「君が行く場所へ僕も連れて行って

夜だろうが昼だろうが、誰も知らないところでもさ

君の人生をロックンロールバンドの手に委ねちゃダメだよ

あいつらはすべてを放り投げてしまうからね」

ロックンロールバンド虚飾のモンキー・ビジネスです。

巨大な資本をバックにしているロックバンドほど自己矛盾した存在はありません。

OASISはイギリスの名門インディーズ・レーベル「CREATION」所属のバンドでした。

この「CREATION」は素晴らしいUKロックを届けるために身を削ります。

そのためマイブラッディバレンタインのレコーディング費用がかさんで経営難に直面しました。

マイブラッディバレンタインは売上の方も影響力も抜群でしたので音楽シーンに多大な功績を遺します。

しかしレーベル経営は傾きました。

そこに現れたのが救世主のOASISだったのです。

このインディーズ・ロックバンドはロックスターになるべきしてなります。

世界中を席巻して素晴らしい歌でライブ会場を沸かしました。

しかしこの曲「Don’t Look Back In Anger」が証言するように兄弟喧嘩ですべてを投げ出します

OASISと手を結んでいたファンやリスナーは毎度の喧嘩までもエンターテイメントとして楽しみました。

とはいえ責任あるアーティストとしてははなから失格していたのです。

本人たちもそうしたことに拘泥するよりも自分の道をすぐに見つけます。

ビートルズでさえ活動期間は8年間に過ぎません。

それでも時代や文化を根本的に覆すくらいの革命をやってのけます。

ただその革命の永続性などは信じられたものではありません。

ベッドからの革命をロックバンドに委ねてはいけないのはこうした理由があるのです。

もっと地に足をついた生活をしてよく勉強しながら外の世界でことを起こす。

それこそノエル・ギャラガーが「Don’t Look Back In Anger」で掲げられた革命の理想の姿でしょう。

そしてもう1つ隠されたメッセージとして、「真打ちは決して表に出ないで世界を動かしている」があります。

これは世の資産家・投資家・ビジネスオーナーなどを見れば分かりますが、彼らは人々の知れないところで世界を動かしているのです。

それも表舞台に立つロックバンドの比ではないレベルの社会貢献をしており、それで世界を豊かにしています。

しかし、そんな人たちは決して世間の表舞台に立つことがありません。何故ならば知られるとプロパガンダに利用されるからです。

人間とは嫉妬深い生き物で本当に凄い才能や資質を持った人が居たら決して国が放置せず、目をつけて金を搾り取ろうとするでしょう。

だから、世間の表舞台で歴史を動かしている人はあくまでも氷山の一角であり、本当に凄い人達は世に出ないのです。

その辺りの隠された真理に気付くことが出来るかどうかをこの歌詞は歌い込みリスナーに問うているのではないでしょうか。

「Don’t Look Back In Anger」と愛の勝利

OASIS【Don't Look Back In Anger】歌詞を和訳&意味を考察!今すべき事とはの画像

So Sally can wait
She knows its too late
As were walking on by
Her soul slides away
But don't look back in anger
don't look back in anger
I heard you say

出典: Don't Look Back In Anger/作詞:Noel Gallagher 作曲:Noel Gallagher

「だからサリーは待っていてくれる

彼女は知っているんだ もう手遅れだって

僕らふたりが一緒に歩いてゆくにはね

彼女の心は離れ去ってしまうよ

『でも怒りの感情で過去を振り返らないで

怒りの感情の中で記憶を振り返ったらダメなんだ』

君がそうつぶやくのを僕は聞いたよ」

いよいよクライマックスです。

この間に様々なリフレインが挟まれます。

この箇所も基本はリフレインです。

繰り返しになるので大事な箇所だけ抜き出しました。

上述したとおりですがサリーのくだりは特別な意味がありません。

しかし眺めているうちにおぼろげな意味内容をつかめる気がしてくるのが不思議です。

サリーとの「過去」があるからこそ記憶を振り返ることに関して含蓄ある一言がクリアになるのでしょう。

怒りの感情の中で過去を振り返ってはいけない

この曲が発表されてから22年後の出来事をもう一度回想しましょう。

2017年5月22日、OASISの故郷マンチェスターで行われたアリアナ・グランデのコンサート。

この会場でイスラム国との関与が疑われる男が自爆テロを起こします。

死者23名(実行者もカウント)、けが人59名以上の大惨事です。

事件後にアリアナ・グランデが発表した声明をWikipediaから引用します。

グランデは5月26日、自らのインスタグラムに事件発生後初となるメッセージを投稿、犠牲者を悼み、負傷者を気遣い、そして「憎しみには勝たせたくない」とこれからの決意を内外に示した。そして「マンチェスターへ戻って、マンチェスターの皆さんのためにチャリティーコンサートを開催したい」と慈善ライブを開催する意思も表明した

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/マンチェスター・アリーナに於ける爆発物事件

アリアナ・グランデは財産をはたいて被害者遺族への救済を続けます。

そして何よりも「憎しみには勝たせない」という決意が世界の潮流を変えてしまうのです。

報復の連鎖からの離脱のための智慧を彼女は懸命に探し当てました。

これこそアーティストができる社会貢献の本当の有り様です。

マンチェスターでのチャリティ・ライブで観客が誰ともなく歌い始めて大合唱した曲があります。

OASISの「Don’t Look Back In Anger」です。

アリアナ・グランデの「憎しみには勝たせない」という決意に応える観客の涙の声がこの曲を歌い上げます。

怒りの感情で過去を振り返ったらダメなんだ

やられたらやり返せの単純な発想ではない人間の理性による危機への乗り越え方を教えてくれました。

これこそが人間存在の智慧の証です。

そしてテロや「テロとの戦い」は人間を抹殺するその非人間性が明らかになるだけでしょう。

どうしようもない憤りに直面して今すべきことは何でしょうか。

その怒りを理性の力で超克することです。

OASISのアリアナ・グランデのマンチェスター市民の世界中のリスナーの理性。

テロリストを、テロリストに報復を命じる巨大な権力の野望を、打ち砕く力は理性からの言葉です。

Don’t Look Back In Anger

もうどんな涙も見たくないと涙を流す私たちのささやかな抵抗で絶対悪を葬り去りたい。

OASISのギャラガー兄弟がジョン・レノンに多大な影響を受けたことを今一度思い返します。

私たちは文化・芸術の中で愛と理性を究極の価値へと高めることを知りました。

それならば「愛を持って接し、怒りの感情で過去を振り返ったらいけない」という言葉にならいたい。

憎しみに打ち克つのは愛の力だともう一度信じたいのです。

魂が、理性が訴える声に耳をすませる。

私たち「リスナー」とはその声までも「聴く人」のことを指します。

末筆ですがどうか世界平和のために孤軍奮闘するすべての人の連帯を祈らせてください。

そして今夜が誰にとっても平穏のもとに過ぎてゆきますように。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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