失くした愛の余韻に浸って
ねえ どうしてこんなにも苦しいのに
あなたじゃなきゃだめで そばにいたいんだろう
ねえ それでもほんのささやかな事を
幸せに思える自分になれた
出典: LOVE ~Destiny~/作詞:ayumi hamasaki 作曲:TSUNKU
私は終わった愛を幾分引きずっています。
あなたの特別さを今更ながら感じてしまうのです。
破局した後も引きずってしまうことはよくあります。
どこかで気分を一新しなくてはいけないのですが、しばらくは終わった恋に浸っていても仕方ないです。
それほどに真剣な愛だったのですから、自分が授けた愛の行方について考えたくなります。
またこの間に身に沁みて感じた相手からの愛の余韻が残っているはずです。
関係は破局したといえどもすぐにさあ新しい恋へ向かおうなんて気持ちには中々なれないのでしょう。
嘘のなかった恋愛ですから恨み言もなく別れを決めた。
その分、想い出は美しいままで私の心に残り続けてゆくのです。
この恋を思い返すとこの先の未来の私も涙を流してしまうことでしょう。
終わってしまった恋にいつまでも執着することは健全ではないです。
しかし心というものはそうした正しい定規のようなものを中々受け入れられません。
人間の心というものは周囲から健全・不健全で価値判断を下されてもびくともしないときがあるのです。
私がこだわっているのは失くした愛の美しさでしょう。
愛が動機であればどんな状態に陥ろうが不思議はないのです。
恋愛経験こそ人生の糧になる
一方で私はこの愛を通して成長してゆけたことを感謝します。
素晴らしい恋愛経験はその結末がどんなものであろうとも人間的な成長の糧になるでしょう。
私は夢のような出来事ではなく、日常のささやかな出来事に感謝できるようになりました。
こうした成長というものは貴重な経験です。
愛によって成長できたのは私ひとりの努力でなし得たものではないのでしょう。
必ずそばにあなたがいて人生というものをどう過ごせばいいのか年長の立場から教えてくれたのです。
こうした教訓は言葉で伝えた訳でもないかもしれません。
あなたの生き様をそばで見ていて感じられた思いが私を強くさせました。
この先の私の人生にあなたはいないかもしれません。
それでもあなたの姿は私の心のうちで陰のように寄り添ってくれているのです。
幸せというものに覚醒められたことはこの先の人生の基軸になります。
素晴らしい恋愛であり、美しい記憶の中で生きている。
実りのある愛は人を成長させることを改めて思い知ります。
ありふれた奇跡とは
日常会話に潜む奇跡に気付く
ありふれた言葉でも ふたりで交すなら意味を持つから
ただ出会えたことでただ愛したことで
想い合えたことでこれからも…
出典: LOVE ~Destiny~/作詞:ayumi hamasaki 作曲:TSUNKU
付き合っていた頃の思い出せる会話というものは少ないです。
特別にきざなセリフをよくいう人であるならば別でしょう。
しかし日常会話を交わすことこそがふたりが付き合っている証拠になります。
その分だけ気の利いたセリフなど思い出せないかもしれません。
それでも付き合っているときは十分過ぎるくらいに幸せに会話をしていました。
破局した今ではそうした日常のかけらを思い出したように手にして幸せを感じるのです。
しかし今は日常会話すらできない関係になってしまいました。
運命とはこういう試練を人に強います。
日常会話というものは実は非常に貴重な交歓であることを思い返されるのです。
今、パートナーに恵まれている方はこの歌を聴いて日常会話の大切さに覚醒めることでしょう。
パートナーがしばらくいない人は思い出の人との会話に潜むかけがえのない愛を想い返してください。
すべての愛は奇跡が運ぶ
結果が破局であってもこの地球上で一組のカップルがかつてあったことは奇跡的な出会いがあったから。
こうした奇跡に出会えただけでも私にとっては特別な恋愛になりました。
そもそも特別じゃない恋愛などないのです。
どんな恋愛であっても、どのような結末を迎えても出会ったことは奇跡の積み重ねの結果でしょう。
こうした運命のめぐりあわせに感謝できる人間になれるかどうかでその人の価値が分かるような気がします。
愛し合った過去は消し去ることができない事実なのです。
そのことを懐かしくも美しい想い出として振り返られる私は幸福でしょう。
あなたに出会えてよかったと感謝できる恋愛を積み重ねて人は成長してゆくような気がします。
それは多くの人と付き合うことが素晴らしいといっている訳ではありません。
量よりも質というかかけがえのない愛を経験したことがその人の糧になっているということです。
今は過去の恋愛の思い出に浸っている私もいずれは前を向いて新しい相手とめぐりあえるはず。
そのときも過去の人を忘れることに必死になる必要はないでしょう。
私の過去にはどうしてもあなたという存在がいたのです。
その愛も本物と呼べるものでした。
新しいパートナーはそうした過去を負う私をすべて抱きしめてくれる人です。
ここで積み重ねた愛の経験がさらに生きる季節が訪れるのでしょう。
「LOVE ~Destiny~」と未来へ
真実と現実の全てから目を反さずに
生きて行く証にすればいい
ただ出会えたことをただ愛したことを
2度と会えなくても La La La La… 忘れない
出典: LOVE ~Destiny~/作詞:ayumi hamasaki 作曲:TSUNKU
いよいよ終盤です。
浜崎あゆみはこの曲をゆったりと気持ちを込めて歌い継ぎます。
歌唱のテンポが遅く、さらに朗々とした歌い方なので自然に歌詞の量は少なくなるのです。
私の悟りのようなものが打ち明けられます。
真実に目を啓くというこのラインが歌の重みを決定付けているのです。
別れたという現実にも目を背けないで生きてみること。
別れの理由の犯人探しをしようというのではなく、ただ自分のために現実を見据える決意をします。
愛は観念の中だけにあるものではないでしょう。
現実のそこかしこに愛の気配が存在します。
あなたの痕跡もどこかに残されているかもしれません。
私は現実からすべて吸収して生きていこうと誓うのです。
私が成長した人間になれたことがこのラインからうかがうことができます。
「LOVE ~Destiny~」
曲のタイトル自体が「愛と運命」の相関関係を指しています。
もうこの先、ふたりの運命が交わることはないのでしょう。
それでもこれまでの経験を胸に抱いて生きてゆくことができると私は学びました。
愛し合った過去を書き直すことはできないかもしれません。
事実は変えようがないのですから。
しかし過去の解釈について人は振り返る都度に変えることも可能です。
今は終わってしまった恋に浸っていても、新しい運命に向かって人生は続きます。
その先には新しい出会いがあるでしょう。
私はまだまだ年若い女性であるのですから可能性は無限です。
過去の恋愛から多くを学んだことは無駄にはなりません。
次こそ永遠を誓えるパートナーと添い遂げられるかもしれないのです。
忘れられない過去の愛はそのままに新しい出会いに向かって欲しいものでしょう。
愛に生きることの正しさを私は忘れ得ない愛の中で知り尽くしているのですから。
今、終わってしまった恋に浸っている若いリスナーにも同様に未来が待っています。
次に出会える人が過去の自分までも抱きすくめてくれる広い懐を持っていることを祈りましょう。
いい恋愛こそ人を成長させることをこの歌を機会に改めて知ることができて幸せです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。