でも、次第にあの頃のまっすぐさを思い出して…
雲に乗って飛べると思ってたころのような 素直なままでいないの?
届け Ah 今になって なんて吐きたくはないから
本当に 自信証明 ダメ元 雲に飛び乗ってみりゃいいだろ
出典: 畢生皐月プロローグ/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
かつての自由な気持ちに想いをはせる詞。
この歌詞を綴ったときのTAKUYA∞氏は精神が“屈折中”だったのでしょうね。
UVERworldは早々に音楽シーンの天辺を獲ってしまった感じがあります。
なので、「まだまだ上がある」と頂点を目指していたころの熱意を取り戻したくもあるのでしょう。
ですが、「本物の自信家は何度だって浮上できる」。
そう自分に言い聞かせるかのように、気分を奮い立たせていくのでしょうね。
こういうところは、我々一般人となんら変わりない感覚なのですね。
また、上に上がっていきたいという野心、希望は「雲」という物体で表現されています。
雲の上の存在などという言葉でも使われる、とてつもなく高い場所に漂う雲。
失敗の可能性が高く、恥をかく可能性はあるが、ダメ元でも挑戦してみないか?
そんな今までのマイナスな気持ちとは裏腹な言葉。
このように、サビは無茶ともいえる冒険心溢れる言葉で締めくくられます。
再浮上の予感で締めくくられる歌詞
でもね Ah 一人になって 心を覗いたら
今も 本当は 本当は 熱くなりたい
生きるって面倒くさいな
雲に乗って飛べると思ってたころのような 素直なままでいないの?
出典: 畢生皐月プロローグ/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
「冷めている今の気分は本当に鬱陶しい」。
そんなふうに読めてしまうこの部分の歌詞。
「初心を取り戻すには一体どうしたらいいかな?」と自問しているような詞です。
年齢を重ねるごとに、どうしたって熱い気持ちは薄らいでいきます。
「もっと上へ」と上昇志向でいられた間は幸せ。
ですがその後のモチベーションの高め方は…?
このあと彼らは、またいつもの自信満々のUVERworldへと戻っていくのでしょう。
そんな期待感を持たせてくれる、素敵な歌詞の終わらせ方です。
「畢生皐月プロローグ」の歌詞から分かること
「畢生皐月プロローグ」は“鬱気分の歌”という印象です。
<行け、進め>な雰囲気の楽曲の多いUVERworld。
「いつだって自信満々、毎日が楽しくて仕方ない」。
そんなふうにみえます。
ですがふと“鬱”な気分に陥ることもあるようです。
鬱気分はおそらく定期的に訪れます。
そのつど、初心を思い出して軌道修正するのでしょう。
UVERworldにしか分からない重苦しい気持ちが見てとれますね。
気取らない等身大の本音・悩みが心に響く
また、誰にでもある生きていくことの辛さが素直に吐露される歌詞が印象に残ります。
その気持ちわかる!という共感性を持つ表現が多く、かといって悲観的で暗い歌でもありません。
雲に飛び乗ってみるという無茶で無謀な挑戦心。
これが最後に入ることにより、前向きなスッキリとした気持ちで聴き終えることができます。
とりあえずやってみようという単純でありながら意外と気づかない気持ちに気づくかもしれません。
かっこつけた、気取ったとは正反対の、等身大の野望や喪失を綴った畢生皐月プロローグ。
心にずっしりと重く響く従来のUVERworldの歌詞とはまた一味違った魅力がありますね。
一見タイトルから意味がわからない曲に見えがち。
しかし、ミュージシャンの赤裸々な悩み、本音、そこに秘められた情熱を感じることができます。
「畢生皐月プロローグ」のタイトルの真の意味を考察!
おそらく「皐月」とは“五月病のような憂鬱”を指していると思われます。
「畢生皐月プロローグ」は冒頭の歌詞で“鬱っぽさ全開”です。
そして、後半から己を鼓舞するかのように、湿っぽい気分を回復させていきます。
つまり、このタイトルは「この歌、いきなり鬱展開だけどよろしく」という紹介の意味なのではないでしょうか。