽曲のタイトルになっている「ZERO」というワードが登場します。

ZERO

インドでの発見と発明で人類の知性の光です。

西欧では無という観念が嫌われていて中世ヨーロッパでは「0」の使用自体がローマ法王により禁止。

しかし知性とはいつでも多少の危険を冒しながら前進するもの

やがて真理となって西欧でも定着します。

しかし「ZERO」とは何であるかを考え始めると中々難しいです。

ABEDONはこの「ZERO」から万物は生まれて還ってゆくと考えます

人は「ZERO」から生まれ還ってゆくけれども飛ぶために使った翼が次世代へと繋いでゆかれる

あまりにも深すぎる人生哲学です。

7つの海に繰り出す地球規模のラブ・ソングから始まった楽曲

それが生命体の生き死にの話へと敷衍(ふえん)されます。

また「ZERO」から光が生まれる宇宙の始まりの話にも敷衍できるのです。

「ZERO」の歌詞は地球的どころか宇宙的な規模のスケールへと拡大します。

「ZERO」から光ある世界への跳躍。

つまりBIG BANG現象から始まる宇宙の始まりや生命の根源。

「ZERO」のMVの光へのこだわりはプレス・リリースの説明よりももっともっと深いところにあったはず

ABEDON、ユニコーン、ともに恐るべき知性という印象です。

深すぎる話を分かりやすい言葉で

光の旅

ユニコーン【ZERO】MVを徹底解説!ユニコーンがさらに進化した!?ネオンのような映像がカッコイイ!の画像

せっかくの機会ですから「ZERO」の歌詞をすべて紹介します。

ABEDONは深すぎる話題を誰にでも分かる言葉で表現するのです。

すでに忘れ物は 忘れてるから
胸の中に隠した チケットを見よう
雲を抜けて昇って 息をすいこもう
虹の弧をくぐれば スピードはどんどん加速する

広がる未来へ 鋭く線を引く
時代は此処から 舵を切った
僕らの未来へ 優しく線を引く
互いになぞってゆく 太さ 強さ

出典: ZERO/作詞:ABEDON 作曲:ABEDON

ABEDONとユニコーンらしい可愛げなナンセンスさを携えた歌詞です。

おそらくユニコーンは深い話はするけれども難しい話はしたくないのでは? などと考えさせられます

カップルふたりの冒険譚にも似た光の旅。

光彩で線を引き相互理解でふたりの関係を確かめ合う。

この素晴らしい歌詞を支える太いサウンド・プロダクション。

馴染みやすいメロディ。

ABEDONによるソロ・ボーカルから始まりますが途中から奥田民生が加わります。

そして最後にはEBIもコーラスに加わるのです。

エヴァー・グリーンなサウンドにコーラス・ワークでの彩りが本当に素晴らしい。

こういう曲に出会うとJ-POP=J-ROCKの未来に希望を抱けます

数字にこだわり抜いた「UC100V」

大人たちの遊び心