「さびしいのは」生きているからと続くのかと思いきや「生きていても ああ 死んでいても 同じことさ」という歌詞。
これはどういう意味でしょうか?
きっと、寂しいのは自分だけというのは、生前に「僕」のことを愛してくれた「君」に対して違うと感じたのでしょう。
「君」を失ってもなお、心の中でこんなに輝き続ける光を遺してくれた、「君」の愛を思えば、「君」だって本当はもっとずっと一緒に居たかったはずだというのは明白だからです。
「その手貸して」と「僕」が手を差し伸べた相手はきっと「絶望」なのでしょう。
悲しみも苦しみも、「君」からの愛の証だとわかった「僕」は今度こそ、「絶望」とともに生きる決意をしたのです。
もう届かない「君」へ歌を歌う
なにも聞きとれない君に僕は
どんなことが歌えるだろう
意味を越えて
止まる胸の音に
高く高く響く思い出がある
さよならもまだ言えないで
闇の中歩く君がくれた
出典: https://twitter.com/CrazyCrazy_gen/status/898683498453622784
「君」のために歌を歌っていた「僕」はもう「なにも聞きとれない」「君に」、「どんなことが歌える」のかと考えましたが、そんな歌はないのでした。
「意味を越えて」先に逝ってしまった「君」へと届く歌はどんな歌だろうか考えると、もう自分に歌は歌えないような気がしたのです。
しかし、止まってしまった「君」の「胸の音」の中にも「高く高く響く思い出がある」と考えたら、自分の中に想いとともに歌が溢れてきたのでした。
「さよならもまだ言えない」臆病な「僕」は、この世界から旅立つために「闇の中」を「歩く君」にさえ救われてしまったのでした。
死んでしまってもなお「僕」の心を支え続ける「君」の存在の大きさがわかりますね。
「僕」も「温もりが消えるその時まで」歩き続ける
終わりその先に
長く長くつづく知らない景色
さよならはまだ言わないで
物語つづく絶望のそばで
温もりが消えるその時まで
出典: https://twitter.com/CrazyCrazy_gen/status/898683498453622784
死ぬまで「絶望」を抱えたまま歩くことを決意した「僕」。
きっと「僕」がこの世を離れる時には、心の中の「絶望」のそばで息絶えるのだろうと考えるのでした。
それは、「僕」にとっては「君」の隣で永遠に眠ることだからです。
悲しみの中「さよなら」を告げて前に進むのも、「さよなら」を言わずに前へ進むのも、きっとどちらも辛いことであり勇気のいる決断ですよね。
しかし、どんなに時間をかけても悲しみに折り合いをつけられないなら、ともに残りの人生を生きる覚悟をするしかないのです。
そんな悲しい真実を「僕」の決意とともに教えられる歌詞でした。
おわりに
「知らない」は、星野源がプライベートであったショックな出来事からできた曲だそうです。
しかし、悲壮感のある曲では決してなく、大切な人を失った絶望を経て、それでも前に進んでいこうとする姿が描かれたこの曲には、朝焼けのような未来が感じられます。
忘れられない悲しい出来事があった時、この曲を聴いて、その悲しみも連れて、前へ向かおうとしてみてはいかがでしょうか。
悲しみは消えなくても、きっと前へ進もうとするあなたの姿に、きっと誰かが手を差し伸べてくれるはずです。
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