実は、先日電車に飛び込んだのは主人公の友人だったことが判明します。
ダイヤの乱れにイラついていたその時に、友人は命を落としたのでした。
身近な人が死を望む1人であったことに主人公は気が付いていませんでした。
怒りにまかせて自分の姿が映る鏡に拳を振りかざして、破片が飛び散ります。
だけれど、この痛みは友人が死を選ぶほど抱えていた苦悩には遠く及ばないと感じています。
自分は今すぐに死ぬほどの痛みは感じていないのです。
自分の後ろの正面にいるのは?
かごめ かごめ 後ろの正面だあれ
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
タイトルになっている「かごめ」とは、「かごめかごめ」のわらべ歌を使った伝統的な子供の遊びです。
遊び方を説明すると、まず鬼役が目を塞いで地面に座ります。
その周囲を他の子供たちがわらべ歌を歌いながら周って、鬼が後ろ正面に立った子の名前を当てるゲームです。
鬼が名前を当てる前、最後のわらべ歌のフレーズが上記になります。
自分の背後で自分を見つめている何者かを把握できない比喩となっています。
この「かごめ」の歌は再度歌詞に出てくる歌詞の解釈をする上で重要なポイントです。
現時点ではまだ意味を掴むのは難しいので、後ほど触れます。
服従する自分について
心のままに動けない
血も涙も流れるのに 心のまま動けないのさ
壊れる事に慣れたから 思いのまま使われるのさ
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
感情を感じられる心があるのに、その心の思うように行動することができない状況です。
自分がいいように他人に使われているとは自覚しているのです。
苦しい思いを今まで慣れるほど沢山してきたのでしょう。
だけれど、壊れるとわかっているのに自分の心を放置しています。
自分を気にかけられない
軋んだ身体が叫ぶ声に
耳も傾けずににべもなし
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
にべもなしという言葉は、愛想がなくそっけないという意味合いです。
心だけでなく、身体の痛みを気遣う余裕が持てないのです。
自分の身体の発するSOSを冷たく無視してしまう辛さが感じられますね。
十分な生き方とは
愛する人だけ守れりゃ良い
他人を蹴落とせど これが正義など
なんと小さき人でしょうか
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
自分の心を抑えて服従しながらしか生きていくことしかできない、自分自身を小さき人だと批判しています。
他人を蹴落として勝ち取った立場があるとしても、友人の死を止めることは出来なかった。
自分の存在のちっぽけさを感じています。
亡くなった友人も、そんな競争社会に適応していくのが苦しかったのかもしれません。
愛する人だけを守ることができれば、それで十分なんだという思いが伝わってきます。