あきらめるなんてもうしたくなくて
じゃまする過去達に手を振ったよ
初めて私に教えてくれたね
何が一番大切かを
出典: Trust/作詞:浜崎あゆみ 作曲:木村貴志
前に進もうとする意志を揺らがせるのは、いつだって失敗した過去の記憶です。
頑張ったところで、どうせ報われない。
そんな自分の心に根付いてしまった考えを振り払うように、主人公は過去に別れを告げました。
暗闇の中で1人閉じこもっているくらいなら、ぼろぼろになるまで夢に向かって手を伸ばそう。
主人公の心にもう迷いはないようです。
それは「あなた」が主人公に大切なことを教えてくれたから。
その大切なこととは何か。
続く歌詞から考察していきます。
同じ過ちは繰り返さない
助けてくれる人が現れたからといって、すぐに自分を変えられるわけではありません。
それでも人を信頼することを覚えた主人公は、もう自ら孤独になることを選ぼうとはしませんでした。
「あなた」が大切なことを教えてくれたからこそ、主人公は同じ過ちを繰り返さずに済んだのでしょうね。
本当の優しさ
迷ったりもしたそばにいることを
誰かキズついてしまう気がしてた
本当の優しさどこかで
間違って覚えていたんだ
周りばかり気にするのは もう終わりにしよう
出典: Trust/作詞:浜崎あゆみ 作曲:木村貴志
「あなた」の傍にいる資格が自分にはない...。
そんな風に考えてしまうのは、主人公が自分に自信を持てずにいるからでしょう。
周囲の目ばかり気にして、自分の意思を持てずにいる。
誰かのためと言いながら、結局は自分が傷付かずに済む方法を探しているだけ。
そのことに気付いた主人公は、くよくよと思い悩んでしまうネガティブな自分を改めることにしたようです。
「本当の優しさ」とはきっと、互いの弱さを認めあうことなのでしょう。
傷付いたり、傷付けたりしながら、誰かと一緒に生きていく。
それは時にしんどい生き方に思えるかもしれません。
しかし人と繋がっていようと努力する心だけは、決して忘れてはいけないのでしょうね。
「あなた」が教えてくれたこと
「あなた」が教えてくれた一番大切なこと。
その答えは最後の歌詞に隠されていました。
「あなた」に対する特別な感情
口びるにすこし近付き始める
永遠なんて見たことないけど
今のふたりなら信じられるハズ
もうひとりぼっちじゃないから
出典: Trust/作詞:浜崎あゆみ 作曲:木村貴志
1番の歌詞では恋愛要素をあまり感じませんでしたが、2番のサビで主人公と「あなた」の関係が明らかになります。
主人公は「あなた」に感謝以上の特別な感情を抱いていたようですね。
だからこそ深い関係になって「あなた」に迷惑が掛かるかもしれないことを、あんなにも恐れていたのかもしれません。
しかし今の主人公は、「あなた」と2人で生きていくことに迷いはないように見えます。
信じられる人がいる。
そして自分を信じてくれる人がいる。
主人公を孤独から救ってくれたのは、「あなた」の信頼でした。
自分を信じて生きていく
恋が皆いつか終わるわけじゃない
長い夜もやがて明ける様に
自分を信じて ひとつ踏み出して
歩いていけそうな気がするよ
出典: Trust/作詞:浜崎あゆみ 作曲:木村貴志
「あなた」と始める新しい恋。
その行方を知っている人は、どこにもいません。
未来のことは何も分からない。
だからこそ、自分を信じて歩いていくしかない。
それが「あなた」が主人公に教えてくれた大切なことなのではないでしょうか。
暗闇に閉じこもるばかりだった主人公が、ここの歌詞では「必ず夜は明ける」と歌っています。
「あなた」と2人で生きていくという主人公の決断は、人を信じる強さを手に入れたということと同じです。
一番大切なものが何か。
それを知った今の主人公なら、どんな困難にも立ち向かっていけることでしょう。