暖炉で暖められた部屋にはクリスマスツリー。
犬が横になって暖を取っているような、そんな朗らかな様子が思い浮かびます。
ケーキも決して立派なものではなくて、小さくてささやかなもの。それだけで十分なんです。
高価なプレゼントなんて用意しなくても、2人で過ごすクリスマスが主人公にとっては何よりのプレゼントなのですから。
辛い恋の経験が主人公を傷つけていた
あなたに出会う前に もう2度と恋はしないと誓った
信じる気持ちがいつか黒い雲に覆われて
出典: クリスマス/作詞:磯谷有希 作曲:恩田快人
辛い恋愛をしてしまった後というのは「もう恋なんてするもんか」という気持ちになってしまうこともあります。
例えば彼氏の浮気が原因で別れたりしたら、男の人のことを信じられなくなってしまうなんてことも。
単純に失恋の辛さから「こんな思いをするぐらいなら恋愛なんてしなくてもいい」なんて思ってしまったり。
この曲の主人公も、同じように恋愛に対してなんらかのトラウマを持っていたようですね。
傷付いた主人公に必要なのはサンタクロースじゃなかった
サンタクロースは夢の中 わたしは神様に祈るわ
「キラメキより 大切な人をください……」
出典: クリスマス/作詞:磯谷有希 作曲:恩田快人
サンタクロースはプレゼントはくれますが、傷ついた心を救うことは出来ません。
辛い恋愛で傷付いた主人公にとって必要なのはサンタクロースよりも神様。
彼女が高価なものよりも2人で過ごす時間を欲しがっていたのは、過去のこの経験に繋がっているのですね。
傷付いた心を癒してくれるのは、物ではなくて大切な人からの思いやりなのです。
クリスマスは神様に祈りを捧げる日とも
一番の哀しみを あなたといつも越えれるように
ろうそくに火を灯して 2人だけで祈るMerry X'mas
出典: クリスマス/作詞:磯谷有希 作曲:恩田快人
「この人となら危機が訪れてもきっと乗り越えられる」
クリスマスを2人きりで過ごしてくれる彼に対して、主人公はそんな気持ちを抱いていたのではないでしょうか。
クリスマスというと本来は神聖な日。
そういった意味で神様に祈ったり、「ずっと2人で居よう」のような誓いを立てるというのは最もなのかもしれませんね。
恋人で居る以上、悲しい出来事もあるけど…
一番の喜びを あなたと2人でわけれるように
ろうそくに火を灯して 2人だけで祈る Merry X'mas
2人だけで過ごす Merry X'mas
2人だけの白い Merry X'mas
目が覚めるまでそばにいて……
出典: クリスマス/作詞:磯谷有希 作曲:恩田快人
恋人というのは、家族と同じぐらい身近な存在です。
ここまで歌われていたように、深く繋がる以上悲しい出来事というのもきっと避けられないものでしょう。
しかしそれと同じぐらい、楽しい出来事、嬉しい出来事というのもたくさんありますよね。
プレゼントなんかなくても、2人で過ごせるだけでいいなんて気持ちもあるぐらいですから。
ひょっとするとこれは全て主人公の夢だった?
最後に意味深なのは「目が覚めるまでそばにいて…」という部分です。
これはストレートに捉えると、朝まで一緒に居て欲しいという意味。
しかしYUKIの考える歌詞だということを考慮すると、ちょっと捻った意味が込められていそうな気もします。
真意は定かではありませんが、ひょっとするとこの曲は失恋ソングだった…なんてことも。
もしかすると、彼と過ごしていたクリスマスは全部夢の中での出来事だったなんてことはないでしょうか。
辛い恋愛をした彼女の切実な想いが、夢の中に表れたという解釈です。
こう考えるととてつもなく切ない曲に早変わり。
彼の存在も、2人で過ごすクリスマスも全部夢の中の出来事なら、目が覚めてしまえば全部が消えてしまうことになります。
そう考えると彼と過ごすクリスマスは、失恋に泣き暮れる主人公の束の間の救いだったということになりますね。