さて、Aメロが終わり2番のサビに向かいます。このサビの歌詞は今までのサビの歌詞と違い、Acid Black Cherryらしさがより一層出てきます!
一部リスナーの方が「エロい」と称す歌詞ですが、皆さんはどう感じますか?
髪に…首に…舌に…子宮に…kissしてない場所はない
触れて噛みついて傷をつけて…その唇で
出典: scar/作詞:林保徳 作曲:林保徳
要は、「あなたは全身くまなく愛撫してくれたよね(欲望のためだけに寝たんじゃなくて、本当に愛してくれていたんだよね)」という過去を歌っている内容です。
yasuさんは、子宮を「なか」と発音しています。そこら辺がリスナーにセクシーさを感じさせるのでしょうか。
多少そんな要素はあっても、個人的にこのレベルは全くエロくないと思います(ちなみにこの記事の執筆者は女性です)。というのも、海外にはとんでもなくエロい楽曲がたくさん存在するからです。
例えばR.Kellyが2005年に出したアルバム「TP.3 Reloaded」は、比喩も使わない露骨な表現(放送禁止用語レベル)が頻発する曲ばかり。
CDジャケットの右下にも、保護者向けの注意書きが書いてある位です。それと比べると、「scar」はごく健全な部類に入る気がします。
「ブリッジ」の歌詞も深い
少しだけの 傷みは慣れてるけど
あなたの声とぬくもり…ただそれだけ...消えなくて
出典: scar/作詞:林保徳 作曲:林保徳
限られた文字の中で、曲の世界観を伝えるのはなかなか困難です。なぜなら、歌詞で登場人物を具体的に描写すればする程、人物像はクリアになっても曲の芸術性が削がれてしまうから。
この辺りのバランスが、yasuさんはとてもお上手だと思います。
このブリッジ部分の歌詞から推察できるのは、登場人物の女性は10代や20代前半ではなく、生きて行く上であらゆる痛みを経験した事のある20代後半〜の女性ではないか?という事。
その人生経験をもってしても、愛しい人を失った痛みは耐えられないのでしょう。そしてブリッジの後に、1番と2番のサビが繰り返されて曲は終わります。
「scar」のまとめ
この楽曲のタイトルは、「scar」となっていますが、歌詞には一度もこの単語が出て来ません。
作詞したyasuさんは「具体的に◯◯の部分の傷」と言い表せないような、深い傷を負った女性の悲しみや傷みを曲全体から表現したかったのではないでしょうか。
全てを小文字で表しているのも、本人さえ気付いていない小さな傷がたくさんある、という事を暗示しているのかもしれません。
その見えない「心の傷」を美しい楽曲に昇華させたyasuさんは、やはり素晴らしい才能を持つミュージシャンですね!
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