あくまで本心を隠す
今だからいえる本心
歌詞を読むにつれて悲しくなってきます。
彼氏の本心が分かってしまうばっかりに……
湿っぽいのは好きじゃないから 何でもないって
顔してみたけど 上手く出来てたかな?
ほら君に(ナカナイ)新しい世界が待ってる(ナカナイ)俯かないで
誰よりも(ナカナイ)素敵な笑顔だから(ナカナイ)忘れないでね
出典: Bye Bye/作詞: hyde 作曲: tetsuya 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano
敢えて強がっている心がよく伝わります。なんと健気なんでしょう!!
別れの悲しさを顔にすら出さないように努力するのです。
少なくとも、そう頑張っていることは確かでしょう。
そして、答えは返ってこないのに、それが上手に出来ていたか彼女に問うのです。
彼女がどう答えるのかは分かりませんが、きっと泣き顔だったのではないでしょうか。
でも、悲しいのは彼氏だけではなかったようです。
彼女は悲しさの余り俯いてしまったのですね。
そんなステキな女性が悲しみに包まれていると思うと切なくなりますね。
「泣かない」のコーラスからも彼女の気持ちがよく伝わります。
「素敵な笑顔」といっていることからも、ベタ惚れだったのが改めてよく分かりますね。
そしてステキな女性だったことがよく伝わってきます。
湿っぽいのが嫌いな彼氏でも、自然と湿った雰囲気になってしまったようです。
別れ前の悲しいひととき。
そっと彼女を気遣う
届かない気遣いと励まし
彼女には伝わらないのに、そっと励まします。悲しい気遣いです。
離れ離れて怖かったり 不安? でもね
君の魔法はきっと みんなが好きになる
出典: Bye Bye/作詞: hyde 作曲: tetsuya 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano
彼氏の心の中だけの精一杯の応援、激励、鼓舞、エール。
彼氏は、彼女の魅力を充分過ぎるほど理解しています。
だから、彼女が新たな地でも周囲に好かれることを確信しているのですね。
そういう意味では、人間関係に関しては余り心配していません。
そして、また新たなる地で、彼女が上述した「魔法」を存分に発揮するのでしょうね。
そんな彼女でも「不安」なのでしょう。
でも、彼女は男性からも女性からも、きっと人気者になることは間違いないですね。
その「華やかさ」と「美しさ」と「彩り」さえあれば。
旅立ち
華やかな(ナカナイ)季節に君は囲まれて(ナカナイ)歩いて行った
もう少し(ナカナイ)そばに居てほしいって本当は(ナカナイ)思っていたよ
小さく手を振って 背中にそっとバイバイ
振り向かないように 小さな声でバイバイ
出典: Bye Bye/作詞: hyde 作曲: tetsuya 編曲: L'Arc〜en〜Ciel & Hajime Okano
彼女に余りにもピッタリの「華やかな季節」に出発することができました。別れ……
きっと美しい情景の中で旅立っていったのですね。
「泣かない」が4回も繰り返されます。
男性の気持ちを忖度すると、心が痛いです。
本当に行ってしまったのですね。
でも、ここで彼氏は男らしく心の「強さ」と「優しさ」をみせます。
「強さ」がなければ、「優しさ」も心に持てないでしょう。
「威風堂々」というと大袈裟でしょうか。
彼女に気付かれないように、振り向かせないように、そっとさよならを告げるのです。
本当のバイバイ。
何を訴えたかったのでしょう
愛し合っている男女の美しさ
彼氏も彼女も、互いに心の底から愛しているのは充分すぎるほど伝わりました。
そして、魅力的で華やかな女性。
カラフルなイメージで唄われていましたね。
敢えて、「社会」「世間」に何かを訴えたかったわけではないでしょう。
読めば読むほど、ごくごく個人的なことを伝えています。
自分の悲しかった経験を紡いだのではないでしょうか。
この唄に共感してくれる人にだけ分かってくれればいい、という気持ちと覚悟。
このナンバーがオリジナルアルバムに収録されるのに時間がかかった理由なのでしょうか。
そんな気持ちで書かれたように強く感じざるを得ません。
本当に世間には「愛」や「恋」が氾濫しています。
小沢健二さんの『愛し愛されて生きるのさ』。
米津玄師さんの『MAD HEAD LOVE』。
これらのナンバーなどは、強くそれを感じさせますね。
当然、『Bye Bye』の歌詞に共感を覚える人は大勢いるのではないでしょうか。
ごくごく個人的なことを唄って、それでもなお普遍性があります。
別れの曲なのに何故か温かい気持ちになれるところが凄いです。
互いに相手のことを思いやって温かい気持ちになります。
「切なさ」と「ほっこり」が共存していますね。
そのようなことを唄い上げたかったのではないでしょうか。
もちろん筆者の独自解釈なので、違う解釈をする人もいるでしょう。
リスナーがそれぞれ違った解釈を楽しむのも、この楽曲の醍醐味かもしれません。