星野源の「Ain't Nobody Know」はどんな楽曲?
EP「Same Thing」に収録された「Ain't Nobody Know」は、しっとり聞かせる超本格的なR&B。
海外のミュージシャンが歌っても違和感がまったく無いようなメロウな楽曲です。
本作は、イギリスで天才と呼ばれる若手ミュージシャン、トム・ミッシュと星野源の共作となっています。
トラック担当がトムで、歌詞とメロディを担当したのが星野源でしょう。
本格的なブラックミュージックに魅力的な歌詞とメロディを乗っけて甘く歌い上げる。
星野源の魅力が満載の珠玉のナンバーです。
タイトルの「Ain't Nobody Know」の意味
タイトルの「Ain't Nobody Know」を和訳すと、「誰もこのことを知らない!」となります。
Ain't no〜は、英語でよく使われる表現なのです。
notとnoを一緒に使うことにより、通常の否定よりも強い意味合いを持ちます。
「誰もこのことを知らない」そう強く願いたくなるのは、一体どんなときでしょうか?
さっそく、1番Aメロの歌詞から見ていきましょう。実際の歌詞を見ながら解説していきます。
冒頭は相手との出会い(1番Aメロ)
泣いていたのか?それとも瞳に雨が映ったのか?
Baby 瞳の中 雨で濡れてた
出典: Ain't Nobody Know/作詞:星野源/作曲:星野源,Tom Misch
冒頭から、いろいろな映像が浮かぶような、とてもオシャレな表現。
この歌詞をシンプルに、出会った相手が泣いていたと解釈するのは少し味気ない気がします。
PVを見てみると、星野源がカフェの中にいて、外では雨が降っています。
なので歌詞は、窓ガラスにつたう雨が、瞳に映ったと考えられるのではないでしょうか。
窓ガラスでなく、水たまりの波紋や、ビニール傘につたう雨かも知れません。
お互いまだ視線が定まらず、二人の距離がまだ縮まっていない印象も受けます。
雨が降る窓ガラス越しだと、表情は相手から見えないですよね。もしかすると本当の涙も混ざっているかも!
泣いているのに、それが相手からは見えない。
とてもロマンチックですね。星野源の抜群の歌詞センスが光ります!
初めて見た瞬間からお互いに他人とは思えない
とっくの昔出会ったような気がした
出典: Ain't Nobody Know/作詞:星野源/作曲:星野源,Tom Misch
出会ってすぐにフィーリングが合い、お互いの心の深い部分まで分かり合えたのでしょう。
お互いに好意があるのを隠さなくて大丈夫。そんな大人な安心感も伺えます。
すでに“お互い他人ではないような感覚”があるのですね。
言葉の裏にある本当の想いが心の琴線に触れる
暗闇 温かな肌 言葉の裏の想いが
心の首筋舐めた その後で
出典: Ain't Nobody Know/作詞:星野源/作曲:星野源,Tom Misch
メロディーも素敵で歌としては素直に入ってきますが、よく考えると一筋縄ではいかない難しい部分です。
肌が触れ合う密な距離で、甘い言葉を交わし合っている映像が、まず見えてきます。
ここで思い出して欲しいのが、出会ったときから感じている“お互い他人ではないような感覚”。
出会ったばかりで、まだ言葉を選びながら喋っているけど、本音はヒシヒシと相手に伝わっている。
首筋は体の中でも敏感で感じやすい部分です。心の首筋は、心の奥深くだと考えることができます。
何気ない言葉のやり取りだけで、すぐに心を許しあえたのだと思います。
とっても色っぽい歌詞ですね。