その綱の大きな権力を
逆に誰も握ろうとするかも…
鐘を鳴らせる主導権なんか意味はないんだよ
支配したって幸せになれない
愚かなことだ

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

世界中に響く鐘を鳴らす綱を握れば、大きな権力を握ることができるでしょう。

どれだけ重い責任がかかろうと、権力の大きさに惹かれて主導権を握ろうとする人は一定数います。

それがまた争いを生んでしまうでしょう。

その鐘を鳴らす主導権を握れば、世界を支配したような気持ちにもなれるかもしれません。

しかし本当はその鐘を鳴らせるかどうかは関係ないことです。

どれだけ強い権力を持ったとしても、それが幸せに直結することはありません

むしろ大きな力はそれを持っているだけで争いの種になります。

そのことに気づいていない人々を主人公は哀れんでいるようです。

口を閉ざして

ノイズを消して

瞳(め)を閉じて 聴いてごらんよ
自分の言いたいことを
声高に言い合ってるだけだ
際限のない自己主張は
ただのノイズでしかない
一度だけでいいから
一斉に口をつぐんで
みんなで黙ってみよう

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

自分がこれだけ主張しているのだから、きっと理解してくれると思ってしまうかもしれません。

しかし互いに自分の主張を言うだけでは、相手を理解することも、自分を理解してもらうこともできません。

そしてこんなに話しているのになぜ理解してくれないのかという不満が争いに繋がってしまいます。

自己主張ばかりでは分かり合えないことを主人公は知っていて、1度静かになることを提案しているのです。

鐘の音を願う

Wo oh oh oh oh oh oh…
Wo oh oh oh oh oh oh…

「僕たちの鐘はいつ鳴るんだろう?」

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

この歌詞も冒頭と同じくセリフになっています。

ここまでは世界という大きな視点での鐘のことでした。

しかしここでは自分たちという身近な場での鐘の音の話になっています。

鐘の音が静寂をもたらすということは、その場に変化をもたらすということでもあります。

その変化をこの曲の主人公も、欅坂46自身も望んでいるとも感じられるでしょう。

静寂の中で気づくもの

だけど問題は
誰がその鐘を鳴らすのか?
この世の中に神様はいるのかい?
会ったことない
その綱を奪い合ってたら
今と何も変わらないじゃないか
そばの誰が誰であっても鳴らせばいいんだ
信じるものが
たとえ違ってても
そう平等に…

Wo oh oh oh oh oh oh…

出典: 誰がその鐘を鳴らすのか?/作詞:秋元康志 作曲:辻村有記,伊藤賢

最後のサビの歌詞は1番の繰り返しになっています。

世界中に鳴り響く鐘の音は、世界中の争いを止める希望になりえるものでしょう。

その一方で、その影響力の大きさから権力の象徴のように捉える人もいます。

しかし本来は世界に平和をもたらすために、誰もが鳴らすことのできる鐘のはずです。

その鐘を鳴らし、その音を聞いた人々が少しでも鐘の音に耳を傾ければ、そこに静寂が訪れます。

その静寂によって、人々が本当に聴かなければならなかった大切なものが聴こえるようになるはずです。

それは争っていた相手の思いであったり、傷ついた人の悲しみであったりするのでしょう。

それを聴くことによって冷静になり、1度立ち止まることができるはずです。

その少しの止まっている時間が、争いをなくすためには必要なものなのでしょう。

最後に

欅坂46【誰がその鐘を鳴らすのか?】歌詞の意味を解釈!聴き逃している大事なものとは?鐘の真意に迫るの画像

今回は欅坂46の「誰がその鐘を鳴らすのか?」の歌詞を読み解いてみました。

SNSが普及し誰もが気軽に意見を発信できる一方で、心ない言葉も世界中に飛び交っています。

しかし相手の意見やその言葉を聞く人の思いを無視した発信は独りよがりなものです。

一旦冷静になってみれば、きっと相手のことを考える余裕も生まれるでしょう。

その余裕が、人間関係や社会の姿を変えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

欅坂46はこれまで社会や大人からの支配への反抗心を歌うことが多いグループでした。

デビュー曲の「サイレントマジョリティー」はその象徴ともいえる楽曲です。

その中で、このラストシングルは異色の楽曲ともいえるでしょう。

こちらの記事では「サイレントマジョリティー」の歌詞を読み解いています。

2016年にデビューした欅坂46の1stシングル。秋元康が作詞、作曲はバグベア。センターポジションはグループ最年少の平手友梨奈が務めている。現代を生きる者たちへ向けたメッセージ性のある歌詞と迫力あるパフォーマンスが話題を呼び、現在もチャート入りするほどの人気曲である。

ぜひご覧ください。

さらにこちらの記事では欅坂46の人気楽曲ランキング形式で紹介しています。

デビュー4年目となった欅坂46。これまで8枚のシングル曲、1枚のアルバムをリリースしています。そこで今回は、2019年版として、欅坂46の中でも神曲との評判になっている楽曲を厳選。10曲をランキング形式で紹介します。