貴方が死んでもね 悲しむ以外なくて
非力を正当化するだけの脳みそが恨めしい
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
亡くなった友人に対して悲しむことしか出来ない自分を苦しく思っています。
主人公は、今まで脳みそを使って社会の荒波に揉まれながら生き抜いてきたのでしょう。
だけれど、そんな自分の頭脳は友人の死に対して自分が出来ることはなかったと正当化してしまうだけ。
そんな自分を憎く思う主人公の心が伝わってきます。
貴方への懺悔
黄色い線の外で懺悔を繰り返した
綺麗なものを見かける度 黒く澱んでく
かごめ かごめ 後ろの正面だあれ
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
黄色い線の外側は、駅のホームでは危険なので立ち入ってはいけない場所です。
主人公も、亡くなった友人のように飛び込もうかと思うぐらい悩んだのでしょう。
どんなに綺麗なものを見ても満たされる感覚を持つこともできません。
ここでまた、わらべ歌が出てきます。
「かごめかごめ」の遊びでは、鬼は後ろの正面が誰か当てなくてはいけません。
主人公は背面にいる誰かわからない他人に、自分の死を後押しして欲しいと投げやりになっているのでしょうか。
友人を亡くしたショックから主人公は自分のことを外から見るような症状を覚えているのかもしれません。
強いストレスを経験して、自分の言動をコントロールするのが一層難しくなっていることがうかがえます。
ホームの危険区域に立って死を望む、とても苦しい気持ちが伝わってくる描写となっています。
自分らしく生きる
幸せは自分から切り離されたもの
幸せってどんな顔で俺の事を見てんの
幸せってどんな顔で俺の事を笑うの
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
主人公は「かごめかごめ」の遊びになぞらえて、自身を見つめる視線を感じています。
自分は鬼として中心にいるけれど、まわりを回る人たちを見ることが出来ない。
中心にいながら、外側を自分から見ることはできないのです。
幸せな人が自分を見ている感覚を持ちながらも、彼らがどんな人たちなのか想像がつきません。
自分は幸せな人々の輪から切り離されているということを「かごめかごめ」の比喩が示しているように感じられます。
自分にできることがあるのなら
生きるために必要な最小ってなんでしょう
君のために僕ができる何かってなんでしょう
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
以前出てきた小さき人と呼応した最小という表現が出てきます。
生きるために必要なことをしながら、愛する守りたい人に役立ちたい。
何が出来るかはまだ模索中かもしれませんが、真摯な思いが伝わってきますね。
死を考えていた所から、生き方について思いの方向が変わりました。
揺さぶられる心
愛を持って生きろって どの面で歌うの
信じられるものなんて 積み上げてないから
あれもこれも目に刺さって 心流れる
どうせいらない いらない
出典: かごめ/作詞:優里 作曲:優里
自分を人を蹴落として生きている小さな人だと感じている主人公。
現在のそのままの自分を愛を持って見つめられていない状況です。
自分を愛していない主人公は、愛を持って生きるということに実感が湧きません。
愛を持って生きることに困難を感じています。
確かなものを持てずに自分らしく生きられず流されてしまう。
目に映る沢山のものは美しいけれど、自分の人生と関わりもなく必要ないと拒絶してしまいます。