日本社会をとりまく欲望と競争

ブランドが象徴する物質主義

(Oh oh)It's the show time (show time)
(No oh)Give it up for material Girls(hooo)
Gucci Fendu Louis Vuitton
CHANNELも もっと(I want them all)
All 遠慮せず Name the price
あんたの価値一体どんくらい?
Gucci Fendu Louis Vuitton
or CHANNEL がなきゃ計れない時代

出典: モノクローム/作詞:BENNIE K 作曲:BENNIE K

ショーの始まる時間です

ブランド物に目がないmaterial Girlsに拍手を送りましょう

皮肉りながらのCICOのラップパートがロックです。

ところで、人間の価値って何で決まるんでしょう?

持っている財産、それともでしょうか。

現実は両方大切で、どちらかだけで計れるものではないと思います。

見たら欲しくなるブランドもののバッグ

作りも良くて長持ちで、コーディネート力も抜群

自分の価値を引き上げてくれる気がするし、皆に自慢できます。

だけれど、もしブランドバッグを持っていなくても...。

大ヒットしたディズニー映画の言葉を借りれば、「ありのままの自分」に誇りの持てる人間でいたいものです。

お金や物を価値基準にすれば、気前よく買ってくれる男性は「愛情のある人」

だけれど、物を媒介にしないと示せない愛情というのも悲しいと感じます。

勝負するからには勝つ

先進国日本に生まれ
変えれると思った何か歌で?
現実という荒波に打たれ
分かったのは『人生勝ち負け』って
やられる前にやれるか?
負け犬なら慣れるか?

出典: モノクローム/作詞:BENNIE K 作曲:BENNIE K

メンバー二人とも海外への留学経験を持つBENNIE K。

現地でのHIPHOPカルチャーを体験して生まれたのが、BENNIE Kの独自なスタイルでした。

日本に帰国して音楽活動をする中で、もしかしたら逆カルチャーショックを受けたかもしれませんね。

そして歌で生活していくとなれば、自ずと結果を意識した競争社会に巻き込まれます。

負けたくないから、誰とでも仲良しこよしというわけにはいきません。

必死に人生を懸けて挑戦し破れた時、「やれるだけやったからしょうがない」と思えるでしょうか?

やるからには絶対に勝ちたい。

その一心で、BENNIE Kはヒット曲を生み出したのでしょう。

強くあろうとして閉鎖的に

暗い自分は嫌い
友情とかくさいし要らない
自分の価値そんなの知らない
感情はもううざいし要らない

出典: モノクローム/作詞:BENNIE K 作曲:BENNIE K

日々気を張って生きていくと、対外的には上手くいっていてもどこかで無理が生じます。

一人にならないとリラックスできなかったり、「傷の舐め合いはしたくない」と友達を避けるようになったり。

どんな人間にも強い部分だけじゃない、弱点や不完全なところがあります。

「弱い自分は嫌いだ」と拒否してしまったら、生きるのが辛くなってしまうと思います。

本当は人一倍、誰かに助けてほしいと望んでいるはずです。 

いつかつむいだ種
嘘で塗り固め
高く高く壁
はった守るため
乾いたのは何故?
手にした?幸せ
もう自分でさえ
愛せない中で

出典: モノクローム/作詞:BENNIE K 作曲:BENNIE K

他者から攻撃を受けないように強固に築きあげた壁

「大丈夫、心配要らない」「自分で解決できる」と自分を強く自立した存在にしたかったのでしょうが...。

いざという時に誰からの助けも受けられない状態にしてしまいました。

幸せや愛は他者との親密な関わりの上で得られるもの。

人と関わらず孤立無援の状態では、自分自身を愛するのも一苦労です。

トンネルは歌っていれば抜け出せる

終わりの無い
この闇に
どんな声で幾ら
泣いたって
無駄だなんて
気づいていた
でも止まらないんだ

出典: モノクローム/作詞:BENNIE K 作曲:BENNIE K

暗いトンネルを抜け出られるのはいつの日でしょうか。

抑えていた感情は一旦溢れ出すと止まりません。

誰も自分の問題を解決できないのはわかっています。

冷静に「泣いていたって解決しない」とは思いつつ、今は泣きたくてたまらないのです。

それでもまだ
いつの日か
自由になれる気がして
歌ってるんだ
惨めな気分になったって
それすら笑い飛ばして
前だけを見て

出典: モノクローム/作詞:BENNIE K 作曲:BENNIE K